通常、eBayに出店するにはヤフオクに掲載中のデータを英語に加工して、eBayの管理画面から再度登録しなおす必要があります。
現在、ヤフオクとeBayに出店している企業は間違いなくこの作業を人力で行っていると思われます。
クラウドソーシング市場を見ても、ebayの商品登録1点〇円という需要を見る限り、人海戦術がまだ現場では多いように思えます。
eBayに慣れた経験者と言えども、この作業は骨が折れますよね。
eBayへの商品登録作業を嫌う運営者から、クラウドソーシング市場では登録代行の引き合いが多い。
そもそも論として、eBayにわざわざ掲載しなくてもヤフオク・楽天・店舗販売だけで人手が足りなくなるほど売り上げは間に合っている、、という意見もあるかと思います。
しかし遅かれ早かれ、日本国内の人口減少によって消費者の人口も減っていますから、売上の拡大には現状の露出先以外に、新たな見込み消費者がいる市場への露出先の検討はいずれにしても考えなければならないでしょう。なぜなら、企業倒産の理由を分析すれば、そこには経営者の傲慢さがダントツの1位です。つまり、現状維持で確かに手一杯、売上も十分だと、現状に甘えてしまい、傲慢な経営になってしまいがちです。この「経営の傲慢さ」の傾向がみられると、新たな意見を無視しがちです。そうなる前に、新しい市場開拓、未来志向に切り替えて顧客創造を考えてみましょう。
データスクレイピングとは、簡単に言ってしまえばGoogleがやっているようなことです。
WebサイトからWebページのHTMLデータを収集して、特定のデータを抽出、整形し直すことです。
Googleは膨大なWEBサイトのHTMLソースを収集・解析してランク付けを行い、WEBサイトを検索できるようにしています。具体的にはソースコードや画像をGoogleが取得し、Googleのサーバに保存することで、私たちはGoogleが生み出したアルゴリズムによって最も近しい検索結果を得ることができます。
これを、ヤフオクとeBay間の出品作業処理に例えると、同じことが可能です。
まずヤフオクに出品している商品データ(価格・画像・詳細説明)のHTMLソースを取得します。
次に、eBayの検索ユーザーが使える状態にHTMLソースを転換します。転換する際に、日本を英語にしたり、不要な日本語テキストを削除したりします。eBayの出品作業は一切、人間の手を介さずに、すべてコンピュータで自動化することができます。
ヤフオクデータを転換する際に、これが必要だとか、これが不要だとか、、というルールをプログラム処理の過程で入力する必要がありますが、これは当然人間が解析しなければなりませんが、しかしそれも最初の1回だけです。そして出来上がったデータをデータベースにし、eBayに一括インポートをAPI経由で行います。
ヤフオクとeBay間の在庫連携はAPIで同期ができるので、これも問題ありません。つまり、一切人間の手を介さずにeBay出品までを自動化することが現実可能で、人間が手を介すのは、受注が発生してからの処理のみということになります。
eBayでも万単位の評価をもらっているトップセラーとなると、これに近しいことを行っている可能性があります。
出品担当者アルバイトが1日5時間で月給が8万円、3人雇い月額24万円の人件費と仮定します。
1時間で1人が6点(10分で1つの商品をアップする)の商品をアップすると、1日90点前後の商品登録ができるというのが、1つの基準になります。
彼らがヤフオクに商品数90点を毎日アップすることはできても、そこからeBayにアップするには、さらにもう1名雇うか、既存のアルバイトの作業時間を増やすのどちらかです。どちらにしても人件費はかかりますが、10分で1つの商品をアップするという生産性で考えると、1000点の商品数がすでにヤフオクに掲載されていたら、1日5時間働いても33日の稼働日数が必要となりますよね。さらにその間にも商品数がどんどん追加されていったり、風邪をひいたり、休憩をしたり、いろいろなリスク要素がはいって、現実的には50日や60日とかになるとが普通の見積もりかと思われます。
新たな市場開拓のために1名を雇うか、もしくは既存の人材リソースに業務範囲を拡大するか、経営者として判断が難しいところですが、この考えを根本的に破壊するのがデータスクレイピング技術だと思ってください。
データスクレイピング技術を企業が手に入れれば、人を新たに雇うコストはまず必要ないですよね。必要なのはデータスクレイピングされたデータを管理する人なので、これは既存のリソースからおそらく割けると思います。なぜなら管理する時間的工数は1日にしても数分から長く見ても1時間程度だからです。
ビジネスの取引先のカテゴリには、売り上げを増やすか、それとも経費を減らしてくれるのか? どちらかしかありません。
データスクレイピングは経費を減らすソリューションと言えるでしょう。データスクレイピング技術がなくても人で置き換えることもできるからです。人をデータスクレイピング技術に置き換えることで、人件費の削減に効果があるわけです。
データスクレイピングという技術はすでにいくつかの有名なプレイヤーが出てきています。
スクレイピングをオンラインで提供しているITクラウドサービスと、スクレイピングそのものをサービスとして提供している業者です。前者のケースだとシリコンバレー、イスラエルなどのITスタートアップによって開発が進められています。後者のケースだとインドやミャンマー、ネパールなどの後進国のIT企業が米国から受託として行っています。
一般的な価格としては月額費用として5万円前後が1つの目安になるかと思います。
データスクレイピング技術を自社で運用している企業はまだ皆無ではないでしょうか。
データスクレイピング技術ではないものの、1つのデータを加工しさまざまなモールに出店できる仕組みを開発したLISUTOのような企業も昨年からでてはきました。
当社もeBayへの出品に関して2つのソリューションからアプローチをしています。
1つ目はLive Commerceの拡張プラグインとしてのeBay出品ツール、2つ目は個人の出品をサポートする出品代行サービスです。しかし、データスクレイピングが可能な時代では、こうした自社で開発したツールもあまり意味をなさなくなってしまいます。(自社開発しておきながら、自滅)
最後に、この記事をお読みになり、データスクレイピングをヤフオクストアに実装してみたいという元気のある企業さま、おりましたら是非連絡ください。
タグ: eBay