改めて言うまでもなく、Eコマースにおいてコンテンツマーケティングはとても重要です。優れたコンテンツはユーザーの信頼を集め、ブランド力を高めてくれるだけでなく、ユーザーに情報を提供し続けることで、ユーザー間にシェアされやすくなり、検索ランキングも高めてくれます。
とはいえ、コンテンツを豊かにするために、どのような工夫をすればよいのか、よいアイデアが浮かばない方もいらっしゃるでしょう。今回は実例とともに5つの方法を紹介します。
1 How to 動画を作る
商品の使い方などを伝えるHow to 動画は、悩みを検索するユーザーを呼びこむのに有効です。例えば、ヘアエクステを販売しているLuxy Hairという会社ですが、You Tubeに専用ページを設け、商品であるエクステの使い方だけではなく、髪の悩みに関するさまざまな動画をUPしています。
「ストレートヘアにブローする方法」や「2分でできるロングヘア向けポニーテール」など、スタイリングに悩む女性に嬉しいコンテンツが充実しています。
How to Blow-Dry Your Hair Straight (Luxy Hair)
自分にとって当たり前の技術でも、それを知りたい人はたくさんいるのです。「教えることができる立場にある」ということを再認識して、How to 動画を作ってみてはいかがでしょうか。
2 質のよい写真を使う
美しい写真は、それだけで人を引きつけるものです。One Kings Laneは様々な家庭用雑貨を取り扱っているお店ですが、そのEコマースサイトが何ともおしゃれです。トップページには美しい写真入りでブログ記事が並んでいます。以下はラッピングアイデアを紹介する記事ですが、綺麗なものを追求したい読者にはとても参考になります。
Wrapper’s Delight (One Kings Lane)
写真が美しいだけではなく、この記事で紹介されているラッピングペーパーが購入できるようになっていたり、記事の右側にはセール商品がずらりと並んでいたり、(読み進めると自然に目に入ってきます)サイトの作りも工夫されています。
美しく、見栄えのする写真をサイトに取り入れることも、特に女性ユーザーには効果的です。
3 FAQの答えをユニークに
アウトドア用品を販売するREIは、実際に寄せられた顧客からの質問に答える動画をREI Find Out と称するYou Tube画面にUPしています。
How to fit your bike(REI Find Out)
このページを見れば、「マウンテンバイクを体にフィットさせる方法」や「快適にキャンプを張る方法」など、様々なアウトドアの専門家から正しい知識や答えを得ることができます。
このような方法は一例ですが、企業が必ず設置するFAQのページを、よりユニークな形にして、お客さまに対する真摯な姿勢や企業の持つ専門性などを示すのも、コンテンツを充実させるための一つの方法です。
4 独自の情報発信サイトを立ち上げる
商品を販売する会社のサイトとは別に、情報発信用サイトを運営する、という方法があります。例えば、アパレルブランドの商品をセール価格で販売する会員制販売サイトGiltは、この販売サイトとは別に、GiltMANualという男性向けブログサイトを運営しています。
ブログの内容は、ファッションに限らず、注目のスピリッツに関する記事、質のよいポケットナイフの紹介記事、などライフスタイル全体を提案するものとなっています。サイトトップページにはGiltのリンクが貼られており、ブログ読者からのトラフィックをうまく取り込める形にしています。
このように、業界にいるからこそ提供できる情報を、販売サイトから独立したブログサイトで自由に発信すれば、顧客からの信頼性や業界での位置づけが高まります。
5 社会的・政治的問題にも物申す
先日の定期購入のテーマでご紹介したBirchboxでも、コンテンツの制作には余念がありません。ブログは読みごたえがあり、Birchboxが人気を集める理由の一つでもあります。メイクの仕方など美容関連の記事はもちろんのこと、ライフスタイルや時には社会的・政治的議論を呼びそうな問題にまで大胆に言及しています。
例えば、「北朝鮮の女性は18のヘアスタイルしか選べない」という次の記事では、「北朝鮮では男性、女性ともにヘアスタイルが政府によって厳格に定められており、特に若い男性は2インチ(約5㎝)以上伸ばしてはいけない。政府は、長い髪は脳から栄養を奪ってしまうからと説明しているが、そんな訳がない」と風刺的に述べられています。
In North Korea, Women Can Choose from 18 Haircuts (Birchbox)
こうした姿勢は、自社の売上のみに関心を集中させがちな美容業界において、高く評価されています。
どの手法においても、コンテンツを充実させる目的は、既存の顧客に満足感を持ってもらうこと、そして新たな顧客を引きよせることであり、それがさまざまなアイデアや工夫で達成されています。自社サイトのコンテンツを豊かにするアイデアとして参考にされてはいかがでしょうか?
・5 Ways Sites Are Killing it With Content Marketing
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photo credit: mendhak via photopin cc