UI(User Interface)デザインの基本としてあるのが、「近接=グループ化」するという方法だ。近接とは、関連する要素と要素どうしを近くに配置し、関係の薄いものは遠ざけるという原則である。
今回は前回の「整列」に引き続き、デザイン4原則「-その2:近接-」について見ていこう。
画面デザインでは情報をグループ化する「近接の原則」は最も活用される手法だ。
この原則はゲシュタルト心理学の近接の要因「近接しているもの同士はひとまとまり=グループ化され認識される」から導きだされている。
つまり、同じ性質、要因のものは、視覚的、デザイン的に近くに配置し、関係の薄いものは離して配置することで、関係性が強化され認識しやすくなるのだ。認識しやすい=見やすい画面デザインを構築することができる。
下の例を見てみよう。(図1)のように情報の配置がバラバラだと、どこをどう見たらよいのか、情報がどうなっているのか、何をしたらいいのかユーザーには伝わらない。ユーザーは目的を達成するためにどうしたらよいか戸惑ってしまうだけである。
そこで、「近接=グループ化」を行い、ユーザー視線を考え、優先順位をつけて配置してみる。
(図2)のように情報をグループ化し、視線の順序を意識し、レイアウトすることで意味のある余白が生まれ、ユーザーに見やすい、伝わるデザインに改善することができる。情報のグループ化はとても重要なのである。
「近接」とは、関連する情報をグループ化することである。関連する情報は近づけ、関連しない情報は遠ざける。さらに、優先順位を決め、視線の流れを意識して配置すること。
類似要素をグループ化し、関連性の少ない要素は離して配置する。「情報の階層化」も近接の手法の一つだ。
下の例を見てみよう。(図3)のように均等にバラバラにあるものは、文頭から中身をすべて読んでゆくことになり、知りたい情報を探すのに時間がかかる。右(図4)のように似た要素はグループ化し情報の階層化することで、情報が視覚化され、情報を素早く正確に伝え、欲しい情報が見つけやすくなる。
近接の原則は、内容を理解し、情報の整理、整頓をすることが第一義である。整理したうえで、関連あるものはグループ化し、その塊(グループ)を意図して配置し、さらに関連あるもの、関連ないものに余白を作り意味づけする。
この原則を用いてデザインすることでサイトを訪れたユーザーが直感的に各要素の構成、内容を容易に理解することができる。
WEBデザイナーはECサイト構築の際、サイトの情報を整理し、関連性の高い要素をグループ化し配する、この「近接の原理」を基本とし訪れたユーザーにとって理解しやすいサイトを構築していただきたい。
次回は「3.繰り返し」について説明する。