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中国の越境EC Tmall GlobalのTP(TmallPartner)とは

   投稿者 : 2017年10月3日 By

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昨年、2016年の中国国内において、越境ECを利用して日本から商品購入した総額は1兆366億円と過去最高で、その額はアメリカの1兆1,371億円に次ぐ額である。2020年には 日本からの購入額は1兆9,000億円に達成すると見込みである。
その中国BtoCで圧倒的なシェアを占めるのが「Tmall」という巨大ECモールサイトである。(Tmallについてはこちらでも記事にしている
昨年11月11日(独身の日)のTmallを含めたアリババグループの1日の売り上げは約1兆9,400億円というから驚きである。そして、Tmallの中にはTmall Global(国際天猫)という越境EC専用のサイトがあり、このサイトを介して中国人は日本商品を買うことが多いようだ。
多くの日本のEC事業者もTmall Globalに出店登録し、自社商品を販売している。しかし、中国の越境ECで商品を販売できるTmall Globalの出店ではあるが、その出店ハードルは高く、在庫リスクや、現地ニーズの把握などもろもろ、事業参入へは容易ではない。
先日、アリババグループはこのTmall Globalの出店の鍵ともなるTPつまり、Tmall Partnerの企業リストやその評価内容を公開した。
今回はこの「TP」Tmall Partnerについて調べてみた。

●Tmall GlobalのTP(Tmall Partner)とは

Tmallは、アリババグループが展開する高品質、高付加価値商品を求める中国の消費者のために2008年、設立された中国で最もアクセス数の多い、オンラインショッピングモールである。
その中の「Tmall Global」は中国に販売拠点のない海外ブランド商品を中国ユーザーに向け、展開しているオンラインモールである。 そのTmall Globalに海外から出店する場合にはTmall Globalが設けた基準があり、その基準をクリアしなければ、Tmall Globalで商品を販売することはできない。
例えば、

  • 小売店なら35種以上の商標を取得している
  • 業界トップ3位以内である
  • 日本では誰でも知っており、ブランド製品を販売していること
  • 越境EC専門チームを持っていること

などである。
それぞれに審査、評価が行われ、クリアしないとTmall Globalへ出店は許可されないのである。 そして、TP(Tmall Partner)とは、最後に記した「越境EC専門チームを持っている」の部分の越境EC専門チームを意味し、越境EC専門チームとはオンラインショップの運営をサポートする運営代行会社を指している。 そして先日、このTP(Tmall Partner)=運営代行会社の企業リストや評価基準内容が先日、公開された。

Tmall GlobalのTP:https://goo.gl/CDcZn5

 

●Tmall Globalへの出店にはTP設置が義務付されている

Tmall Globalへ出店するにはTP、つまり、日本であれば、EC運営を代行する専門会社を設置するということが義務付けられている。
中国の場合、越境ECで販売されている商品についての問い合わせは必ずあり、商品内容や購入方法など、中国語の話せるEC事業に精通しているカスタマーサポートをしっかり整備し、設置する必要がある。
今回、発表されたTP企業は105社で、Tmall Globalで運営代行サービスを行っている、中国企業や日本企業、その他、海外資本の企業がリスト化されている。

tpのホームページ

●TPの評価概要は以下の内容となっている

・評価方式

  1. 点数方式で満点12点。
  2. 同時に星(アスタリスク)の評価もあり(5点満点)

・TP認定(必要条件)

  1. 越境ECの経験があること
  2. マルチリンガルチームであること
  3. 経営的な視点とITリテラシーがあること
  4. 越境ECの物流経験があること

・TP認定(その他条件)

  1. 海外企業に対してビジネスの遂行能力があること
  2. 海外(中国以外の国)にオフィスを持っていること
  3. 海外(中国以外の国)に何らかの倉庫機能を持っていること

●TPの評価項目は以下の内容となっている

・評価項目

  1. 運営力(売上実績)
  2. 顧客対応力
  3. 天猫国際の規定に違反していないかどうか

・運営力(売上実績)を点数評価する項目は6つ

  1. 店舗数が3店舗以上なら 2点  1〜2店舗なら1点(1年以上の場合はさらにプラス1点)
  2. 店舗の月平均売上について、TPが運営している全店舗の上位30%以内なら3点 30%〜50%なら2点 50%〜70%なら1点
  3. キャンペーン売上(独身の日など、S級のキャンペーンの売上)でTPが運営している全店舗の上位30%以内なら3点 30%〜50%なら2点 50%〜70%なら1点
  4. 一定期間で店舗の売上目標を達成できなかった場合は1点
  5. キャンペーンにおけるTPの対応遅れや申請遅れ他場合は−1点 〜 −6点
  6. TP側の問題で大きなキャンペーンに参加できなかった場合/店舗や天猫国際からのクレームがあった場合:-1点 ~ -6点

・顧客対応力についての点数評価する項目は3つ

  1. 商品とページ記載内容の整合性
  2. 店舗サービス
  3. 物流サービス
    上記3つの評価点数が3項目が
    平均以上:3点
    2項目が平均以上:2点
    返金率が上位10%:-1点

・天猫国際の規定の順守についての点数評価する項目は7つ

  1. TPと店舗が契約期間内、契約期間終了であっても店舗側が他のTPと契約し直した場合:−2点
  2. TPと店舗側の契約期間終了後、店舗側が天猫国際から撤退した場合:−2点
  3. TPと店舗が契約期間中、店舗の売上が芳しくなく、天猫国際の契約更新ができない場合(専売店):−2点
  4. TPと店舗が契約期間中、店舗の売上が芳しくなく、天猫国際の契約更新ができない場合(旗艦店):−6点
  5. 天猫国際の規定に対する違反により、店舗を閉店させてしまった場合:−12点
  6. 他の越境ECサイトに出店している天猫国際の推薦ブランドの運営を、同じTPが行っている場合:−12点 (ただしTPが自分で営業して獲得した店舗に関しては問題なし)
  7. TPの発言で天猫国際に悪影響を与えた場合:−12点

 

上記の評価内容をクリアし、TPとして認定されたサポート会社105社がサイト上で発表されれいる。
この105社の認定されたTP企業と契約することで、Tmall Globalでの出店が可能となる。
非認定のTPではTmallに出店することはできず、非認定のTPを設置した場合、Tmall Globalでの運営はできない状況となり、最悪の場合、退店処理なども行われるようだ。
このような中で、日本の株式会社エフカフェ、EC運営代行サービスはTPの評価で、最高評価の12点満点(5つ星)を獲得している。
エフカフェは日本と中国で越境ECで運営支援サービスやECサイトデザイン制作、ECコンサルティングなどを行う企業で、この12点満点、5つ星評価の獲得は、日本企業では初めてではないかと推察する。

 

●中国の新制度EC制度は2018年末まで延長された

中国の越境ECに関連して、先月9月20日に、中国政府、商務部は会見を開き、越境ECの小売り輸入品に関する新制度(新越境EC制度)の一部スタートを2018年末までに延期するとした。
新制度とは、中国の関税に関わる行郵税に変わる課税制度で、詳しくはこちらでも書いているので見ていただきたい
この新制度に移行すると、化粧品や健康食品、雑貨など商品は増税となる見通しだったが、今回、2018年まで延ばされることとなったのだ。 延期される詳細な内容はわからないようだが、前回、延期になった内容がそのまま2018年まで延長されるのではないかと見られている。
おおよそ、2018年まで延期される内容は以下の3点となっている。

  1. 10の都市で運営している保税区(越境EC試験区)では、商品を入れる際に必要な輸入申告書などを求めない
  2. 化粧品、乳幼児粉ミルク、医療機器、特殊食品(健康食品や特殊医療用途食品など)の初回輸入時に関する輸入許可書、登録などを求めない
  3. 直送商品(いわゆる越境EC)についても輸入許可書、登録などを求めない

 

中国から越境ECでよく購入される日本の商品は、化粧品などの美容関連商品やマタニティグッズや粉ミルクなどである。
仮に新制度が導入されると、これら商品価格に大きな影響が出るだろう。越境ECユーザーは中国の経済活性化に大きく寄与しているため、中国越境EC市場の安定的な成長を減速させるような新制度は、先送りした方が良いと考えたのではないかと見られている。

新制度の写真

●まとめ

TPの評価基準はかなり細かく評価項目が別れ、内容も厳密なものとなっている。
Tmall Globalへの出店する際はTPに業務を委託する必要があるため、TP企業として公開されている企業評価を確認し、運営会社を選定することで、しっかりと中国で事業展開することができるのではないかと思われる。
また、中国の越境ECに関わる新制度についても、ここ3年の間に2転、3転しているので2018年も、この新制度に関しては翻弄されるかもしれないが、なんといっても中国は15億人という巨大マーケットである。今後も注意して見て行く必要がある。

 

記事出典:

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