総務省の「平成27年度版 情報通信白書」のSNSの利用率に見ると、国内利用率はLINE(37.5%) 、Facebook(35.3%)、Twitter(31.0%)、インスタグラム(6.0%)という下図のような結果となっている。
この統計内容の対象者は国内13歳以上の男女2000人で昨年2015年3月の調査によるもので、今回の結果を見ると、年代別では特に20代以下のSNSの利用率が高く、TwitterとInstagramの利用率が他の世代より特に高いことが示されている。
今回は、この総務省発表のSNSの利用率を元に、主なSNS(Facebook・Twitter・Line・Instagram)の世代別利用状況を比較し、さらに今、日本の若者に流行の兆しが見える”Snapchat”についても見ていこう。
世界で16億5,000万人、日本国内では2,500万人が利用する世界No.1のSNSがFacebookだ。
実名登録、画像による投稿、時系列ではない表示形式、シェアによる投稿の拡散などの特徴がある。利用状況は20代以下で49.3%、30代では38.3%、40代で36.8%、 50代では30.8%、60代以上では21.5%となっており、40代以上の層にも多く利用されるSNSと言える。
これは企業がFacebookページを次々に開設し、ビジネスシーンに活用されるSNSであることなどが理由としてあげられる。
Twitterは、2015年12月末時点の全世界のアクティブユーザー数が3億2000万人になったことを発表している。
日本では月間アクティブユーザー数は3,500万人となり、その増加率は世界一となっている。 登場時にはミニブログ、マイクロブログなどという呼ばれ方もされたTwitterだが、140文字のコミュニケーションツールとして日本に定着した。
データを見ると20代以下が52.8%、30代で33.0%、40代は29.5%、50代で24.3%、60代以上では15.5%となっている。データを見るとTwitterの強みは若者層であることがわかる。Twitterは実名でなくても使えることや「つぶやき」の気軽さが人気で、特に20代男性の利用率が高い。
LINEは「チャット」や「通話」が無料で楽しめ、国内ではSNSの定番コミュニケーションツールとして定着した。SNS全体のシェアも日本人口の40%以上でトップシェアである。
成功の要因はスマホ対応の独自アプリ開発とスタンプの存在が大きい。日本国内では、月間アクティブユーザー数は公開されていないが、LINEとTwitterのSNSツートップは間違いない。
自分で撮った写真を加工・編集し、プラットフォーム上に投稿できるソーシャルメディアであるInstagram。
世界では月間アクティブユーザー数が4億人を突破し、日本国内では810万人となっている。利用の伸び率も8.3%から13.4%へと上昇しており、利用するユーザーが増えたことで広告も解禁となった。
統計データでは20代以下は16.0%、30代では7.8%、40代は3.5%、50代では2.0%、60代以上では0.5%となっている。利用ユーザーではファッションや芸能人への興味が深い10代~20代女性が特に高く、最近では30代~40代の女性も増加しているようだ。
Facebook社も意識するSnapchatとはどのようなアプリなのか?
Snapchatは日本でも若者の間で“スナチャ”と呼ばれ浸透しつつあり、海外では1日に1億5000万人のアクティブユーザー、 さらに1日当たりの動画視聴回数60億回のSNSとして、多くの海外ユーザーに受け入れられているのアプリである。
特徴は基本的にはチャットアプリで撮った写真にフィルター効果を加えたり、 テキストを追加したり、スタンプを入れたり、いろいろ楽しめること。
最大の売りは投稿した写真や動画が10秒以内で消えてしまうことである。投稿が溜まるタイプのSNSと違い、 コンテンツが秒速で喪失していくという、新しい発想から生まれたのが”Snapchat”である。
まだまだ、日本での認知度は低く、安定した継続使用には至ってないが、 今のうちに、ダウンロードし、海外や日本の若者の間で何が起きてるか知っておきたいところである。
SNSアプリも時代とともに栄枯盛衰はあるだろう。これからのトレンドは脱Facebookにあるのかもしれない。キーワードは「匿名制」と「クローズド」である。
今回取り上げたsnapchat以外でも、交流しない(コミュニケーションに主眼を置かない)SNS「Tumblr(タンブラー)」なども、これから流行するかもしれない。Facebookは衰退することはないと思うが、ユーザーは匿名、実名を使い分け、ケースバイケースで楽しく利用することが大切である。