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数年先のインバウンドが分かる「ジャパンブランド調査・2019」

   投稿者 : 2019年6月3日 By

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先週、5月28日に東京オリンピック2020の観戦チケット購入の抽選申込み受付が終了した。
世界から注目されている2020年東京オリンピック・パラリンピックは、日本が世界にその魅力をアピールする絶好の機会である。
そして、2020年まではインバウンドは着実に増加するだろう。そのことを裏付ける調査結果が4月15日、「ジャパンブランド調査2019」として電通から公表された。
この調査結果によると、調査対象の国・地域では「行きたい国のトップは日本」、「2025年の大阪万博の認知度は5割」など、今後のインバウンド活況を証する内容が示されている。今回はこの「ジャパンブランド調査2019」の内容についてまとめてみた。

電通が実施した「ジャパンブランド調査2019」とは

「ジャパンブランド調査2019」とは、日本の食や観光、日本産品など「ジャパンブランド」全般に関する海外消費者の意識と実態についてアンケート調査を行ったものだ。
調査対象国・地域は、中国・香港・台湾・韓国・インド・シンガポール・タイ・インドネシア・マレーシア・ベトナム・フィリピン・オーストラリア・アメリカ・カナダ・イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・ロシア・トルコの20カ国・地域を対象にしている。
対象者は、20~59歳の男女で今回は2018年12月~2019年1月にインターネットにより実施された。この調査は調査開始から9回目となる。

日本は「行きたい旅行先」のトップ

全世界の競合国と日本をあわせた27カ国から「今後訪れたい国・地域はどこですか?」の質問については、日本は40%以上支持され「行きたい旅行先」のトップとなった。
30%以上では欧米、オーストラリアとなっている。20%以上ではヨーロッパ、韓国、東南アジア、中国などである。

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今後1年の間に日本に渡航する予定がありますか?

「訪日意向(今後1年の間に日本に渡航する予定がありますか?)」については、
2018年は全体では76.0%から2019年は77.4%と微増であった。
もっとも数値が高かったのは「香港」の98.3%である。
次にインドネシアの95.3%、フィリピンの93.3%、ベトナム92.3%とアジア諸国が続いている。
前年と比較して、伸び率が高かったのはイタリアの10.0ポイント、ドイツの7.7ポイント、フランスの4.3ポイントなどヨーロッパの増加が目立ち、ヨーロッパ諸国の日本への関心が高かまりがわかる。

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2025年大阪・関西万博の認知率は約5割と高い

この調査では2025年に開催される大阪・関西万博についてもその認知度を調査している。
質問は「あなたは「万博」をきっかけに日本に行きたいと思いますか。」というものだが、「日本に見に行く予定」が13.7%、「見に行きたい」が26.6%、「知っている」が9.2%と大阪万博認知が既に49.5%と高い数値を示した。
来年のオリンピック後、インバウンドは落ち込むのではないか言われる中、オリンピック以降も大阪万博へと繋がるインバウンド需要が見込まれる結果である。

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訪日の障害となっているのは「費用」「言葉」「距離」がトップ3

「日本への旅行で障害になるものは何だと思いますか。」については、全体の47.7%が「旅行費用が高い」であり、次に31.5%が「言葉の不安」、28.7%が「距離が遠い・行くのに時間がかかる」と回答している。
このアンケート結果から訪日に対する課題が見えてくる。
「旅費や物価が高い」など、「訪日旅行の費用」が課題であることがわかる。
これら課題について、格安LCCの国際長距離路線の開発や、格安宿泊施設情報の発信など行う必要があるだろう。
一方、東アジアでは36.8%が「震災(放射能など)の影響が心配」、33.5%が「地震や豪雨など、自然災害が起きるのが心配」と回答が多い。
日本はアジア圏において災害の多い国とイメージが着きつつあり、これらイメージ払拭のために、正しい情報発信と災害情報の強化が求められるだろう。

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日本製品が持つイメージの競争優位性は「ハイテク」「高性能」「信頼できる」

ジャパンブランドのイメージに関する質問ではトップは「ハイテク」の47.3% 、ついで、「高性能」の41.8%、「信頼できる」の41.6%と続いている。
2015年と比較すると以前はより、特徴的に高かった「ハイテク」「高性能」はスコアは減少し、代わりに「こだわりのある」が5.1ポイント増加し、「他にはない(Only one)」が4.4ポイントの増加しており、これらのイメージが高まっているようだ。
また、韓国のイメージは「ハイテク」が25.7%でトップ、次に「人気がある」が24.3%、「オシャレな」が22.7%となっている。
中国のイメージは「シンプルな」が21.5%、「なじみがある」が19.6%、「人気がある」が19.4%となっている。

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今後、使ってみたい日本ブランドのカテゴリーは?

ジャパンブランド製品についても質問している。
内容は

  • 「経験=使ったことがある日本ブランドの製品」
  • 「興味=興味がある日本ブランドの製品」
  • 「意向=今自国にあまりないまたは、まったくないが、これからもっと自国で買えるようになったらいいと思う日本ブランドの製品」

下記のグラフは「意向」についての結果だが、日本のブランドイメージ=「ハイテク」の通り、「経験」「興味」「意向」の1位、2位は、1位が「TV、オーディオなどのAV機器」、2位が「自動車、バイクなどの輸送機器」となっている。
「意向」分野で3位の「健康食品・飲料」、4位「化粧品」、5位の「医薬品」は今後、海外ユーザーのポテンシャルの高い商品カテゴリーである。
特に、「医薬品」、「ジュエリー」のカテゴリーは、フィリピン、ベトナム、インドネシアで「意向」が高かったようだ。
これら人気商品カテゴリーは越境ECでの売れ筋商品として参考となるデータである。

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インバウンドの鍵となる地方のインバウンド誘客

インバウンドの拡大は2020年以降も続くだろうことは「ジャパンブランド調査2019」から見ることはできるが、これは予測に過ぎない。このインバウンド需要を確かなものにしてゆくには、地方の魅力的な宝の整備と誘客施策だろう。
5月25日の「日経新聞」では、地方でインバウンド(訪日外国人)消費が都市部のインバウンド消費を上まったと記されていた。
この調査は、日本経済新聞とみずほ総合研究所が都道府県別のインバウンド消費額を推計したものだ。
2018年、もっともインバウンド消費額が多かったのは、東京の1兆7557億円、次に大阪の8745億円、京都が2900億円であった。
そして、この3都市以外の44都道府県の合計インバウンド消費額が約1兆8000億円となり、昨年、初めて東京単独を超えたのである。
つまり、インバウンドの拡大が一局集中から脱皮つつあるのだ。
地方誘客への試みとして、存在感を高めているのが、東京・京都・大阪に頼らない新たな周遊ルートである。
例えば、愛知県から石川県の9県を巡る「昇竜道」ルートは3240億円と3年で41%拡大している。
また、瀬戸内海沿岸の7県を周遊する「SETOUCHI」も2018年の訪日消費額が1585億円で、15年比で78%も伸長している。
このように、インバウンド増加には都市部以外の地方の財産を統合させた、日本の魅力を再発見できる新しい発想が必要だろう。

出典:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45280880V20C19A5EA1000/

まとめ

2020年、東京オリンピックが開催され、インバウンドはピークを迎えるだろう。
来年2020年は、日本は観光国家として、「インバウンドのスタートの年」として位置づけ、2025年大阪万博には、さらに大きなインバウンド拡大へと繋げる必要があるだろう。
それには、付加価値の高い日本の観光を提案し、都市部ばかりではなく、多様な魅力ある地方を積極的に世界に発信しなければならない。

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