ECサイトを運営されている方は一度は行ったことがあるだろうリターゲッティング広告。ディスプレイ型広告を使用したターゲッティング手法の一つで、自社サイトに訪問したユーザーに対して、ユーザーが他のサイトを訪問すると、自社サイトの広告バナーを表示させることができる仕組みが、リターゲッティング広告または、リマーケティング広告である。
今回は、このリターゲッティング広告のメリットや今後について見ていこう。
リターゲッティング広告とはインターネット広告の配信手法の一つで、サイトを訪問したことがあるユーザーに対して、ユーザーを追跡し、他のサイトを閲覧している際の広告枠に広告を配信・表示させる手法である。
「サイト・リターゲッティング」とも呼ばれ、1度サイトを訪れたり、買い物かごに商品を入れたけれど、購入に至らなかったお客様に再訪を促すような広告を配信し、コンバージョン率が上がり、費用対効果が高いとされている。
仕組みは、訪問者の「Cookie(クッキー)」によって、広告主のWebサイトに訪問履歴があるかどうかを確認し、履歴があった場合のみ、他サイトの広告枠に「広告」を表示する。広告には費用がかかり、広告の取扱いはGoogleではGoogle ディスプレイネットワーク、YahooではYahoo! ディスプレイアドネットワーク等がある。
リターゲッティング広告はバナー等のディスプレィ広告だが、リターゲッティングと呼ばれる手法には、ポップアップでクーポン情報やセールス情報を表示するポップアップ通知の方法や、カートなどで購入が完了する前に離脱しそうなお客様に、何が原因で止めてしまったのかをアンケートする手法がある。
また、ユーザーの行動履歴から、一定のアクションを起こしたユーザーに対してメールで販売促進を行う、リターゲッティングメールなどもある。
メリットは費用対効果が高くなるという点が大きい。リターゲッティング広告は行動ターゲティング広告とも呼ばれ、訪問者の行動を継続追随し、訪問者に広告を出す際に訪問者の行動履歴から、より最適な広告を表示することで、無駄なく、広告を表示できる。つまり、費用対効果が高くなるというメリットがある。
以下にリターゲッティング広告で期待される効果を整理した。
リターゲッティング広告は問題点も多い。何度も同じ広告がサイトを変遷するたびに出てきたら、しつこいと思われ、不信感をいだかれブランドイメージが落ちたりしては本末転倒である。
設定をしっかり行うことが肝心だ。下記にいくつかの注意点をまとめた。
広告はバナー広告なので、色彩、デザイン、コピー、テイストにバリエーションを多く作成し交互に表示させることで、ユーザーに広告が対するときに「なんだろう?面白い」など好印象を与えることで、追跡広告のイメージを感じさせないようにする。
リターゲッティングリストを利用するとターゲットを絞りることができる。どんなターゲットに向けて広告を配信するか、または、どんなターゲットに広告を配信しないかを設定できる機能がある。例えば、商品カテゴリで選別したり、カートの途中で離脱したお客様、コンバージョンしていただいたお客様など、配信を選別することができる。
広告にフリークエンシーキャップを設定することで、同じユーザーに対する広告の上限回数の設定だ。さらに「最近何度も同じバナー広告を見かける」といった印象は広告主ににとっては良くない。時にはキャンペーンやクーポン情報などを盛り込み、印象を変えることで興味につなげる戦略も必要である。
広告の基本は「誰に」「何を」「いつ」「どこで」「どうやって」「いくらで」「なぜ」の5W2Hである。リターゲッティング広告では適切なタイミングで、正しい人に見せること。これがうまく機能しないと「ストーカー広告」という嫌なイメージに捉えられてしまう。
リターゲッティング広告とは、追跡型広告で一度サイトを閲覧した人のwebブラウザにcookieを保存させることで、サイトから離脱した後でも広告が表示される仕組みである。設定を誤ると、どこまでもユーザーを追いかけ、効果がある一方で「うっとおしいなこの広告」と嫌われるということもあるのだ。
このような背景があってかどうかはわからないが、来年度、消費者契約法の改正され、この「追跡型広告」のあり方を検討される可能性が高い。
詳しくは下記サイトで確認していただきたいが、リターゲッティング広告が、「不当勧誘」として消費者を守るための法律のなかに含まれるかどうか、つまり「迷惑な広告」として定義されるかどうかが問題なのである。
まだ、この消費者契約法の改正案は消費者庁での見直しの段階なので動向を注視するしかないのだが、リターゲティング広告に依存したビジネスモデルを展開する企業にとっては広告収入の減少という事態になる可能性がある。
しつこく表示のネット追跡型広告が消滅?法改正でネット企業に大打撃の懸念も:http://biz-journal.jp/2015/08/post_10961.html