中国ECの巨頭、天猫や京東を超えた越境EC コアラとは?

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eMarketer社によると、2017年中国国内 EC売上高は約11,153 億米ドル(約122兆円)(対前年比 35.1%増)であり、中国BtoCの市場は、国内の景気減退とは裏腹に大きな成長を遂げている。 さらに、越境ECも拡大が続いており、中国の昨年の越境EC市場規模は、1,002 億米ドル(約10兆円)と前年比も27.6%増と伸長を続けている。
この越境ECで売上高トップなのが新鋭の「Kaola.com(網易考拉海購・25.8%)」という、中国人でも越境ECで買い物をしない人にはあまり知られいない、越境ECサイトである。
今回はこの越境ECサイト「Kaola.com(網易考拉海購)」について調べてみた。

 

●越境ECプラットフォームのシェア1位は「Kaola.com」

前回の2017年の中国越境ECのブログでも述べたが、iiMedia Researchによれば、中国における 越境 EC サイト別売上高シェアナンバーワンは「Kaola.com(網易考拉海購・25.8%)」。
第2位は「Tmall International(天猫国際・21.9%)」、第3位が「JD Worldwide(京東全球網・13.3%)、第4位が「vip.com(唯品会・12.9%)」と続いている。
中国国内向けECサイトでは「Tmall (天猫)」や「JD.com(京東)」のシェアが高いが、 越境ECサイト売上では、「Kaola.com(網易考拉海購(ネットイース・コアラ))」がトップのプラットフォームとなっている。

コアラの市場価値

Kaola.com(網易考拉海購)は中国ポータルサイト大手の網易(ネットイース)が 2015 年に始めた越境EC事業である。
同社のネット事業が好調で2017年の売上116 億元(約1,993億円)の大半を占めるという。 Kaola.comは日本では2016年に楽天と戦略的提携契約を締結したり、花王が旗艦店をオープンしたことなどで知られている。

 

●kaola.comとはどんなプラットフォーム

kaola.comの母体である網易(ネットイース)は1997年に杭州で設立。子会社にはネットイースコアラを運営するHQG Ltd、ゲーム、などを始め、多数の事業を保有展開している。
Kaola.comは、ネットイースの子会社であるHQGが2015年1月に提供を開始した越境ECサイトである。 特徴は日本、韓国、米国、オーストラリア、ヨーロッパ各国の企業数百社と戦略的パートナーシップを結び、企業連携し、ネットイースが自社で買い付けた海外商品の直販方式によって直営店による「本物」の品質を保証し、販売している点が大きい。
取引量の割合として一番多いのは日本で、次いでアメリカ、ドイツ、韓国、オーストラリアと続いている。 日本での提携メーカーの主なところは、花王、カルビー、カシオなど。小売では、キリン堂、ニトリ、ヤマダ電機、羽田空港などがある。

コアラのトップページ

kaola.comでは、偽物で悩まされてきた中国の消費者にとって、安心して海外商品を買うこと出来ること。また、ゲームを販売していたブランド力などが功を奏し、今や、設立から2年という短期間に天猫、京東といった強敵を打ち負かし、越境EC業界のリーディングカンパニーに成長したのである。
次にkaola.comはなぜそんなに急成長できたのか、その強みに具体的に見てみよう。

 

●kaola.comは設立当初からの自営を貫いている

kaola.comが他の越境ECモールと違う点は一貫した「自営」運営にある。 事業展開のポイントは、海外の人気商品の生産地に支社または事務所を設立し、海外のメーカーや小売店と提携することで、良質な商品をkaola.comが直接購入し、中国kaola.comで販売している点だ。現地調達方式は、中国消費者から、高い信頼の獲得に繋がっているのだ。

コアラの商品

●Kaola.comは、中国国内に巨大な保税倉庫を所有している

Kaola.comは2017年に入り上海、天津、浙江、江蘇、広東、河南、杭州、寧波、鄭州、重慶など各都市に複数の保税倉庫を設置することにより、消費者は所在地に応じて倉庫を選び、商品の配送を手配することが可能となった。 そのため、配達スピードが大幅にアップ、税関から倉庫、物流の多方面を連動させた「翌日着」サービスを開始した。
今後の目標は「当日着」サービスシステムの構築である。 現在すでに杭州でテスト運営が行われている。「当日着サービス」は、紙おむつや粉ミルクなど、使用量が多く、かつ、人々の生活に欠かせない商品の販売にとっては大きな促進力となるだろう。

 

●高い品質保証と低価格を実現している

海外販売で中国人が最も心配するのは、フェイク商品である。 自営による直接購入へのこだわりは、完全な正規品の保証を実現し、Kaola.comは「100%正規品保証」を宣言し、偽者が発覚した場合はその金額の10倍の補償を約束している。
また、世界一流ブランド、トップサプライヤーとの事業連携は、イギリス、アメリカ、オーストラリア、フランス、ドイツ、韓国、オランダ、ニュージーランド等の大使館及び領事館、貿易促進機構等、多くの政府機関から支持も得ている。

さらに、消費者から大きな支持を得ているもう一つの理由は、その価格にある。 Kaola.comの価格は一般に天猫、京東、各地のアウトレットモール価格よりも低い価格に設定されている。これも直接、ブランド商品を現地購入しているために、可能となるのだろう。配達スピードが大幅にアップできれば、同時に物流コストも抑えられる。

 

●kaola.comはどんなユーザー層をターゲットにしているか

Kaolaの利用者は20歳から40歳の会社員が中心である。 市場調査コンサルのiiMedia Rearchデータによると、海外通販歴1年以下の 新規ユーザーほどkaola.comの利用率が高いのだという。
新規ユーザー率は34.1%にも達し、新規ユーザーは同社のサービスや品質に大きな信頼を置いている証といえる。 2017年の「618」セール日であるの期間中においても、kaola.comは数々の新記録を樹立した。
当日のサイト売上が2015年と比べると500%増だったというから驚きだ。 2017年「双11」独身の日の売上も2016年比の30%アップとなり、これは運営開始から最高の業績だったようだ。

 

●kaola.comのオーガニック系商品が人気

kaola.comの公表したデータによると、2016年は韓国製の「顔パック商品」が高い売上を記録したが、2017年は「618」セール日には日本、ヨーロッパ、オーストラリアの「顔パック商品」が高い人気を集め、その結果、平均単価も4倍に跳ね上がったたようだ。

中国の消費は現在、つぎの段階に進んでいる。多くの二線・三線級都市や、更に辺鄙な地区においても「消費昇級(アップグレード)」トレンドが進みつつある。 つまり、中国越境ECユーザーの注目商品は、ベビー・マタニティ用品やコスメ類等の生活必需品であたったが、日常生活のクオリティをより豊かなものにする商品へと移り変わりつつある。
ベビー・マタニティ向けの粉ミルクなどはオーガニック系商品が人気を集めているようであり、 健康やオーガニックといった消費昇級傾向が高まっていることが窺える。 家電製品でも、電動歯ブラシやドライヤー、イヤホンなど従来の商品ばかりでなく、ダニ防止用掃除機やマッサージ器など、より専門的で高度な製品の人気が高まっているようだ。
日本の商品でも、職人の「手作り品」の人気がジワジワと高まってきている。まさに趣味を持つ人にしかわからない、「伝統工芸品」などである。中国人の中に「みんなと被りたくない」という意識が高まり、越境ECでもこのような分野に、中国人が着目していることは驚きだし、どこまで需要が広がるか見ていきたい。

 

●まとめ

kaola.comは信頼できるサイトとしてポイントが高い。 海外の高品質な商品をより低価格で、
さらに翌日販売など、安心、安全を中国人消費者に提供している。 親会社はポータル、メールサービス、ゲーム、オンラインミュージック等を提供するTOPインターネットグループ会社なので、グループ全体のイメージがよい。
中国人は買い物をする際、モール選びから始まる。モールを選び商品名を入力して、口コミを検索する。なので、どのモールに重点的に商品を置くかが非常に重要な要素となる。
中国人の海外製品を求める需要はますます高まり、かつ多様化していくのは当然の過程である。kaola.comは中国の越境EC界に新たな進化をもたらす原動力となるだろう。

 

 

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