北米で大ブレイクの可能性、日本の米菓 「ふんわり名人」

北米で大ブレイクの可能性、日本の米菓 「ふんわり名人」

越後製菓の米菓「ふんわり名人」は、2005年の発売以来、独自の「ふわっと溶ける」食感と日本の伝統的な味わいで、多くの消費者の心をつかんでいます。この米菓は、もちろん国内でも大人気ですが、2010年代後半から、韓国や台湾などアジア市場にも進出し、近年は、北米市場にも積極的に展開されています。

2024年8月の記者会見で、越後製菓の星野会長は「ふんわり名人」が今後、アメリカやカナダといった北米市場でさらに大きな可能性を秘めていると述べました。星野会長は、北米市場を「クジラだらけの漁場」と比喩し「国内での商売が通常の釣りだとしたら、北米はクジラだらけ。北米は日本よりも所得が高く、その上、北米の人たちは消費志向。日本の消費人口の約10倍はあるような感じがする」と述べ、北米の所得水準や消費意欲が日本市場よりもはるかに高く、成長余地の大きい市場であると期待しています。この言葉が示す通り、アメリカやカナダを中心に急速に展開が進み、「ふんわり名人」は日本の米菓市場を超えて国際的な存在感を強めています。

ドジャースタジアム

現在、ロサンゼルスのドジャースタジアムで「ふんわり名人 きなこ餅」が1個7.99ドルで販売されており、観戦者や観光客からも好評を博しています。また、アメリカ市場向けには「きなこ餅」と「チーズもち」の英語表記のパッケージが採用され、地元消費者に親しみやすい製品として認知を広めています。カナダのケベック州ではフランス語パッケージを展開予定で、特に「チーズもち」はワインとチーズの文化が根付いたカナダでの人気が見込まれています。これにより、アメリカとカナダ双方で、日本の伝統的な米菓でありながら、現地文化に適応した製品としての受け入れが進んでいます​。

アジア市場

さらに、「ふんわり名人」は、韓国、台湾、マレーシア、シンガポールなどのアジア市場でも順調な成長を遂げており、韓国では「きなこ餅」、東南アジア諸国では「チーズもち」がそれぞれ現地で好まれています。特に韓国では、近年、コンビニエンスストアでの導入も決まり、手軽に購入できるスナックとしての人気が拡大しています。

SIAL Paris 2024

また、2024年10月にはフランスで開催された「SIAL Paris 2024」にも出展し、この欧州最大級の食品展示会で新たなパートナーシップ構築を目指しました。「SIAL Paris 2024」での越後製菓の出店は、日本の米菓の魅力を国際的な舞台に持ち込む成功例として注目を集めています。今回の展示会には、越後製菓の人気商品「ふんわり名人」が出展され、その独自の「ふわっと溶ける」食感と豊かな風味が、多くの来場者の関心を引きつけました。特に、会場での試食会では「きなこ餅」や「塩キャラメル」などのフレーバーが好評で、ドイツやフランスなどヨーロッパの小売業者からの関心も高まりました。

また、SIAL Innovation Awardsに関連する展示では、越後製菓の製品が高い評価を得ており、革新的な食体験を求めるグローバルな消費者層にも響く製品として紹介されています。越後製菓は、現地のパートナーシップ構築を通じて、ヨーロッパ市場への更なる拡大を視野に入れています。この展示会での成功は、北米やアジア市場に続く欧州進出に向けた確かな一歩として位置づけられており、今後の海外市場での成長が期待されています。

厳しい法規制をクリア

越後製菓は各国の原材料や賞味期限などに関する厳しい法規制を全てクリアし、文化的な嗜好に合わせた製品展開を行い、柔軟なマーケティング戦略を採用しています。国内で確立した製品ラインアップを基盤に、需要が拡大する市場ごとに異なるフレーバーやパッケージングを導入することで、地域ごとに適応したアプローチを実現しています。また、星野会長は「ふんわり名人」が「人々に感動を与え、絶対に売れる商品」であると確信を示し、長年の試行錯誤で完成した独自の「ふんわりと溶ける」食感が、多様な消費者層に訴求力を持つと強調しています。

さらに、越後製菓は米菓部門における生産体制の効率化も進めており、アイテムの集約により生産性を向上させています。これにより、設備投資を抑えながらも急増する海外需要に応えることが可能となっており、企業の持続的成長を支えています。また、現地市場のニーズに迅速に対応するため、各国でのパートナーシップ強化や販売網の整備も進められており、「ふんわり名人」の今後の成長がますます期待されています。

SNSを通じてブレイク

「ふんわり名人」は、ただの米菓にとどまらず、越後製菓の伝統と革新が融合した日本の代表的なスナックとして、世界中の消費者にその魅力を届けています。「お菓子が溶ける瞬間」を楽しめる米菓として、特に柔らかなスナックを好む海外の消費者に受け入れられており、口コミやSNSを通じて「ふんわり名人」の人気がさらに広がっていることも注目すべき点です。アメリカやカナダなどのeコマースでも販売され、世界各国で入手が簡単になってきたことも人気に繋がっています。

ドジャースタジアムからのテレビ中継では、ふんわり名人を片手に大谷翔平を応援する人たちが見られるかもしれません。

日本のソウルフードでもある米菓が、少しでも多くの国や人たちに広まっていくといいですね!

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