日本国内でECサイトを立ち上げて、一気に成長して伸び幅が少なくなってきた人もいれば、なかなか芽が出てこない人もいるでしょう。そんなときに、「海外に進出しよう!」という考えが浮かんでくるのも不思議ではありません。ECサイトはオンラインビジネスですので、開業にかかるコストがあまりかからず、海外進出するにはうってつけのプラットフォームとなります。
そこで、今回はECサイトの運営をグローバル市場で成功させるために気をつけたいことを、5つに絞ってご紹介します。
EC事業をやみくもに海外へ展開しようとするのはあまりオススメできません。多くの場合、他の企業がその市場を押さえている可能性は高いと言えます。ビジネスの基盤がほとんどない状態でいきなり海外ECを成功させるのは非常に難しいので、まずしっかりと目的と顧客ターゲットを定め成功の勝算を得てから進出するようにしましょう。
顧客ターゲットを定めるためには、現地のことを知らなくてはなりません。地理、経済、政治、法律、テクノロジーなど、海外ECを成功に導くために把握すべきことがたくさんあります。これらの基本的な情報を身につけることで、初めて人口統計やインターネット普及率、市場規模や見込み客のリサーチが活きてきます。隅々まで自力で調べるのが難しいという場合は、現地で生まれ育ったマーケターに尋ねて助けてもらうのも良いでしょう
海外ECではウェブサイトを現地の言語で表示すること(ローカライズ)もとても大切です。せっかくウェブサイトを訪れても、何が書いてあるか分からなければそのままUターンしてしまいます。ローカライズすることで、なんとコンバージョンが70%も伸びるというのですから、ぜひとも取り入れましょう。
現地貨幣で支払いできるようにすることで、さらに売上や利益を伸ばすことができます。例えば日本からドル圏に進出するとき、米ドル1つにまとめてしまいがちです。ドル圏は他にもカナダやオーストラリアなどありますので、現地のドルに対応させないと多くの消費者から不服を招いてしまいます。
支払い貨幣以外にも、製品の価格や価格の表示方法も柔軟に適応させましょう。多くの場合、国によって市場規模や適正価格は大きく違ってきますので、それぞれに適した価格をリサーチした上で決定させましょう。また、価格表示が税込なのか税抜きなのか、キリがいい方($12)が喜ばれるのか少しでも安い方($11.81)が喜ばれるのかなどの国民性にも気をかけましょう。
日本とアメリカ、アメリカとカナダ、カナダと中国……、文化というのは国によって実に大きく異なります。これは海外ECにも大きく関係することで、これから進出していく地域の習俗や伝統文化を軽んじてはなりません。特に日本から進出していく場合、宗教観の違いが大きなギャップになることは認識しておく必要があります。宗教はその地域の人たちが共有している、生きる上での柱となる価値観ですので、それを深く理解してきちんとビジネスに反映させることが重要です。
グローバルに成功するために、ローカルに力を入れるべきだというのは一見妙かもしれませんが、とても大切なことです。仮に日本で功を奏している運営モデルだとしても、あくまで現地の方に対するきめ細やかな配慮を徹底することが求められます。その場合、海外ECを展開するときに、日本人の「おもてなし」の心が強力な武器となります。ローカライズにかかるコストを試算して、注力できそうなところから順次手を入れていきましょう。
Photo: Some Credit reserved by DonkeyHotey, Flickr.
http://www.flickr.com/photos/donkeyhotey/6144146778/
参考:6 Tips For Global eCommerce Success
http://www.translatemedia.com/6-tips-for-global-ecommerce-success.html
タグ: ECサイト, コンバージョン, ローカライズ, ローカル貨幣, 海外進出