トレンドのソーシャル活用術:クロスメディアのキャンペーンが強いわけ

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米マーケティング企業のThe Content Marketing InstituteおよびMarketingProfsによる最新の調査報告B2C Content Marketing 2015 Benchmarks, Budgets and Trendsがリリースされました。109ヶ国、5,000人以上のB2C企業マーケターへのアンケート調査に基づくこの報告を見ると、各企業が取り組むコンテンツマーケティングのトレンドがよく分かります。
調査によれば、企業が最も力を入れているコンテンツマーケティングのメディアはソーシャルメディアであることが分かりました。今回はこの調査結果を踏まえながら、クロスメディア、特にクロスソーシャルなキャンペーンを実施して成功している企業の好例をご紹介します。

企業が取り組むコンテンツマーケティング、そのトレンドは?

調査アンケートに答えた企業のうち、コンテンツマーケティングに取り組んでいると答えた企業は77%にのぼります。そして、コンテンツマーケティングを実践しているメディアとして最も多いのがソーシャルメディアであり、93%の企業が活用しています。
また、使用しているソーシャルメディアの利用率は、Facebook、Twitterと続きますが、画像投稿SNSのInstagramを使う企業が2年間で50%と急増しています。

コンテンツマーケティンググラフソーシャルメディア利用率

ソーシャルメディアで反響多数、JBLの例

ソーシャルメディアを重視する企業が増えるなか、米オーディオ機器メーカーのJBLは、複数のソーシャルメディアを併用する、クロスソーシャルなキャンペーンを実施しました。

応募はツイートで!の参加型キャンペーン

キャンペーンはJBLが販売するワイヤレス・ヘッドフォンをプロモートするものです。そこでJBLは、ワイヤー付きヘッドフォンでやってしまった失敗談(席を立った拍子にヘッドフォンのワイヤーでノートパソコンを引きずってしまった、飼い犬の相手をしていたら、ヘッドフォンのワイヤーが犬の首に絡まってしまった、など)をユーザーから募集しました。
応募方法は#CordFailというハッシュタグを付けてツイートすればよく、当選した100名に同社のワイヤレス・ヘッドフォンが贈られるほか、最もすばらしい(イケてない)失敗談にはNBAのオールスター戦、コーチェラロックフェス、グラミー賞授賞式のいずれか希望のチケットがプレゼントされます。

当選者の発表はVineの有名人から!

最もすばらしい失敗談の発表方法もユニークです。発表はVine上で、Vineのフォロワー数が560万人もいる有名人Logan Paulが失敗談を実演する、という形で行われることになっています。
Paul自身も何件かVine上でおもしろい失敗事例を投稿していて、1つめの動画は投稿から1ヶ月で900万回以上も再生されています。こうしたPaulの影響力もあり、キャンペーンがスタートしてからわずか2週間で、JBLはTwitterにおける新規フォロワーを2,200人獲得し、キャンペーンへの応募者も2,000人を超えました。
#CordFailの総インプレッション数は640万回以上、ソーシャルメディアでのエンゲージメント(「いいね!」やシェア、リツイートなどの数)は68万と大きな反響を得ました。

 

相乗効果を生む、クロスソーシャルの魅力

JBLのキャンペーンは、TwitterとVineという別々のソーシャルメディアで同一のハッシュタグを使って実施することにより、それぞれのメディアユーザーからの反響を得られるという相乗効果を生みました。
またVine上の有名人Paulを起用したことにより、彼が利用するInstagram やSnapchat(スマートフォンでの写真共有アプリ)といった別のソーシャルメディアにもシェアされ、彼の影響力をうまく活用することができました。 さまざまなソーシャルメディアを同時に活用するクロスソーシャルを、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

参考:

JBL Cross-Social Campaign Centers on #CordFail
B2C Content Marketing 2015 Benchmarks, Budgets and Trends

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