クラウド・ソーシング‐oDeskを利用した新しいグローバル雇用の形

アメリカはカリフォルニア州サンディエゴから、在米16年目の鍵山 学がアメリカでの起業情報や、eBayに関するEコマースのトレンド等、最新情報をお届けします。

ブラジルのワールドカップが世界中で話題になっていますが、かつては「サッカー不毛の地」と呼ばれたここアメリカでも、若者を中心としたサッカー人気と共に、数年前では考えられないくらいワールドカップが盛り上がっています。もちろん今でも3大スポーツと呼ばれるアメリカン・フットボール、野球、バスケットボールの人気は絶大で不動のものですが、サッカー人口が多い子供達や、ラテン系移民の支持を背景に数十年前とは比べ物にならないくらい注目を浴びています。アメリカスポーツ界にもグローバル化が押し寄せているのでしょうか?今回はアメリカを発祥とした、国を超えた新しい雇用の形-oDeskのご紹介と、オンライン労働市場の現在と傾向についてレポートをお届けします。

oDeskとは

oDeskは2003年にカリフォルニア州 レッドウッド市で創立され、ネット上のフリーランサーと依頼主を繋げ、依頼主が時間や場所を問わず雇用できるプラットフォームを作り上げた。2014年現在では世界規模で、約800万人に及ぶフリーランサーの登録があり、270万件のプロジェクト・案件、2万5千の職種が用意されており、クラウドソーシングと呼ばれる不特定多数の人に業務を委託するという新しい雇用形態の旗手となっている。

 

oDeskのビジネスモデル

依頼主は同サイト内の機能を通じて、作業チームの編成や支払いが可能であり、無料で求人を掲載でき、フリーランスの請負業者は無料で履歴の公開や入札ができる。支払は膨大な決済トランザクションを捌く運営システムにより行われ、運営元は支払額の10%を徴収する。市場運営や会計処理の他、依頼元が受注者の進捗を確認できるoDesk Teamソフトウェアを提供している。他の同業他社に比べてoDeskが際立っているところは決済システムのスムーズさと、雇用管理システムの充実であろう。特に雇用管理システムについては、オンライン上で請負業者の管理がリアルタイムで可能である。これはウェブカメラと稼動しているPCのスクリーンキャプチャーを使用した管理システムであり、請負業者に時給で仕事を依頼している場合はきちんと指定された時間に業務を行っているかを管理できる。 また、フリーランサーの方も決済システムや雇用主の履歴・評価が確認でき、安心して仕事を請け負う事が出来る(逆も然りで、当然フリーランサーの方も依頼主から評価される)。

依頼主の立場から、気をつけるべき事-oDeskで仕事を実際に依頼してみる

筆者は以前、教育関連の英語から中国語の翻訳をoDeskで依頼したことがある。仕事の詳細(Description)を英語でポスティング(掲示)し、1ページ当たり、約400文字の英文100ページの中国翻訳依頼を掲載した。すると瞬く間に20件ほど、フリーランサーからレスポンスがあり、その中で、海外留学経験がある二人をSKYPEで面接して採用した。余談だが、フリーランサーと依頼主のコミュニケーションはほぼSKYPEのチャットで行われる。このSKYPEのチャットの履歴は重要な証拠として残るので、必ずWORDか何かに保管しよう。このケースで二人の翻訳家を選んだのは、お互いに、Proof Reading(精読、翻訳の出来のチェック)をさせるからだ。ネイティブ・スピーカーにお互いの翻訳を確認させれば一人に依頼するよりも当然内容が保証される。もちろん、一度良い仕事をしてくれたフリーランサーは長く付き合って行けるので大事にしたい。他にもプログラミングやwebsiteの構築、アプリのプログラミングといったIT系の仕事や、カスタマーサービスなどの仕事も気軽に依頼できる。世界中から依頼した仕事への入札が入るので、コストは安く抑える事ができるが、仕事の内容の細かなチェックを行う事により、仕事の正確さや出来にも注意したい。フリーランサーの居住国によっては時差があるので、ミーティングなどは相手をを考慮して行うようにしたい。また人種差別的な発言や、性差別、宗教関連の話題にも注意しよう。前述したが、oDeskを雇用主として活用する場合は、まずは信頼できるフリーランサーを小さい仕事から依頼して、徐々に固定給与などで雇用して行く形が良いと思う。

必要とされる英語のスキル 

oDeskでは、英語が標準言語だが、日本人の苦手なリスニングや話すスキルはそれ程必要ではないので、読む事と書く事が出来れば問題ない。相手の英語もアメリカ英語やイギリス英語とは限らないので、文法の正しさもばらばらだ。仕事の内容についての誤解を避ける為にも、一番簡単な英語で分かり易く伝えるのがベストである。また怪しいな?と思ったらしつこいくらい確認する事が非常に大事であり、特に正式な仕事の詳細欄に必要な情報、相手に依頼したい仕事の内容をきちんと書いておく事も当然重要になってくる。

oDeskでの職種と今後の傾向。

2014年に行われた約900億円の仕事依頼のうち、上位3位はIT、アドミニストレーション(簡単な事務処理や受付業務など)、文書作成・翻訳となっている。その他にもカスタマーサポート、スマホの広告業務等が旬の仕事だそうだ。oDeskマーケティング部門のバイス・プレジデントである、ジャレ・ビシャラットさんによると、STEM(Science, Technology, Mathematics-科学、テクノロジー、数学)分野における雇用の伸びが今後、予測されるという。
 
「STEM分野での雇用の伸びはアメリカだけでなく、世界でも顕著ですが、必ずしも需要に対して、供給が追いついているわけではありません。従って、我々のような業態がグローバルに眠っている人材を供給していく事で、貢献できると思っています。また一般的にはオフラインでしか出来ないと思われている仕事も傾向として、今後どんどんオンライン上にシフトしていくと思われます。」

アメリカだけの傾向ではないが、今後トラディショナルな雇用形態である正社員・契約社員といった方法の他に、世界からプロジェクトごとに有能な人材を安く(または適正価格で)集めてくるといったやり方が増えるであろう。また働く側もフリーランスという形がどんどん増えてくる。日本人労働者としても日本にいながらどんどん海外から仕事を請け負えるチャンスが増え、また依頼主・雇用主の立場からしても世界中の雇用を駆使し、海外に打って出るチャンスでもある。

参考

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