
ウェブマーケティングにおいては、ソーシャルメディアやモバイルアプリなど、新しい手法が注目されがちですが、実は今、最も注目されているのがEメールマーケティングです。Eメールマーケティングはコンテンツマーケティングと組み合わせることで、大きな力を発揮します。Eメールにより、ターゲットとする顧客層に相応しいコンテンツを適切なタイミングで発信することができるからです。そこで今回は、アメリカでの調査結果から、Eメールマーケティングの最新トレンドをご紹介したいと思います。
米国でEメールマーケティングを手がけるYesmailの調査によれば、2014年に定期配信されたメールは2013年に比べて9ポイント増加しています。また、全体のメール開封率は3ポイント低下していますが、定期配信のメールに限れば開封率は6ポイント増加しています。
これはEメールマーケティングが、一定の効果を上げていることを示しています。ユーザーが受け取るメール総数は増えており、未開封のままにしておくメールも増えているものの、顧客や見込み客などに定期配信されたメールはより多く開封されるようになっています。
「会員登録しているブランドのウェブサイトを久しぶりにのぞいて商品を閲覧したら、その後すぐにメールでクーポンが届いた」、「Amazonなどで、過去の購買商品に関連する商品をおススメするメールが送られてくる」といった経験は誰しもあるのではないでしょうか?
こうしたEメールマーケティングを可能にしているのが、テクノロジーの進化です。大量のデータを集め、これを管理、分析できるようになったため、ターゲットとする顧客層に対して、ピンポイントにかつ、顧客のニーズに適した形でメールを配信することが可能になっています。例えば、1通目のメールを開封した人にだけ追加でクーポン付きのメールを送る、などといった細かい設定が可能になっているのです。
また、最近ではスマートフォンなどのモバイルでも容量の大きいデータが閲覧できるようになったため、いつでもどこでもEメールを受け取れる環境が整いつつあります。調査結果でも、モバイルからのクリックや購入はPCからのそれに比べるとまだ低いものの、増加傾向にあることが示されています。

Email Marketing Compass-A Year in Review, Yesmail
調査結果ではさらに、Triggered Message(=ショッピングカートの未購入商品の情報やその他購買行動を示すデータから、ユーザーの関心を引くような要素を入れたメール)を送った場合、一般的なキャンペーンを知らせるメールに比べて、2.5倍も開封率が高く、クリック率も2倍になるということが分かっています。

Email Marketing Compass-A Year in Review, Yesmail
これからのEメールマーケティングでは、「今すぐに買う気はないけれど、興味はある」という潜在顧客を、いかに買う気にさせるかがポイントになります。購入履歴、ソーシャルメディアでの行動、ウェブサイトでの行動パターンといった大量に存在するデータを活用することで、顧客類型の細分化や、それに基づくターゲティングがますます進むでしょう。顧客に応じて最も効果的なアプローチを行うことこそが、成功へのステップになります。
米の調査会社Forresterによれば、Eメールは今後、マーケティングにおいてさまざまな媒体をクロスさせる包括的な役割を担っていくだろうと予測されています。これを機に、自社のEメールマーケティングを一度見直してみてはいかがでしょうか。
参考:
Marketing Email Year-Over-Year Benchmarks and Trends
Email Marketing’s Day in the Sun