
昨年末のホリディセールに関するIBMの調査結果によれば、アメリカではサンクスギビングの週明けに設定されたオンラインショッピングデー「サイバーマンデー」の売上額が、過去最高額を更新した。2013年に比べると、8.5%の増加となった。
また、モバイルからのトラフィックが2013年よりも3割増の41.2%を占めるなど、モバイルコマースの割合も劇的に増加してきている。
こうした中、2013年のサイバーマンデーに比べ5倍近い売上を記録したEコマースサイトが「Man Crates」だ。創業3年目にして、大躍進を続けているMan Cratesの成功の要因はどんなところにあるのか?
セール戦略や企業が最も大切にしているモットーなど、その秘訣を紹介する。
Man Cratesは、アメリカで人気のある大学スポーツの応援ビールセット(ビールやおつまみ類、大学のロゴが選べるグラス等の詰め合わせ)やアウトドア・サバイバルセット(ナイフやコンパス、ビーフジャーキーなどアウトドアに必要なグッズの詰め合わせ)など、男性が喜びそうな、遊び心あふれるこだわりセットを販売しているサイトである。
木箱や弾薬を入れる箱など、ユニークなパッケージも魅力のひとつとなっている。

「Man Cratesは、お客様が大切な友人に、特別なギフトを贈る際の手助けをしたいのです」と同社のマーケティングチーフであるScott Ellis氏は語る。スポーツ関連のセットだけでも、NFLからゴルフ、大学スポーツに至るまで、幅広く用意されており、セットを構成する商品は吟味されている。
応援するチームのロゴや名前を入れることができる商品などもある。このように、パーソナライズの要素を多く提供することで、プレゼントを贈る人と受け取る人の双方にとって満足度の高いセットとなっているのが特長だ。
ギフトを贈った相手に喜んでほしいと願う顧客の思いに寄り添い、顧客からの意見をできる限り商品にフィードバックさせてきた同社の真摯な姿勢は、多くの人から支持を得て、わずか3年で人気企業へと成長している。
2014年のホリデーシーズンにおいて、同社は「Massive(=巨大な、大規模な) Man Crates Monday=MMM」と題したキャンペーンをさまざまなチャンネルで行った。
購入金額に応じたディスカウントに加えて、メールの定期購読者には特別なセールを実施したり、ライフスタイルを提案する複数の雑誌にギフトアイデアとして取り上げてもらったり、影響力の大きなラジオ番組に広告を打つなど、大規模かつ多方面へのキャンペーンで集客に成功した。
なかでも、ソーシャルメディアでのキャンペーンは、新たな顧客層の開拓に貢献している。
キャンペーンは、FacebookとTwitterでサポートしながらPinterestで実施され、Man Cratesはここ1年ほどPinterestでの発信に取り組んでいるが、同社のPinterestページのオーディエンスは、平均して65%から70%が女性であり、父親や交際相手などに喜んでもらうためのギフトとして購入する女性客からのコンバージョンを増やしている。
Man Cratesの成功を見ると、規模の大小や販売形態などにかかわらず、「どうしたら顧客を驚かせ、喜んでもらえるか」ということをストイックに追求することがいかに重要であるかかがわかる。
一人ひとりの顧客満足がなければ、次の購入につながらず、ひいては企業の存続や成長にも良い影響を与えない。お客様と顔を直接合わせないEコマースであっても、顧客第一の姿勢が重要だと教えてくれる好例だと言える。
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