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猛威をふるう新型コロナ 世界のECマーケットへの影響は?

   投稿者 : 2020年4月13日 By Comments (0)

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世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症、未だに事態の収束が見えない状況である。
日本においては4月7日、政府より7都府県を対象に緊急事態宣言が発令、感染の爆発的拡大を防止するため、多くの業種や市民に対して自粛要請がなされた。
世界においては、さらに厳格な自粛、いわゆるロックダウンという都市封鎖による自粛、外出禁止命令などが発令されている。
そして、この新型コロナウイルス拡大により、世界では「巣ごもり消費」が拡大しているようだ。感染拡大により世界のECマーケットの売上の増加が顕著になっており、Amazonは市場拡大を受け、10万人の新規雇用拡大を発表。さらにイタリア、フランスでは配送が追いつかず、重要でない商品については注文を停止するなどの事態が起こっている。
今回は、日本、中国、アメリカ、ヨーロッパ、東南アジアなど世界では、今、新型コロナウイルスの影響により、ECマーケットにどのような影響が出ているのか、また、どのような商品の需要が伸びているのかなど調べた。

日本EC市場はプラス4.1%

4月1日、ビッグデータの解析・分析を行うナウキャストとJCBは新型コロナウイルス感染拡大による、3月前半のの国内業種別消費動向データを公開した。(下図)
その内容によると、「小売」「サービス」ともに大幅に悪化している中、「EC市場」は前年と比べ、4.1%の増となっている。
他には「スーパー」が14.0%増で大きく上昇しているものの、「百貨店」は-9.1%、「居酒屋」-11.4%、「外食」-10.5%と大幅な悪化を示している。
EC市場の増加は、新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり消費」によるもので、学校の休校、在宅勤務によるECサイトでの消費拡大である。

日本の市場の変化

実際に、MakeShopでは2月の流通額は前年度比、15%増と発表している。
また、「無印良品ネットショップ」では、食品関連が大きく、20.6%増となっている。ただし、衣服・雑貨カテゴリーは-9.6%とEC商材すべてに関して売れているわけではない。
食品ではカレーを中心にしたレトルトの他、冷凍食品やインスタント食品などが売れているようだ。
このように、コロナ影響による消費者の「買いだめ」がネットショップにも及んでいる。
多くの生活用品や食品を扱うECサイトでは、商品供給が間に合わない為に注文点数を制限したり、アクセス殺到による一時的な受注停止等の混乱も起こった。
ライフネットスーパーでは、3月28日と29日を休業したり、楽天西友ネットスーパーでは、26日に首都圏1都3県で注文を停止した。
ヨーカドーではアクセス集中から、ログイン出来ない状態が長時間続いたという。イオンネットスーパー、マルエツネットスーパー、ダイエーネットスーパーでも、サイトが重い、届け日が指定できないなどの問題が発生した。

中国EC市場は前年比137%

新型コロナウイルスによる感染が減少傾向に向かっている中国でも、コロナによる在宅率が高まりから、「巣ごもり消費」による爆買いが起こった。
感染者が減少する中国、天猫では、3月5日~8日、国際女性デーのイベント「クイーンフェスティバル(女王節)」を開催した。
天猫のこのイベントでは、コロナ感染の中にあっても、全体では前年比137%増という中国消費者の購買欲のすごさが顕著に示された結果となった。
今回のイベントで最も売上の高かった商品ジャンルは、「美容関連商品」で前年比189%増、さらに「家庭用品」と「食品/健康」などどのジャンルが増加している。
「美容関連商品」ではスキンケア/ボディケア商品が、「家庭用品」、「食品/健康」商品ではマスクや消毒液、インスタント食品等が多く売れたようだ。

中国のEC市場

また、中国では新型コロナウイルスで消費が落ち込む中でも、越境ECは好調なようだ。日本製のキッチンをTMALLやJD.comで販売している大連良品生活貿易担当者の記事によると、2月の売上高は約1,300万円で、前年比60%増、3月も前年より増加しているようだ。
売れ筋商品は、日本の雪平鍋、マグカップ、ガラスコップ、土鍋、箸などだ。
特に、雪平鍋が20~30代の若者層に売れており、軽くて洗いやすく、ラーメンなど軽食を作るのに用いられており、爆発的に売れているようだ。

アメリカEC市場は25%の伸び率

新型コロナウイルス感染者数50万2,513人(日本の場合5,347人)以上と世界最多を更新しているアメリカだが、トランプ大統領は3月27日、新型コロナウイルス対策として、総額2兆2000億ドル(約238兆円)の「Coronavirus, Aid, Relief and Economic Security (CARES) Act」を成立させた。これは、GDPの10%に相当する巨額の投入であり、かつてない財政支出である。
新型コロナウイルスの拡大は、アメリカEコマースにも影響している。
3月31日に発表された、アドビの「Adobe Digital Economy Index」によると、アメリカのEコマース売上は25%の伸びとなっている。

アメリカのEC市場

このレポートによると、1月1日から3月11日の間、Eコマースによる売り上げ増加が顕著なものは、手指消毒剤、手袋、マスク、抗菌スプレーなどで通常の807%の上昇。
風邪、インフルエンザ、鎮痛剤の市販薬などが217%増加。
トイレットペーパーが231%の増加。生鮮食品、缶詰など保存食品がは87%の上昇となっている。
アメリカでは、3月初頭から外出制限となり、その影響でフィットネス機器(ケトルベル、ダンベル、トレッドミルなど)の注文が55%増加したとしている。
また、このレポートではこれまでデジタル投資に注力した企業は、その投資分を回収しつつあるとしている。特に「ソーシャル・ディスタンシングが導入されて以降のEコマース売上には、大幅な上昇がみられた」と記している。

Eコマースの利用急増を受け、Amazonでは新たに10万人、Walmartは店頭やEC関連業務を含めて新たに15万人を新規雇用することを発表した。
また、AmazonのFBAでは生活必需品の対応を優先した制限も開始している。
食料品の即日配達サービスの大手のInstacartでは、3月24日、「ショッパー」と呼ばれる買い物代行員を今後3カ月で新たに30万人採用すると発表している。
Eコマースは好調であるが、大打撃を受けているのは、店舗など経営する小売店である。営業の自粛、停止など追い込まれている。
この状況を受け、オンラインサービスを提供するIT企業がオンライン上の売り場を提供する動きが広まっている。
Facebookでは1億ドル(約108億円)の現金補助と中小事業者向けの表示地域制限付きの広告クレジットを提供すると発表。
eBayは実店舗事業者のウェブ参入のサポートを目的とした新プログラム、「アップ・アンド・ランニング(Up & Running)」のサービスの提供を始めている。
このプランは、実店舗事業者らが条件を満たせば、eBayマーケットプレイスで3ヶ月間無料で商品出品が可能となるものである。
アメリカの大手IT企業の支援策をみると、世界はまさに新型コロナウイルスとの「戦時体制」下にあると言えるだろう。

ヨーロッパEC市場は全体的に売り上げ減少傾向

EUは、3月17日、渡航制限を行った。このとき、フォンデアライエン欧州委員長は、「われわれはみんな新型コロナを過小評価していた」と危機認識が甘かったことを述べている。その後、ヨーロッパの新型コロナウイルスの感染拡大はさらに深刻さを増した。
欧州メディア「Ecommerce News europe」によると、
新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行により、欧州のeコマース市場は重大な打撃を受けているとしている。
企業アンケートによると、国内のEコマース協会のほとんどは、売上の減少と、スタッフ解雇をせざるを得ない状況に陥るとの見方を示している。

ヨーロッパのEC市場

また、「Ecommerce News europe」では新型コロナの影響で、どのようなセクターが売上を上げているか、又は減少しているかの回答を求めた。
売上が増加していセクターは、ヘルスケア、食料品小売、および家電製品が挙げられる。
減少しているのは、観光、輸送、実店舗およびイベント産業といったセクターである。観光業、運輸業、イベント産業への打撃は甚大である。

ヨーロッパのEC市場

また、「Ecom covid19.com」によると、中央・東ヨーロッパのeコマース全体は非常に安定しているが、品目により、増加しているもの、減少しているものに分かれる。
最も売り上げが増加している品目は、衛生用品の206%増、建築資材の119%増、子ども用の商品の103%増である。
逆に減少しているものは、園芸、衣類およびファッション用品、オフィス用品、工具、卸売等である。

ヨーロッパのEC市場

東南アジアEC市場は宅配サービスが拡大

東南アジアでは、各国の新型コロナウイルスの封じ込めによる、外出禁止の影響から、Eコマースでは宅配注文が殺到している。
3月25日の日経新聞によると、料理宅配などの電子商取引(EC)向けビジネスを拡大する動きが相次いでいるとしている。
タイの小売り大手「CPオール」は、コンビニ「セブンイレブン」での宅配サービスを全国1500店に広げた。
「CPオール」は、スマートフォンアプリから食品や日用品などを注文するサービスで、1月からバンコクの約100店で試験的に実施していた。今後は1万1000店への展開をめざしており、配達員2万人を採用するとしている。
タイでは、食品スーパー、コンビニ以外の商業施設、外食店は営業休止となっており、宅配にニーズが高まっている。

インドではインドは25日から「全土封鎖」を実施し、ほぼすべての事業所、商業施設の閉鎖を命じた。
インドの食料品デリバリーサービス「Grofers」とインドのオンライン食料品店「BigBasket」によると、この1週間のオンライン注文が殺到しているとしている。
BigBasketは1日当たり16万件の配達を実施し、Grofersは1日当たり9万件の配達を行っている。
インドでは「公共の場所を避けるように」という厳しい勧告を受け、BigBasket、Grofersのような食料品系のオンライン配達サービスの利用が大幅に増えている。

grofersサイト

▲Grofers

bigbasket

▲BigBasket

ベトナム最大のネットショッピングサイト「TiKi」も2月以降の取引金額が、昨年11~12月と比べて15%増えたと伝えている。
アメリカの調査会社eマーケッターによると、小売り全体に占めるEC割合(EC化率)はベトナム、タイ、インドネシアで2%前後と中国や日本より低いが、新型コロナ感染症拡大による東南アジア各国の外出禁止は、食料品などの宅配ビジネスの拡大を加速させ、EC利用が遅れていたネットショップの活用、ネットショップビジネスを拡大している。

まとめ

世界では今、家でお金を消費する「巣ごもり消費」が拡大している。
中国では美容関連商品が売上を伸ばし、アメリカでは、健康・医薬関連商品以外ではフィットネスやゲーム関連商品、ヨーロッパでは健康関連商品や、食料品、東南アジアでは食料品などの宅配サービスである。新型コロナの感染拡大は、ECカテゴリーにもよるが、ECの需要を想定以上に拡大している。
また、越境ECへの影響についてはまだ、限定的だと伝えられているが、今後の越境ECについても、影響拡大には注視が必要だろう。

 

参考:

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