オンラインビジネスのマーケティングというと、ソーシャルメディアやSEO、アフィリエイト、検索連動型広告など、さまざまな手段があります。しかしながら、ことコンバージョンに関しては、Eメール・マーケティングがとても重要なことがわかってきました。
昨年8月に行われたアメリカでの調査によれば、EメールのROI(投資収益率)は約4,300%、つまり投資額の43倍もの収益率があると報告されています。
今さらEメール?という感もあるかもしれませんが、数字はEメールがとても効率的な宣伝手段であることを示しています。
アメリカのマーケティングリサーチ会社Custoraが、86のさまざまな小売業のサイトで買い物をした7,200万人を対象として行ったデータ分析によれば、2009年からの4年間で、Eメールを通じて買い物をした人は4倍に増え、2013年には全顧客のうち7%を占めるに至っています。
一方でFacebookやTwitterからの購入はほとんどなく、増減もほぼありません。
FacebookやTwitterは情報を拡散させる手段としては優れていますが、例えばFacebookでは、タイムラインに新しく情報をUPしたとしても、お気に入り登録している人の平均16%にしか発信されていません。Facebookでは、この状況を改善するため、Facebook上の広告利用を推奨しています。
またTwitterでは、情報を発信した際にユーザーがオンラインになっていない限り相手には届きませんし、また後から知りたいと思った情報を検索しても、拡散目的のツィートなどに埋もれてしまい、なかなか目的の情報にたどりつけないといったことが多々あります。
その点、Eメールでは、企業側が伝えたい情報を、ターゲットとなる顧客に確実に届けることができるため、ソーシャルメディアよりずっと多くのコンバージョンを得られるのです。
CLVとは、Customer Lifetime Valueの略で、企業と顧客が継続的に取引することによって、顧客が企業にもたらす価値(利益)のことをいいます。1と同じく、Custoraの調査結果ですが、ここでもOrganic Search(自然な検索によるもの)、CPC=Paid Search(検索エンジンで、任意のキーワード結果に有料でウェブサイトへのリンクを貼ったことによるもの)に次いで、Eメールの数値が高くなっています。
つまり、Eメールを通じて得られる顧客は、継続的に商品を購入し、安定的な売上を企業にもたらすということを示しています。
ソフトウェア販売会社AppSumoの代表、ノア・ケーガン氏が、Twitterである情報についてつぶやいたところ、1,300人のフォロワーのうち109の反応しか得られませんでした。一方で、同じ情報をメーリングリスト上の3,547名に送ったところ、882名の反応が得られました。TwitterのCTR(Click Through Rate)が8.4%であるのに対して、EメールのCTRは24.9%と、3倍近く反応がよかったことになります。
Eメールの場合、顧客とオンラインでつながる最も個人的なスペースであるメールボックス内で商品や企業についての情報をやり取りできること、そしてそのメッセージが必ず本人に届くことが優位に働き、より顧客の関心を引き、多くの反応が得られるのです。
以上のように、Eメールは、優良顧客を獲得するための情報伝達手段としては、Facebook等のソーシャルメディアよりもずっと優れています。実際にアメリカでは、服飾ブランドから生鮮食料品店まで、あらゆる企業が活用し、顧客側も重要な情報源の1つとして日常的に利用しています。
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まずは、実際の店舗やウェブサイトで一度でも購入してくれた顧客情報に基づいてメーリングリストを作成しましょう。そして、企業・商品の情報、クーポンの発行、誕生日・クリスマスなどのセール案内等、継続的なEメール・マーケティングを駆使することで、より深い関係を顧客との間に築くことができるでしょう。まずはメーリングリストの作成を、長期的・継続的に顧客を獲得するための一歩にしましょう。
参考:Why Email Marketing is the Key to Ecommerce Success
photo credit:Horia Varlan via photopin cc
タグ: CLV, ECビジネス, Eメール, ROI, コンバージョン率, メーリングリスト