今やコンテンツマーケティングは、企業がマーケティング戦略を進める上で必要不可欠なものになりつつあります。今回は、あるマーケティング会社が、自社用にコンテンツマーケティングを導入した際に得た教訓をお伝えします。単なる技術的なコツだけではなく、さまざまな驚き・発見があったようです。成功したことからも失敗したことからも興味深い教訓が盛りだくさんです。
導入の際に掲げたプロジェクト内容は、次のとおりです。
・短いQA方式の記事100本
・中程度の長さの記事18本
・長い記事3本
・インタビュー記事3本
以上124本の記事を約3ヶ月の間に書いて、ウェブサイトにアップするという導入プロジェクトを仕事量にすると、社員一人あたり週2本の記事を書くことになりました。まずはうまくいったことから得られた教訓をご紹介します。
どのようなプロジェクトにも言えることですが、プロジェクト開始時にキックオフミーティングをきっちり開くことは、プロジェクトを成功させるための重要なポイントです。メンバーの全員参加を義務付けて、「自社においてコンテンツマーケティングを導入する意義」を確認し、導入プロジェクトの概観、スケジュール、各メンバーの役割、利用可能なリソースなどさまざまな情報を共有します。メンバー間で意識を高めることが重要なのです。
厳しいスケジュールを課されると、一見やる気をなくしそうですが、実は過密スケジュールで進める方が、内部プロジェクトにおいては逆に効果的なのです。というのも、内部のプロジェクトというのは、往々にして外部のクライアントからの仕事よりも後回しにされがちです。内部プロジェクトであっても成功に向かって真剣に取り組む、という意識付けが大きな推進力になります。また、タイトなスケジュールを課されることで個々が効率的に仕事を進められるようになったり、共通の使命感に追われることから社員同士の連帯感が強まるなど、副次的な効果も生まれます。
真っ白な原稿用紙を前に固まる、という事態を避けるため、まずは短時間でブレーンストーミングして社員から思いつく限りのトピックを絞り出します。この際に用意するトピックの目標数を設定し、その数が出尽くした時点で専門分野ごとに担当者を割り当て、各自が書き始めます。書いている途中により良いネタを思いつくこともあるので、まずは書き始めてみるという姿勢が重要です。
こうした成功からの教訓がありましたが、中には失敗したこともあり、そこからも例えば、以下のような教訓を得ることができました。
日常業務では、効率的な業務処理手順が定められていることも多いのですが、初めて取り組む内部プロジェクトの場合、つい業務処理手順を曖昧にしてしまいがちです。業務に使うソフト、保存場所等がざっくりとしたルールで規定されていると様々なトラブルを発生させかねません。内部プロジェクトであっても、明確で洗練された業務処理手順を定めるべきです。
社員にこれまで担当したことのないトピックや、これまでの仕事に多少は関連していたとしても、必ずしも熟知しているとは言えない分野についての記事を書かせるのはやめましょう。内容が薄かったり的外れだったりして、結局、書きなおしや大幅な編集のために時間を無駄に使うことになります。社員が記事を書く場合は、良く知る分野についてのみ書く、というのが鉄則です。
あるトピックを実際に書いてみると、予想していたよりも2倍以上の長さになってしまった、ということはよくあります。トピックを考える際にはなるべくシンプルに、初めから詰め込みすぎた内容にしないように注意しましょう。
以上、得られた教訓をご紹介しました。コンテンツマーケティングに限らず、内部プロジェクトで起こりがちな問題点も多く指摘されており、納得される方も多いでしょう。導入に際しての具体的なイメージもつかみやすいと思いますので、ぜひ参考に活用してみてはいかがでしょうか。
参考:
・6 Lessons From an Ambitious Content Marketing Project
・Content Marketing Lessons
タグ: コンテンツマーケティング