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新型コロナ 「巣ごもり消費」で売上げがアップしてるもの

   投稿者 : 2020年4月28日 By Comments (0)

新型コロナウイルス感染症拡大は、深刻な経済の悪化を招いており、実店舗での消費活動が大幅に減少している。
3月前半と3月後半では、さらに消費者の購買活動は後退している。そのよう中、活動が活発になっている業種もある。それは、オンラインショッピングである。
外出の自粛、リモートワーク、学校の休校などによる「巣ごもり消費」が急速に拡大しつつある。
「巣ごもり消費」とは一日中、家で過ごし、家の中からお金を消費する行動を指し、オンラインやテレビショッピングなどの買い物行動である。
例えば、アパレルのユナイテッドアローズでは、実店舗の売上が2.5%減だったが、自社オンラインショッピングでは8%増となっている。
今回は、今この時期、ECで売上が伸長している分野や店舗、さらにEC関連企業の支援などについて調べてみた。

3月後半、消費が伸長している小売り業種は「EC」と「酒屋」など

前回、「猛威をふるう新型コロナ 世界のECマーケットへの影響は?」でも解説したが、「JCB消費NOW」の更新版3月後半の消費者指数のデータによると、業態がさらに悪化しているものと、上昇している、明暗がはっきりと分かれた状況にある。
3月前半よりさらに大きく悪化している業態は、「自動車小売業 -10.2→-17.9% 」、「その他小売業(家具など)-4.5→-9.2% 、「百貨店-9.1→-16.1% 」、「鉄道旅客 -11.4→-16.5% 」である。
一方、消費が拡大上昇しているのは、「EC 4.1→6.1% 」、「酒屋 6.5→9.8% )」、「スーパー -14.0→14.4%)」、「電気・ガス・熱供給・水道業 -3.5→2.4%」、「コンビニ -1.7→1.9%」、「医薬品 0.9→2.7%)」などである。

日本の小売業種の売り上げ推移

ファッション系はECで売上を伸ばすチャンスである

新型コロナウイルス感染症により、小売りの大手伊勢丹では前年比13.6%減、大丸心斎橋店は45.5%減と大きく減少しています。
ですが、この実店舗の消費は今、ECサイトの購買に移行しているようだ。
例えば、ユナイテッドアローズの3月単体の店頭とECを比べると、店頭のみの売上は前年同月比61.2%だったのに対して、自社オンラインストアとゾゾタウン(ZOZOTOWN)での売上合計は123.8%に拡大している。

ファッション系のECは2月から3月にかけて売上推移を調査したものがある(下図)。
これは、株式会社アパレルウェブによる4月21日公表のもので、取引先を中心とする「ファッション企業ECサイトの2020年2月〜3月のECサイト売り上げ」を調べたものである。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、推移変化の内容を見ると、2月の3週目を除いて、売上は前年を上回っている傾向が見られる。そして外出自粛の波が強まる中、3月に入り、ファッション系ECサイトは増加に転じている。
但し、お客様1人あたりの購入金額を示す、客単価は2月の3週目以降、昨年を下回る傾向だ。
これらは、各社ECサイト上でセールや割引施策を、前倒しで行ったことが要因として考えられる。

ファッションEC

多くのアパレル企業のネットショップでは前年の実績を超えている

そして、多くのアパレル、ファッション企業で3月のECの売上増加は、「巣ごもり消費」が後押ししている。
ここでは、ネットショップで売上を伸ばしている企業をいくつか紹介する。

セレクトショップとして衣類、小物雑貨を販売する、「ユナイテッドアローズ」は、全店のネット通販売上高は前年同月比23.8%増であった。
客数は全店・既存店ともにに増加傾向だが、客単価は減少している。
カジュアル衣料品や雑貨を中心とした「アダストリア」も利用者が前年同月比10%超の増加となった。
アパレル大手、「ワールド」「レナウン」も好調である。ワールドは3月度EC売上高は同12.9%増である。「レナウン」EC・通販は同15%増となっている。
共に、店舗への動員を自粛し、自社ECサイトでの販促を強化している。
ジーンズを中心に販売する衣料チェーン「ジーンズメイト」も、カットソーやバッグを中心に好調を維持し、3月度のEC売上高は前年実績を上回ったとしている。

このようにファッション系のECサイトは、外出自粛による「巣ごもり消費」が活発で、前年の売上を超えているところが多い。
購買のピークも週末に自宅からECサイトにアクセスし、購入する消費者が増加し、買い物のピークは従来の午後9時から、7時にシフトしている。

フィットネス器具やお菓子ECも増収

スポーツジム、フィットネスクラブで有名な「東急スポーツオアシス」は、通販部門が売上増加となっている。通販部門の売上高は企業全体の売上の10%程度というが、新型コロナの感染拡大による自粛から、自宅でできるフィットネス器具の売上が前年の2倍と好調である。
特に、自宅で有酸素運動ができる簡易的な器具や筋トレマシンなどがよく売れているようだ。
また、チーズケーキが主力の「ケイシイシイ」や菓子材料ECの「コッタ(cotta)」は3月の売上が、前年同月費より30%以上の増加している。
フルーツの「新宿高野」や和菓子の「鼓月」などもネットショップの売上が伸びている。
やはり、これらも自宅で過ごす人たちが増えたことによる「巣ごもり消費」の拡大を示すものだろう。

ネットスーパーも需要が急増している

「外出自粛でも家族連れで賑わうスーパー」と新聞の見出しにあるのは、ある意味、食品ECの普及が進んでいないことも原因にあるだろうか。
日本の食品関連のEC化率は、日本のBtoCの平均EC化率6.22%と比べても、2.64%である。
そのような中でも、新型コロナの影響で、食品ECを行っていてる「生協」の宅配や「コープネット」や大手スーパーが展開するネットスーパーは需要が大きく拡大している。
「ライフコーポレーション」でも、ECネットスーパーの売上は前年同月比30%増としている。よく売れる商品は、お米や冷凍食品や缶詰といった、長期間保存できる商品やお菓子や食材などで、同時にお弁当やお総菜などの注文も伸びている。

ネットスーパーのネガティブイメージは、食品は直接手に取ってみないと心配で買えないであった。
新型コロナの影響で、ネットスーパーなど利用してみたら、以外と便利で、しかも商品もしっかりしていて、その利便性を新ためて認識した消費者も多いのではないだろうか。
ネットスーパーなどの食品ECはこれまでは、薄利で儲からない事業といった厳しい側面もあったが、これを機会に急成長する可能性はあるだろう。
ライフコーポレーション」では4月11日から、ネットスーパー事業の配送エリアを東京7区から12区に拡大している。
ライフのネットスーパー事業は、Amazonジャパンが運営する「Amazonプライム」会員向けサービス「Prime Now」を通じて販売しており、ユーザーからの注文後、ライフ店内の専門スタッフが、ユーザーに代わって品質などを厳チェックしながら商品をピックアップし、Amazonの配送ネットワークで食品を届けられるものだ。
流通業界では、ネットスーパーが日々の購買活動にどのように組み込まれるのかが大きな関心事としてある。
だが、ネットスーパーは今回のコロナ禍で脚光を浴び、コロナ終息後も市場を拡大し、消費者の買い物活動に大きな変革をもたらす可能性が高い。

ECテクノロジーで実店舗を救済する動き

「巣ごもり消費」から、ECは需要拡大傾向にあり、EC関連企業はその可能性を生かした多くの支援を相次いで発表している。
外出自粛の影響で売揚げが減少している実店舗や企業に対して、EC化の促進や集客支援などに動き出している。ここでは、その一部を紹介する。
「ロックウェーブ」では、5月末まで初期費用無料で新規ECサイトを構築、サイトリニューアルを支援する。
サイトリニューアルでは、データ移行やURLリダイレクト設定も半額近い価格を明示している。

「テモナ」では、サブスクのデポジット機能をリリースし、新型コロナウィルス対策支援の一環として、最大で半年間の無償提供を開始した。
「ハンズ」では、飲食店向けのテイクアウトのオンライン注文システムを3カ月間無償提供を実施している。
飲食店オーナーは、商品登録するだけですぐ販売を開始できる。

また、ECサイトを無償で構築、オープンできる支援も現れた。
アルスキューブ」や「NODOCA」は、店舗販売のみのメーカーや小売業者、飲食関連事業者などに対して、無料でECサイトの導入から運用開始までを完全サポートするとしている。

さらに、集客支援では、(株)トラストリッジの「macaroni(マカロニ)」と「BASE」が協力し、実店舗の集客状況の悪化やイベントの中止などで困っているショップ運営者に対し、今後の事業継続やショップ運営のコンサル支援を行っている。
Crew」では期間限定で同社のECサイト開発パッケージとSNS集客マーケティングをセットで無料提供するキャンペーンを行っている。

新型コロナウイルスの影響を受け、ECサイトを持たない店舗のみでの販売事業者や集客状況が悪化しているショップ経営者は、消費者の購買行動が実店舗よりもネットショップへ向いている今だからこそ、これら支援を活用し。「巣ごもり消費」による新規顧客の掘り起こし、ネット事業拡張に踏み出していただきたい。

まとめ

新型コロナウィルス感染症の拡大は、人類が未だかつて経験したことのない、未曾有の経済的危機をもたらしている。このような危機の中にあっても、ネットショップで買い物ができるというテクノロジーの恩恵はひと昔前にはなかったものだ。
そして、コロナ拡大は、リアル店舗で買い物をするとは、どういうことなのか。ネットで買い物するとはどういうことなのかを、新ためて問い直されているように感じる。
コロナ終息後は、確実に人間の消費行動や小売業のあり方に大きな変革が起こる気がする。

参考:

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