キッチン用品専門ECサイト「Provisions」に見る、ECサイトとコンテンツの架け橋

Provisions(http://food52.com/provisions)というECサイトを、ご存知でしょうか?元New York Times編集者のAmanda Hesser とMerrill Stubbsが創立した食の総合情報サイトFood52 (http://food52.com/)に開設された、キッチン用品専門のECサイトです。
Food52が2009年に創立されてから3年以上経ち、なぜ今ECサイトProvisionsを開設したのでしょうか?今回はその他のECサイトの事例も交えて、ECサイトとコンテンツの密接な関係性を考えてまいります。

キッチン用品専門のECサイトProvisions


Provisionsは、「よりよいキッチンをすべての人に」というコンセプトで作られています。料理をふるまう相手に喜んでもらえるよう、よりよいキッチン、よりよい食器を料理の作り手に提供したいという思いが「Provisions」という名前に込められているのですね。商品は約$20~$100のものがほとんどで、プレゼント用に適した価格帯とオシャレな商品群になっているのも、「Provisions」という名前にマッチしています。

Food52にはコラム、レシピ、コンテスト、ホットライン(Q&A)という大きく4つのカテゴリがあり、まさに食のポータルサイトです。文章のクオリティはもちろん、写真にもかなりこだわっており、雑誌を眺めているような気分になります。Provisionsは、Food52上に5つめのカテゴリとして設置されました。

コンテンツが充実したECサイトたち

eBayやAmazonなどのように直接的にECを展開するのではなく、コンテンツを充実させて、そこにECサイトを乗せたというのが、Provisionsの強みです。ECに特化したサイト、またはコンテンツに特化したサイトは数多くありますが、Food52はその両方に橋を架けるようなデザインとなっています。
コンテンツを充実させてからECサイトを開設するというのは非常に稀なケースですが、その両者を繋ごうとするサイトデザインのモデルは他にも数多くあります。IKEA(http://www.ikea.com/us/en/)はその好例で、インテリアのレイアウトアイデアを提示することで、その家具を部屋に置いたときの様子を具体的に想像しやすくしています。

また、SCHWINN(http://www.schwinnbikes.com/jpn/)は自転車専門のECサイトです。「SCHWINN LIFE」というコーナーで、自転車の楽しみ方や修理の仕方、子どもへの教え方などを、楽しそうな写真や動画と合わせて発信しています。

国内でも、同様な事例があります。例えば、ワインの定期購入サービス(サブスクリプション・コマース)を行っている「ワイナレッジ (http://wine-k.jp/)は、月ごとにオススメのワインを紹介してくれる動画コーナーや、ワイナレッジのワインを選んでいるソムリエが働いているバーなど、興味をそそられるコンテンツが充実しています。

また、北欧地方の生活雑貨や食器を販売する「北欧、暮らしの道具店」(http://hokuohkurashi.com/)も好例のひとつです。実際に北欧雑貨をたくさん取り入れた部屋のレイアウトを丁寧に紹介し、その部屋で使われていた商品をまとめて確認できるECページに誘導する仕組みです。

 

ユーザーに喜んでもらえるコンテンツを提供する

今回ご紹介したサイトに共通しているのは、「読み物が充実していて、特定ジャンルの関連情報が揃っている」という点です。ECサイトへの誘導については、それぞれその程度に差はありますが、ただ単に商品を陳列したり特集セールを行ったり、といったことだけに終始していません。
では、雑誌にもできそうなハイクオリティなコンテンツを、なぜ無料で発信しているのでしょうか?それは、それがユーザーの真のニーズだからです。ユーザーのために、ユーザーに喜んでもらえるコンテンツを提供していくうちに、ユーザーはそのサイトのファンになります。そして、ファンになると自ずとユーザーがECサイトも利用してくれるようになるのです。急がば回れ。ECサイトでの販売は二の次に回して、まずはユーザーのニーズをしっかり掴みましょう。

参考:Content Meets Commerce Meets Food: Cooking Site Food52 Debuts New E-Commerce Shop, Provisions

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