2010年春にiPadが発売されて以降、タブレット端末を使用する人は年々増加しています。
スマートフォンよりも画面が大きく、視認性や操作性の高いタブレット端末は、パソコン並みの環境でインターネットを利用できます。そのうえ、パソコンよりも軽くて起動が早く、バッテリーも長持ちするので、普段使いにもビジネス利用にも便利なツールとして、その需要が高まっています。
増加し続けるタブレット端末は、今後Eコマースにも少なからぬ影響を与えるでしょう。タブレット端末に関するデータを見ながら、これからのEコマースに及ぼすインパクトを予測していきましょう。
2012年には世界で約1億1900万台のタブレット端末が販売されました。そして2016年には、約3億1700万台と約2.7倍の販売が見込まれています。
また、タブレット端末はある特定の年齢層に偏って普及しているわけではなく、どの世代においても万遍なく増加しています。アメリカでの2012年における年代別の増加率を表した下のグラフをご覧ください。65歳以上の年齢層での増加率が一番多く、0歳から11歳までの層での増加率が2番目ですが、どの年齢層でも前年の2倍ほど利用者が増えています。
http://www.getelastic.com/couch-surfing-how-tablets-influence-ecommerce-infographic/
では、タブレット端末からEコマースサイトへのアクセスはどのような状況になっているのでしょうか?下のグラフは、2011年と2012年における、デバイスごとのウェブサイトへのアクセス割合を示したものです。
http://www.getelastic.com/couch-surfing-how-tablets-influence-ecommerce-infographic/
アクセスのほとんどはパソコンからだということがわかります。いまだ全体の約9割を占めてはいるものの、割合は減少傾向にあります。これにとって代わる形で、タブレットは2011年の1.66%から2012年は6.52%に増加、全体から見ればわずかですが、約4倍にも増えており、スマートフォンの伸び率を圧倒しています。
タブレット端末のモバイルトラフィックも、2012年は前年比384%増となっており、今後もパソコンからのアクセスがタブレット端末に移っていくと予測されます。
タブレット端末からのアクセスに強いEコマースサイトにするためには、どういった対策が考えられるでしょうか?
アメリカでは、タブレットを含むモバイル端末による購入のうち、クレジットカードによる支払いはわずか33%にとどまり、残りの67%はPaypalによるものとなっています。
Paypalは会員になってクレジットカード情報を登録しておけば、ショッピングサイトでPaypalによる支払いを選択して、Paypalアカウントに登録したメールアドレスとパスワードを入力するだけで決済できるサービスです。
タブレットからの顧客を取り込むためには、クレジットカードの情報をたびたび入力する必要のない、PayPalのように手軽で安心な支払い手段を用意しておくとよいでしょう。
他にも、ユーザー・インターフェース上の工夫は必須です。パソコンと同じ画面を表示するにしても、タブレット上でタップすることを前提にして、購入ボタンやナビゲーションのテキストリンクなどを大きめにするなど、タブレットでも使いやすいデザインに変更していきましょう。予算に余裕があれば、レスポンシブWebデザインなどを利用して、タブレット向けのインターフェースを構築することもおすすめです。
これからますます増えるであろうタブレットからのアクセスに対して、まずは使い勝手のよさというユーザー体験を提供することが必要になりそうです。
参考:
Couch Surfing : How Tablets Influence Ecommerce
http://www.getelastic.com/couch-surfing-how-tablets-influence-ecommerce-infographic/
画像:
photo credit: Johan Larsson via photopin cc
タグ: Eコマース, PayPal, タブレット, ユーザーインターフェイス