越境ECでヨーロッパ、EU(フランス、ドイツ、イタリア等)に販売する場合、商品価格の他に、関税(課税)がかかり、商品価格に上乗せされる。
さらに国際配送料(送料)も必要である。 これら商品価格以外の関税(課税)、送料は商品購入者の負担となる。
越境ECサイトでは、それら商品以外の関税(課税)、送料などの見込額を表示することが求められる。
今回は、EU消費者に対して越境ECで日本の商品を販売する場合にかかる、関税(課税)についてまとめた。
関税とは、その国のさまざまな産業、農業などの自国の物品、商品を保護、守るするために海外から輸入する品目に対して課せられた租税で、宝石や高級車には高額の関税が課せらている。
EU加盟国の場合、日本から越境ECでEU消費者に対して販売する(輸出する)商品には、課税(付加価値税+関税)が課せられるというのが基本だ。
そして、重要なのはEUの場合、商品価格が150ユーロを基準として、課税の扱いが異なる点だ。
・商品価格が150ユーロ(約22,000円)未満の場合:関税は免税され、付加価値税のみが課税される。
・商品価格が150ユーロ(約22,000円)超える場合:関税と付加価値税が課税される。
覚えておきたいのは、150ユーロを超える超えない、どちらにしても、付加価値税(VAT)が課せられると言うことだ。
付加価値税(VAT)とは、日本の消費税のような間接税である。
日本から商品を輸出する場合、この付加価値税(VAT)は、EU加盟国において均一ではなく、国によってその税率は異なっている。
例としてフランスの場合は以下のようになっている。
EU加盟国の関税については、対象国ごとに「HSコード」を入力して調べることができるサイトがある。
お勧めなのが、FedEx社が提供している「WorldTariff」である。
「HSコード」とは、9桁から10桁の品目ごとに割り振られた番号である。
下の画像は、対象国をフランスに設定し、時計関連の関税について結果である。
どの内容も4.5%程度と示されている。
EU加盟国の関税に関しては、2019年2月1日、日本とEU(欧州連合)の経済連携協定(EPA)が発効されたことで、将来的には段階的に関税撤廃の方向へと進むことが予想される。
現時点では、酒については、ワイン関税が即時撤廃され、衣料製品,繊維・繊維製品等も即時撤廃されている。
農林水産品については、牛肉,茶,水産物のほとんどが即時撤廃されている。
また、一般機械,化学工業製品,電気機器は約9割が即時撤廃など、EU・日本間は蜜月な関係にあると言え、関税が撤廃されることで、ますます市場は開放されつつある。
EUが相手国の場合、商品により税率は違ってくるが、押さえるべきポイントは付加価値税(VAT)である。
つまり、商品価格150ユーロ以上にはさらに関税が課税されるが、それらは日・EU間経済連携協定により、商品にもよるが将来的には関税は撤廃される方向にある。
越境ECでは、海外消費者に対して、商品にかかる関税がいくらになるのか、必要な料金を算出し、内訳を明示することが重要だろう。
参考: