Googleといえば、言わずと知れた世界を代表する検索エンジンです。全世界の広告市場の33%、モバイル広告においては全世界の50%以上のシェアを誇るとされています。GmailをはじめGoogleカレンダー、Google マップなど、Googleのサービスに日頃お世話になっている方も多いのではないでしょうか。
種々のサービスを提供し、日々改良を加える中でデジタルマーケティングの領域における影響力を着実に強めているGoogle。そのGoogleがECの領域に新たな影響を及ぼしていることをご存知でしょうか。今回はGoogleの新技術「スーパークッキー」をご紹介します。
「スーパークッキー」の話をする前に、クッキー(Cookie)の話をしておきましょう。といってもビスケットとよく間違えられるお菓子のクッキーではありません。Cookieは、ウェブサイトの訪問者の訪問履歴を一時的にデータとして保存する仕組みのことです。保存期間は通常30日~90日ほどで、ログイン履歴を保存するのにも活用されます。
そのCookieの性能を改め進化させたのが、通称「スーパークッキー」です。ウェブサイト上でのユーザーのブラウジングとショッピングデータをトラッッキングします。このショッピングデータのトラッキングというのが、ECサイトを運営する上で大きく関係してきます。
スーパークッキーは、ただトラッキングの性能を改善しただけではありません。Cookieには個人情報が多く保存されるため、かねてからその危険性・脆弱性が問題視されていました。スーパークッキーへのアップデートはユーザーたちの安全を守りながら、同時にウェブの健全な存続を保証して、新たなスタンダードを構築しようというのです。
ですが、スーパークッキーが従来のCookieと何がどれだけ違うのか、その全容はまだ不明確なままです。パソコンや携帯、TVなどマルチデバイスでのブラウジングをトラッキングしたり、GPS情報と結びつけてユーザーの購買状況を掴んだりすることを狙っているのかもしれません。いずれにしても確実なのは、携帯やタブレット端末からのブラウジングが増えたことで、従来のCookieだけではトラッキング精度が不十分になりました。いつでもどこでも誰でもウェブにアクセスできる今、Cookie技術も革新が必要だったのです。
これからのGoogleは、ECの世界と積極的に交流を図ることが考えられます。具体的には、ECにまつわるGoogleしか持っていない情報を担保に、EC運営者向けの新たなサービスを仕掛けてくるかもしれません。どのユーザーがどのデバイス経由で購買をするのか、どのタイミングで購買を決定するのかという情報は、EC運営者にとって喉から手が出るほど知りたい情報ではないでしょうか。
そして、スーパークッキーも実態がまだはっきりしていませんが、ECサイト運営者にとっては、しばらく目を離せない項目となりそうです。
参考:
Google rewrites its rules
Microsoft, Google working on super cookies to track your activity on every device
photo credit:El Tabernero via photopin cc
タグ: EC, Google, super-cookie, スーパークッキー, 検索エンジン