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中国越境ECにかかる関税の新税制度はどうなったのか?

   投稿者 : 2016年11月2日 By

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中国の昨年(2015年)の越境ECの統計をみると、越境ECの利用人口は約2,400万人。前年が1800万だったので、伸び率は133%。越境ECによる消費総額は368億ドル、2014年は220億ドルであったので、伸び率は167%と、どちらも、中国の越境EC市場規模は拡大成長していることが見てとれる。
また、今年2016年4月8日より中国では、越境ECに関する新制度による関税の仕組みを変更した。だが、これは突然のことだったためか、現場は混乱をきたし、特に保税区を活用をした越境ECに大きく影響したため、中国政府は越境EC関税に関する新制度を1年の延長すると公表した。
今回は、この新税制度の現状と爆買いに変わる中国越境ECの可能性について見ていこう。

図表01

 

●行郵税と新税制度の相違点

行郵税とは、中国の個人が海外からの手荷物などに対する税や越境ECで商品を購入するときに課せられる税金である。
一般貨物の場合は「関税」「消費税」「増値税」に加えて、流通分のコストなどが上乗せとなるので、最終的には越境ECで商品を購入した方が安い、ということになる。
これでは、不公平ということで、新税制度が作られ、行郵税は廃止され、越境EC小売輸入商品に対しても、貨物の内容に応じて「関税」「増値税」「消費税」を徴収することとなったようだ。
新税制度の主な内容は下記となる。

  1. 1度に個人が購入できる購入金額の上限は2000元までに引き上げる(現状は1000元)
  2. 1人の年間購入金額の上限は2万元とする(現状通り)
  3. 購入金額の上限以下の購入商品に関し関税率は0%にする
    ただし、上限金額を超える場合は、一般貿易と同じ税率を適用する
  4. 輸入に関する増値税を30%減額し、全てに適用(増値税17%×70%=11.9%)
  5. 消費税がかかる場合(商品によっては消費税がかかるケースがある)、30%減額で適用する(消費税30%の商品の場合、30%×70%=21%)
  6. 行郵税を廃止し、現状の個人輸入関税50元までの免税措置を廃止する

下の表は従来の行郵税が新しい課税制度になっ場合、ベビー商品、アパレル、化粧品などの商品にかかる関税がどのように変わるのかを表にしたものだ。
この表をみると、行郵税率が20%のアパレル、ファッション、電化製品などの250元以上の商品は減税となる。そして、行郵税率の高い50%の化粧品で100元以上の商品も減税となる。
新税制度では、250元以上のアパレル、ファッション、家電製品、100元以上の化粧品などに関しては、今までよりも減税となり販売が伸びることが予想される。
また、新税制度では個人購入上限の引き上げ(1000元 ⇒ 2000元)なども越境ECにとっては追い風となると考えられる。

図表02

 

●新税制度は1年延長された

一般貿易との税制格差を解消することを狙いとした、中国の新税制度ではあったが制度が変わったことで、税制変更以外の通関手続きに関しても大きな変更があることがわかり、越境EC事業者は大混乱を生じた。
この事態を重く見た中国政府は、この新税制度は2017年5月11日まで猶予されることとなった。
下記は5月24日中国税関官報によって、文書にて発表されたものだ。要約すると以下の内容である。

  • 税率に関し、新税制を適用する
  • 通関に関し、以前の基準を一定期間継続する
  • 通関に関し、移行期間として1年の猶予を置く

資料

 

●爆買いから越境ECへ変化

行郵税が1年間延長されることとなったことが、影響しているのかどうかは定かではないが、今、中国人の爆買いが、翳りを見せている。
メディアの報道によると、今年上半期の日本を訪れる外国人観光客の伸び率は停滞しており、さらに、その中では中国人観光客の支出も減少し、大手総合免税店ラオックスでは売り上げに大きな打撃を受けたと聞く。
これは、わざわざ日本で買い物をして重い荷物を持ち帰らなくても、日本の商品は越境ECにより、ネット購入することが多くなったことに起因しているようだ。
中国の日本への観光の目的は、日本の商品を大量に買うことから、旅行そのものを楽しむ方向に変化しているのかもしれない。

 

●まとめ

今年も11月11日の「独身の日」が近づいている。この日は中国大手EC企業、アリババグループよる特売セールが行われることから、中国のネット販売が国民的に大きく盛り上がる日でもある。
そして、この日に向け中国企業だけではなく、すでに日本企業も割引キャンペーンなどで、売り上げを伸ばす施策を行っている。
今年も「独身の日」で日本企業が越境ECで、どの程度売り上げを伸ばすのか、その動向が注目されるところだ。

 

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