
色が何らかのサインを送りだしていることは誰もが知っている。誰がどんな色を選ぼうと、共通しているのはその色に対して人は反応するということだ。私たちは色に条件反射し、気づくこともない。
色に対する反応は直観的反応とも言われ、個々の色は人の本能的な反応と密接に関係し、その反応は生理的、感情的、環境、文化的な意味合いと密接に関係している。
梅雨明け間近か、太陽の日差しが降り注ぐ夏の季節がそこまできている。夏にはひまわり、小麦、トウモロコシといった黄色がよく似合う。黄色には夏の強い生命力がある。そして降り注ぐ太陽から幸福を感じ、幸せの象徴ともなる色である。
今回は前回の“オレンジ”につづき、陽気で楽天的、活気に満ちたイメージ“黄色”についてその色の効果について整理してみた。
“黄色”は原色のなかでは最も光を反射する色である。注意を促し一番目につく色と言える。黄色と黒の組みあわせは危険を表し、最も視認性の高い配色として知られている。自然界をみると太陽、レモン、ひまわり、トウモロコシ、こがねいろに輝く小麦畑、クリームやバターの色まで黄色はたくさんある。黄色は歓迎すべき色であり、心地よい、快適を表す色でもある。
そして、黄色は、明るく、元気、陽気、活気というポジティブなイメージが強い。また、生理学的に左脳を刺激する色として、効率よく仕事を行いたいときなど、黄色を見ることで脳が活性化される色である。

日本人がイメージする太陽は赤色だが、欧米では太陽を描くときに使われる色は黄色だ。また、黄色は北欧では青、白の次に好まれる色でもある。ただ、アメリカでは黄色は好まれない。「卑怯、臆病」といったネガティブイメージが黄色にはある。
これは中世の画家たちが、キリストを裏切ったユダに黄色の服を描いたことや、犯罪者に黄色の服を身につけさせる習慣に起因しているのかもしれない。
黄色は、元気、活気といったイメージ・メッセージを伝えたいときに使うのが効果的だろう。元気をメッセージする栄養補給剤や元祖、バランス栄養食としてのカロリーメイトなどは32年前からコーポレートカラーの黄色を変えていない。

http://www.otsuka.co.jp/cmt/index.php
また、黄色には明るい、輝きといったイメージからこどもを対象としたサイトやイベント系サイトにもよく使われている。

http://misakikoufuku.com/index.html
最後は、知性の色としての黄色だ。明治学院大学の「知のイメージ」として使われるコーポレートカラーはフレッシュで新鮮だ。
明るく、鮮やかな黄色は、アクセントカラーとして使用するほうが良い。ウィンドウショッピングしている人の注目を集めたいときなど、空間の一部に黄色を使うようにWebサイトの一部にアクセントカラーとして使うのが効果的だ。
「黄色はもっとも光に近い色彩である」と言ったのは文豪ゲーテであるが、“黄色”は光のもつ「明るさ」「快活さ」「陽気さ」「希望」をメッセージできる色なのである。前向きで輝いている印象を与えることができる黄色は、たくさんを使いすぎると、落ち着かない、飽きられる色になるので注意が必要だ。
また、“黄色”は安売りなどの値札に使われたりすることから、チープ、未熟というネガティブなイメージもあり、高級感、高品質なイメージを強調したい場合はふさわしくない。黄色は気楽な軽快なイメージを作りたいときなどは有効である。
"色”はデザインのなかで最も記憶に残り易いという説がある。さまざまな色の特徴をしっかり理解し、色を味方につけて、売上に寄与する越境ECサイト構築しよう。
写真出典:新写真素材/ぱくたそ フリー写真素材・無料ダウンロード