
ウェブサイトにおいて、テキストコンテンツは必要不可欠ですね。もちろん、画像や動画はインパクトがあり、効果的なコンテンツですが、どのようなコンセプトでウェブサイトを構築するのか、どのように顧客に情報を発信していくのかなど、まずは文章で表現し、戦略を練るという手順を踏みます。自分なりの表現を紡ぎだして、「テキストを書く」という行為は、単にブログ記事や商品説明に必要というだけではなく、ウェブサイト運営のベースでもあるのです。
そこで今回は、アメリカのマーケティング専門サイトMarketingProfsのコンテンツ責任者であるAnn Handley氏から、良いテキストを書くための9つのコツを教わりましょう。
1 読者の疑問を先取りする
よいテキスト記事というのは、記事の中で読者が抱きがちな質問や疑問を予測して、読者自身が気づかないうちにその答えを自然と読ませてしまいます。これは書き手が、常に読者目線で記事を書いていることの表れです。読者の立場に立って書く姿勢は、どのテキストにも共通する基本事項です。
2 データを示す
記事の中に、調査や研究結果に基づくデータを盛り込むことは、記事の説得力を高めるうえで大切です。意見を述べる際、その意見を裏付ける根拠を示せば、記事の信頼性もグッと高まります。
アメリカのショッピングサイトShopifyが運営するブログに最近アップされた記事では、Shopifyの独自調査による「Eコマースにおいて、どのソーシャルメディアが売上UPに適しているか?」ということを示すデータをグラフィックで紹介しています。(下図はその一部で、ソーシャルメディアごとの平均注文金額を表示)
このように、実際の調査結果を引用したり、データをグラフ化したものを盛り込んだりすれば、説得力は高まります。
3 丁寧に教える姿勢で書く
よいテキストは、たとえそれが商品説明だったとしても、読み手が少しでも理解しやすいように意図して書かれています。自分たちの世界を、読み手が理解しやすい表現で伝える、つまり、教師が生徒に対して難しいことを噛み砕いて説明するような、そんな姿勢が大切なのです。
例えば、Adobeの「クリエイティブ・クラウド」というサービスについて、Adobeでは動画での概要説明や体験版のダウンロード、テキストと画像による説明など、さまざまな方法でサービス内容を顧客に伝えています。理解の難しい商品であっても、さまざまな表現方法を用いてアプローチし、顧客に「便利そうだ」「優れていそうだ」という印象を与えることができるのです。
4 複数の視点に立って書く
1つの視点に立って書いてしまうと、他の視点から生じる現象や問題を無視してしまい、読者の信頼を失ってしまうかもしれません。さまざまな視点があることを理解しながら、客観性を失わずに書くように努めましょう。
5 校正を何度も重ねる
何かを書く際、一番初めに書いたものは不十分で、読みづらいものになってしまうことが多いものです。これは当たりまえのことですから、書いたものをできる限り客観的に読み返し、書きなおすという行為を何度か繰り返すことが重要です。まずは書いてみる、そして、できれば少し時間を置いて頭をリフレッシュしてから、読み手となって自分の書いたものをチェックする、その繰り返しが大切なのです。
6 よい記事は数学に似ている!?
よい記事というのは、なんと2つの側面で数学に似ています。まず、良い記事は数学同様、論理に基づく構成を持っています。理解が難しいことがらを、より明確でわかりやすく伝えるために、論理的に構成されているのです。
また、数学を得意にするのと同様、よい記事を書くためには「努力」が必要です。どちらも一生懸命に取り組んで、何度も復習すれば、その能力は伸びるものです。
7 わかりやすい記事≠単純な記事ではない
業界のことやビジネスモデルについてなど、伝えることが難しいトピックも多々あるでしょう。だからと言って、内容を割愛するなど、伝える努力を捨ててしまってはいけません。読者を見くびってはいけないのです。難しい内容であっても、理解できるように噛み砕いて説明する姿勢で取り組まなければ、本当の意味で読者に伝えることはできません。
例えば、化粧品メーカーEtvosの運営する美容コラムに「肌バリアを壊す界面活性剤?!」という記事があります。この記事では、乳液などにも含まれている界面活性剤が肌に悪い影響を及ぼさないことを伝えるため、「界面活性剤」という理解の難しい物質についてわかりやすく丁寧に説明しています。こうした企業の姿勢は、顧客がより深く商品について理解することにつながるのです。
8 自分のスタイルを磨く
人の個性がさまざまであるように、文章のスタイルにも個性があります。自分独自のものの見方や言葉の使い方などを大切にしながら、より想いが伝わる文章が書けるよう、努力を重ねましょう。
9 おごらない!
これはどんなことにも言えることですが、ズバリ謙虚さを失わないことです。たくさんの文章を書いて、書くことに慣れてしまっても、本当にわかりやすい文章になっているのか?と常に疑いの目を持ち、初心に返って自分の文章をチェックしましょう!
まとめ
以上の9つのコツ、はっと思い当たることもあったのではないでしょうか?商品説明からブログ記事まで、改めて上記の点に注意しながら、文章を書いてみてはいかがでしょうか。
参考:
・9 Qualities of Good Writing
http://www.annhandley.com/2013/11/18/9-qualities-of-good-writing/