
展示会やセミナーで私が最も多く受ける質問の1つに
海外で売れるものを教えてください。
という質問をよく頂きます。
ぶっちゃけ、この質問ってどんな音楽なら売れますか?とか、どんな髪型が今年流行しますか?とか、どんなテレビ番組が流行りますか?と同じ類いの質問だと思っている。
どの業界でもビジネスプロデューサーなら絶対に知りたいし、でもこんな質問ってドラえもんがいないと分からない訳です。
実際、伝統工芸品なども海外で売れていますし、基本的には日本の商品なら禁制品でなければ何でも売れるというのが私の持論です。極論、eBayで売れているものなら全部売れると思っていいでしょう。
では、あえてなんでこうした質問を私に投げかけるのでしょうか。
一匹オオカミで始めるよりは、一度だれかの賛同(ポジティブフィードバック)を得ておきたいという気持ちは分かります。
もちろん、私も何か新しい事をやるときは人に意見を聞きます。
しかし、意見と言っても新規事業創造においては、いいも悪いもありません。だって、前例がないから。
前例がないものを人に聞いても、その人の価値判断なので、いいという人もいれば、ネガティブな意見を言う人もいる。
なので、ほとんどあてになりません。
では、あえてなぜ聞くのか?
これは、自分もそうだが、事業に失敗した時に自分の責任を少しは逃れられるという、心の奥底にはどうせだめだったらすぐに止めよう、、、ということを自分のせいにしたくない、、とう気持ちがあるからだ。
一度、人に意見を聞いておけば、「あの人は絶対にうまく行くと言っていた、、」という具合に、失敗の責任は、「○○さんがいいと言っていたから」
要は、誰かの発言によって事業は失敗したという様に、自分の責任を最終的には逃れようとするありばいを作っておきたい訳だ。
そうじゃないだろうか?
もし、心の底から本当に売る自信があるなら、新規事業創造についての判断を外部に委ねる意味はない。
というか、本当に売れる自信などはっきり言って売る前からある人なんていない。
売る自信があるのは、バカがつくほどの思い込みのある起業家である。思い込みの強い起業家は、周りからあきれられるか、もしくは、むちゃくちゃ賛同を得られるかの、意見が2分するほとの影響力を持つ。つまり、メッセージの発信力が強く、一部では反対の人も入れば、一部では猛烈に賛同し、強烈なインフルエンサーとなって起業家のビジョンを周りに広めてくれる。
これがあなたにあるか、ないか、、、それだけだ。
外部に意見を委ねる価値は、売れたあとに発生するであろう問題がほとんどだ。(例えば物流とか決済とか)
なので、決済会社や物流会社、専門家に意見を求めても、彼らは売れたあとの問題に関する意見なので、ほとんど当てにならない。
有田焼や、日本のおもちゃ、海外では入手困難な自動車部品、年代物のアンディークな古物など、ヤフオクを見渡せば海外で売れそうなものは結構あるし、こうした情報はAmazonで1,000円の本で大体書かれている。
しかし、たくさん成功本はでているのに、成功者が少ない理由は何だろうか?
情報は確かに大切だが、私がよく利用する旅行サイトSKYSCANNERのCEOのメッセージを見た時に、気持ちが一致した。
怒りこそが、多くの大衆を引きつける起業のエネルギーになることを。
格安で旅行をするためのお得な情報が得られず「イライラ」していたガレスは、2001年友人のバリー・スミス、ボナミー・グリムスと共にスカイスキャナーを立ち上げました。つまり、スカイスキャナーは、ガレスの「イライラ」から生まれた会社といっても過言ではありません。 ガレスの14年に及ぶ金融機関や小売業のための開発者の経験は、スカイスキャナーを世界トップレベルのオンライン旅行会社のひとつへと成長させる助けとなりました。
わずかなプライベートの時間には、チェスを楽しんでいます。また、ガレスは文学や芸術をこよなく愛しており、彫刻や絵画も楽しんでいます。 事実、社員の間でガレスは、会議中ひっきりなしにスケッチを描いていることで有名です。
つまり、海外で売れるものとは、それを使わないと「イライラ」してしまう事を発見し、それを文字におこし、ユーザーを気持ちを代弁できるかどうかでしょう。
「この日本の芸術的価値はすごい!」と言ったところで、誰も共感は得られないでしょう。