これからのECサイトに求められるウェブ接客とは?

イメージ画像

eコマースの市場規模が大きくなるにつれ、その店舗間の競争は激化し、価格競争は加熱し、気がついたら半分以上が赤字というケースも無きにしも非ずである。これからの時代はeコマースにおいても実店舗と同じように接客を行う、つまり「One to Oneマーケティング」が必要であり、お客様のそれぞれの嗜好にあわせて適切なアプローチを施策することが重要なポイントとなるだろう。
今回はお客様一人ひとりに合わせてオンライン上で接客する「ウェブ接客」について取り上げ、どのような「ウェブ接客ツール」があるのなどを見ていこう。

 

1.ウェブ接客とは?

ウェブ接客とはウェブ上でお客様一人ひとりに合わせた提案することを言う。自社サイトを訪問してくれるお客様の行動履歴や購買履歴をリアルタイムに可視化し、実店舗と同じようなサービス、接客をお客様に合わせて最適な”おもてなし”を行うというものである。
具体的なウェブ接客とは、来訪者のアクセス解析から、最適なクーポンやバナー、ポップアップを出す仕組みから、お客様のお問合せに対しチャットで受け、応対するものなど、サーピスの内容は多様である。

 

2.ウェブ接客はなぜ必要なのか?

ウェブ接客は新規顧客獲得の集客ではなく、来訪したお客様に再度、来訪を促したり、ポップアップやチャットでコンバージョン率を上げるというのが目的である。ECサイトが増え続き、競合が増えることで、集客ではなく、顧客一人一ひとりに独自のサービスを行う「ウェブ接客」を行うことでコンバージョン率を上げるアプローチが必要なのである。
また、近い将来、日本は超少子高齢化の時代に入る。そして、高齢者がECサイトを利用して居ながらにして買い物を楽しむ時代にECサイトは対応する必要もある。つまり、高齢者はECサイトの使い方に慣れていない。そのような高齢者に「ウェブ接客」を行い、取り込む必要がある。

 

3.ウェブ接客ツール

ECサイト運営者にとって課題は、コンバージョン率の向上・効率化にある。グーグル・アナリティクスなどの解析ツールを使い、日々データを集計し、仮説を導き出し、実行する運用業務は大変である。そのようなECサイト運営者に朗報なのが「ウェブ接客ツール」である。
実店舗と違って顔を合わせたコミュニケーションができないECサイトではこれまで接客という概念は皆無であった。基本的には見込み客に対して画一的なものしかなったが、お客様一人ひとりの行動履歴や購買履歴をリアルタイムに可視化し、様々なお客様に合わせた提案が出来るのが「ウェブ接客ツール」である。
以下にその代表的な接客ツールをまとめてみた。

 

カルテ

カルテ

KARTEはリアルタイムのアクセス解析に優れ、来訪者の属性情報・購入履歴・閲覧履歴・利用ディバイス・SNS情報などの詳細情報をリアルタイムでユーザー単位で可視化でき、適切な接客を”適切なタイミング”で行うことが出来るツールである。

 

BeMattch

Bemattch

AIを搭載したオンライン接客ツールがBeMattchである。導入が簡単で、その手軽さが特徴となっている。タグを埋め込むだけでお客様の行動履歴から離脱ポイントを可視化し、お客様ごとに最適なナビゲーションを表示できる。
また、BeMattchにはAIが搭載されており、データが蓄積されるとデータを基に顧客の特性を学習し最適なアクションを決定し、One to Oneの接客を実現できる優れものである。

 

フリップデスク

フリップデスク

Flipdesk(フリップデスク)は、ネットで実店舗のような接客体験を実現する接客ツールである。リアルタイムチャット機能やクーポン発行機能、ダイレクトメッセージ機能など、来訪者に合わせて自動提供するサービスツールである。

 

ゾビム

ゾビム

Zopimは上記に紹介したサービスと違って、チャットに特化したツールである。来訪者の興味や関心、疑問に対してチャットで直ちに返答する対応力はまさに、接客そのものである。ECサイトに不慣れで、パソコンに不慣れなユーザー、特に高齢者に対してはこいういったチャットサービスはありがたい。

 

 

まとめ

「ウェブ接客ツール」を上手く活用することで、実店舗と同じような一人ひとりのお客様に合わせた接客が可能になった。「ウェブ接客ツール」は2つのタイプにわかれ、一つはアクセス解析でデータを分析し、それぞれのお客様に適したクーポン、バナー、ポップアップを出すもの。もう一つはチャットによりお客様の問題を解決するサービスである。
接客ツールにはそれぞれ特長があり、強みも違うが、接客ツールを設置の際は、ショップの抱えるどんな問題を解決することができるかを考え、導入していただきたい。

関連する記事

中国の越境EC Tmall GlobalのTP(TmallPartner)とは... 昨年、2016年の中国国内において、越境ECを利用して日本から商品購入した総額は1兆366億円と過去最高で、その額はアメリカの1兆1,371億円に次ぐ額である。2020年には 日本からの購入額は1兆9,000億円に達成すると見込みである。 その中国BtoCで圧倒的なシェアを占めるのが「Tm...
ユーザーを呼び込む、インバウンドマーケティングとは?... 情報化社会、IT化の現代では、興味のあることや欲しいものは、インターネットで何でも調べることができ、自分の欲しいものは自分で調べたり、探す人たちが増えてきた。そのような中では従来型のユーザーを追いかけるマーケティング手法だけでは、ユーザーを掴むことが難しい時代となってきている。 2015年調...
中国最大の検索エンジン「百度」を知ってますか?... 今年1月9日、中国大手IT企業、百度(Baidu)はアメリカはロスアンゼルス、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)にて、自動運転のオープンソフトウェアプラットフォーム「阿波羅(アポロ)2.0」を発表した。 アポロは「百度」のAI戦略の一つで、自動運転の為のプラットフォームであ...
色弱者に優しいWebサイトをデザインしよう... Webデザインにおいては、色は重要なデザイン要素でありメッセージ要素である。しかし、この色を認識するのが苦手という人、一般の人と色の認識が異なる人がいることをご存じだろうか?いわゆる色弱者と呼ばれる人である。色弱者は日本人では男性では20人に1人、女性では50人に1人いると呼ばれ、日本全体では3...
注目される関西インバウンド 今後の展望はいかに...   日本政府観光局(JNTO)は2018年の訪日外国人客(インバウンド)数は前年比、8.7%増の約3,119万人と発表した。 昨年は大型台風、関空の閉鎖、北海道胆振東部地震などの影響で9月は前年比でマイナスとなったが、全体的にはプラスの伸びとなった。 国別のインバウンドで...
【YouTube最新動向】 2023年ショート動画を制するのは? ... 2022年11月15日、YouTubeは「YouTubeショート」にショッピング機能を追加すると発表した。 YouTubeは広告収入の低下を受け、打開策としてショッピング機能拡充に着手しているようだ。 2022年7月には「YouTubeショッピング」にShopify(ショッピファイ)を連携...

コメントをどうぞ