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成長著しい「CtoC EC」市場、日本とアメリカの動向を比較する

   投稿者 : 2019年12月4日 By

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”もの”に対する所有欲が減っている中、近年、特に注目されているのが、「CtoC EC」である。これは、”もの”は「新品でないと嫌だ」という人もたくさんいるが、商品は「中古でも良い」とする世代が増加していることと、「捨てるのがもったいない」という”もの”に対する価値感が合致した所以という気がする。
「CtoC」市場は、「BtoB」や「BtoC」に比べてまだまだ市場規模は小さいが、矢野経済研究所の国内CtoC(個人間取引)市場調査によると、2018年は国内「CtoC EC(物販)」は1兆50億円、今年、2019年の予想では、1兆1,800億円と上昇するとされている。
今回は日本とアメリカの「CtoC EC」有名プラットフォームと市場動向について見ていこう。

日本の「CtoC EC」市場規模

「CtoC EC」とは(Consumer to Consumer)の略で、消費者同士の販売をECサイト上で行う取引形態を言う。
この「CtoC EC」株式会社矢野経済研究所は、2018~2019年における国内CtoC(個人間取引)市場を調査し、「CtoC EC」の現況、市場の将来性など明らかにした。
下図は、有力「CtoC EC」ビジネス事業者の業績を元に矢野経済研究所が独自に算出したものだ。
2016年は6,568億円の市場が、3年足らずで1兆1,800億円と約2倍にまで成長している。
「CtoC EC」は、今、国内外で注目が高まっている「シェアリングエコノミー」であり、持っているものを無駄にしないという、リサイクル、リユースという、循環型社会の一環としても期待されている分野でもある。

CtoCの市場規模

「CtoC EC」は、主に「フリマアプリ」と「ネットオークション」の2つに分けることができる。どちらも個人間で売買を行うサービスだが、価格の決定方法に違いがある。
フリマの場合は商品価格を出品者が決定でき、ネットオークションでは購入者の落札価格による。
現在、最もユーザー数が多く、流通金額が高いのは「メルカリ」である。
メルカリは商品を出せば必ず売れるといったことや、購入者が決まるまで時間が早いというメリットがある。

次に、このフリマアプリの代表的なプラットフォームである「メルカリ」、「ラクマ」、「ミンネ」と、ネットオークションの「ヤフオク」の特徴など見ていこう。

「フリマアプリ」はメルカリ、ラクマ

フリマプラットフォームは売る側が販売価格を設定し、購入者がその価格に合意すれば取引が成立する。出品者は販売価格の何%かを手数料として運営サイトに支払う。
フリマアプリ市場は2016年は3,052億円から2018年は6,392億円と2倍以上の増加率である。下図は、経済産業省の調査によるフリマアプリの推定市場規模である。
代表的なサービスには、「メルカリ」、「ラクマ」などがあり、特に若年層や女性、主婦などに人気がある。

フリマアプリの市場規模

1. メルカリ

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メルカリ」の2019年国内利用者は2,216万人(同年+33%)と大きく利用者数を伸ばしている。
アプリのダウンロード数も国内で7,500万件、海外でも2,500万件と高く、ダウンロード数が多いことから購入者も多く、出品したら「24時間以内に売れる」サイトと言われている。出品手数料や年会費、登録料はすべて無料、商品が売れたときのみ、販売価格の10%の手数料がかかる。
最近では、BEENOS株式会社と業務提携し、メルカリに出品すると世界100以上の国・地域に販路を拡大できる越境CtoC EC事業も展開している。

2.ラクマ

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ラクマ」は楽天が運営するフリマサイトである。2018年に楽天が運営していた、フリマサイト「フリル」が「ラクマ」と変わったものだ。
ダウンロード数は1500万件、会員・利用者数は1115万人(2019年4月)、手数料は販売価格に3.5%となっている。
楽天が運営しているフリマサイトのため、楽天ユーザーにとっては使いやすく、出品もスマートフォンから簡単にできる。
メルカリより高額な女性向け商品が多いことが特徴である。

3ミンネ

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ミンネ」はラクマやメルカリとは違い、ハンドメイドの雑貨やアクセサリー、洋服、家具など作家の手作り作品を個人間で売買できるサイト・アプリである。
現在、全国で44万人の作家と700万点がミンネサイトに掲載されている。年会費などは無料で、手数料は販売価格の10%となっている。

ネットオークションの代表格は「ヤフオク!」

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ネットオークションは、サイト内の競りによって販売価格が決定される形式である。日本のネットオークションの代表格は「ヤフオク!」である。
オークションによる販売なので、出品された商品を購入者が入札し、期間内で最も高い金額で入札したユーザーが購入できる。
オークションによる販売は商品をできるだけ高く売りたいと言うユーザーには最適である。ヤフオクはネットオークションでは代表的なサービスサイトである。
「ヤフオク!」は日本では最大規模のオークションサイトであり、月額利用料が498円、手数料は8.64%、会員・利用者数は1500万人(2018年10月)となっている。

利用しているサービスは年代層によって違う

ジャストシステムの資料によると、よく利用されている「CtoC EC」サービスは年代別に違うことが明らかになっている。
10~30代は「メルカリ」(10代:48.3%、20代:62.8%、30代:51.9%)で、40~60代は「ヤフオク!」(40代:52.6%、50代:48.1%、60代:68.8%)と言う結果になっている。
物品販売に関しても、10~30代は「メルカリ」、40~60代は「ヤフオク!」となっている。
メルカリの客層や販売層は若い世代が多く、ヤフオクの場合は年齢層が高いと言うのが、違いとなって表れている。
企業側の見解として、「CtoC EC」サービスの今後の展開は、若者の認知・市場参入は、現段階ではある程度進んだとし、市場拡大には、現在サービスを利用していない、高齢者層をターゲットとした事業展開が必要と述べている。

個人間取引「CtoC」は早急に法整備が必要である

「CtoC」の市場成長に伴い、サービス上でもトラブルや悪質なサービス利用などが多くなったようだ。
「PIO-NET(パイオネット)」の調査によると、チケット転売に関する相談件数も2017年は852件だったものが、2018年は2,045件とトラブルが急増しているのが分かる。
相談内容は主に、コンサート/スポーツ観覧/観劇/映画鑑賞/イベントなどのチケット転売に関する内容となっている。
チケットの購入手続きをしたが、「届いたチケットが違うものだった」や「買ったチケットでは入場できなかった」などのトラブルである。

CtoCのトラブル件数

また、2018年に実施された法改正では、民泊に対する実質上の個人オーナーに対する資格・規制に関するもので、民泊ビジネスを減速させる結果となった。
現状として、CtoC取引に参加する個人や、悪質な取引を規制する法規制は、まだ進んではいないようだ。
現時点では、民泊に関する規制だけで、そのほかは「CtoC」事業者の努力に委ねられいる。
今後、さらに加速するだろう「CtoC間取引」に関して、善良なユーザーを守る法整備は早急に実施して欲しいものだ。

アメリカの「CtoC EC」のトレンド

それでは、アメリカの「CtoC EC」の市場規模はどの程度なのだろうか?
正確な数値は公表されていないが、アメリカのフリマアプリとネットオークションのeBayの流通金額を足した試算によると、約14兆3,894億円と日本に比べ非常に高い数値となっている。日本の場合は約1.2兆円なので10倍以上ということになる。
アメリカの「CtoC EC」の主要プレイヤーは、eBayとCraigslist(クレイグズリスト)であると言われている。
「eBay」は1995年の設立年にCtoCオークション事業を開始し、現在ではCtoCマーケットプレイスも運営している。
一方、「Craigslist」は何年経っても、見た目を変えずにいることで有名なCtoCサイトで、こちらも1995年に設立され、今では毎月20億回閲覧されるという、アメリカ閲覧ランキングでも10位につける人気のあるフリマサイトである。
それでは、アメリカの代表的な「CtoC EC」にはどのようなサイトがあるのか見てみよう。

1.eBay

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eBay」は、世界中で利用者1.6億人、出品者は2,500万人とネットオークションでは世界最大の利用者を持つ。
eBayの特徴は検索フィルタで、ユーザーは求める商品を詳細なカテゴリに編成されたアイテムから、見つけることが可能である。
検索フィルタには、パターン、ブランド、色、マテリアルなど細かく設定でき、これら、絞り込みことで、探している商品を容易に見つけることができる。

2.Craigslist

craigslistのトップページ

アメリカでは知名度が高い「Craigslist(クレイグリスト)」。毎月20億ビューを超え、2016年の販売額は、前年比81%増の約6億9,000万ドルを記録している。
取扱う商品やサービスは、住宅から車、求職情報、不要になった日用品から家や土地までの売買、賃貸まで幅広く、基本的には、個人間で行う「売ります・買います」のクラシファイド広告のサイトなので、何でも取り扱っているようだ。
サイトもテキストと画像で構成されたシンプルなものなので、表示スピードが早い。また、ローカルに対応しており、https://www.craigslist.orgと入力しても、関東エリアではhttps://www.tokyo.craigslist.orgが表示される(画像は Craigslist東京のトップ画面)。
配送業社を使わず、対面で商品取引を行うところで有名なCtoC ECサイトである。

3.Mercari

アメリカのメルカリのトップページ

2014年に日本の「Mercari」がアメリカに進出した。
「メルカリ」は世界では1億ダウンロード、アメリカと日本での累計流通総額が1兆円を超えるフリマアプリへと成長している。
アメリカのメルカリサイトはブルーとオレンジをキーカラーに、より洗練されたUIデザインになっている。
そして、Mercariはちょうど、EbayとCraigslistの間を埋めた形のビジネスモデルであると言える。
Ebayにはないカジュアル路線、そして、Craiglistで失われつつあった安心感をメルカリは汲み取り、清潔で安心感のあるサービスを提供している。
商品はファッションから家電、雑貨など日本と同様である。販売手数料も日本と同じ10%を徴収している。
アメリカのメルカリは日本の市場と比べると利益規模はまだまだ小さいが、アメリカCtoC EC市場での今後の拡大に期待したい。

4.Letgo

letgoのトップページ

Craigslistの出品をより簡易に利用できるよにしたのが、2015年、設立の「Letgo」である。
Craigslistと同様、売買取引は商品はオンライン上では行うことができず、ユーザー同士で直接会って取引するサービス形態を採用している。
特徴は、売ると買うの体験を究極的にシンプルにしたサービスと言え、スマートフォンで写真を撮って掲載するだけ、商品名も自動で入力される簡易さである。
さらに、手数料を払わなくて良い、というのが魅力である。
手数料など一切取らずにリスティング広告掲載で運用を行っており、2018年には500万ドルの資金調達を可能にした。

5.Poshmark

phoshmarkのトップページ

Poshmark」はファッション系特化した商品の売り買いができるフリマサイトで、利用者は女性の多いようだ。
会員登録は無料で、Facebookやグーグルアカウントを使え、出品も簡単である。
出品者は250万人、買い手は数千万人を抱え、1ヶ月に1億5000万もの商品がプラットフォーム上に並ぶ。ただ、利用料は高く20%となっている。

6.OfferUp

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OfferUp」は中古品の売買ができる、スマートフォン向けプラットフォームである。
ローカル密着型フリマとして急速に人気を集めたサービスの一つとなっている。
こちらも、Craigslistなどと同じく、売り手と買い手が直接会って、現金取引を採用するフリマモデルである。
取引の内容交渉にはチャットが使われ、チャットで金額や引き渡し方法、場所などを決めるため商談成立まで時間が短縮できる。

●まとめー日本とアメリカの「CtoC EC」の違いー

アメリカの「CtoC EC」は14兆円もの巨大市場であり、この「CtoC EC」を牽引しているのが、「eBay」である。
また、「eBay」の次に台頭しているのが、「Craigslist」である。
そして、CraigslistやLetgo、OfferUpというプラットフォームは、日本では「CtoC EC」としては珍しい、売り手と買い手が直接会って取引するサービスを提供するプラットフォームであったことは驚きである。
今後は、アメリカという土壌にこれまでになかった日本発メルカリ「CtoC EC」(商品総合型)がどこまで浸透するかがポイントだろう。
また、日本の場合はアメリカの「Letgo」のようにスマートフォンで写真を撮るだけで、簡単に出品可能にするなど、スマートフォンに特化した機能改善も市場拡大のためには必要だろう。

近年、著しい成長を見せている国内外の「CtoC EC」市場。日本の「CtoC EC」はアメリカの市場規模を見ても、まだまだ、伸びしろはあるように思う。
今後は、大手プレイヤーを中心に、よりスマートフォンに機能を特化し、小売業の決済機能の導入やSNSとの連動などの施策を実行することで、CtoC市場はますます、拡大すると考えられる。

参考:

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