コンテンツマーケティングにがっちり取り組む6つの企業


コンテンツマーケティングを簡潔に言うと、顧客の求める情報を、適切な形でコンテンツとして提供し、購買などにつながる行動を顧客に促す手法ということになります。とはいえ、「言うは易し、行うは難し」とコンテンツマーケティングに悪戦苦闘している方も多いかもしれません。

そこで、実際にコンテンツマーケティングをマスターしている6 つの企業の事例を見てみましょう。何かヒントを得られるかもしれません!

1.Zady

Zadyは、アパレル商品・アクセサリーなどを販売するEコマース・ベンチャー企業で、原料の調達から商品の販売まで、情報の透明性確保を大切にしています。それぞれの商品について、製造した会社を詳しく紹介したり、顧客をデザイナーの事務所に連れていくなどの企画を実施したりしています。

こうした姿勢は、自分の身に着けるものや日常生活で身近に使うものを、どこで誰がどんな風に作っているのか、詳しく知りたい顧客にとってはとても魅力的なものです。

例えば次の赤いシルクシャツでも、商品説明画面をスクロールすると、作り手であるSteven Alanのブランドストーリーを読むことができます。作り手のストーリーが顧客の心に触れ、商品やメーカーへの愛着がわくのです。

 
↓スクロールすると
 
Zady

2.Sweetgreen

Sweetgreenはオーガニック食材を用いた料理や、Sustainability(農法や使う容器などあらゆる面で「環境にやさしい」こと)に取り組むレストランチェーンです。Sweetgreenは地域密着型で事業を展開し、オーガニック食材を地産地消するという信念に基づいてソーシャルメディアを含む全てのウェブページが構成されており、Facebookでは1万9千人以上のファンを、Twitterでは1万2千人以上のフォロワーを、Instagramでは1万1千人以上のフォロワーを獲得しています。

地域の学校に出張講習やクッキングに出向いたり、毎年音楽イベントを主催したりといった地域活動の情報が各メディアを通じて得られ、「体によい食品を摂って、健康的な生活を送りたい」と考える顧客から絶大な支持を得ているのです。

 
Sweetgreen in schools

3.Birchbox

これまでにも何度か紹介している化粧品サンプルの定期宅配サービスを提供しているBirchbox。Birchboxにおけるコンテンツマーケティングのターゲット層は、幼少期からデジタル化された生活に慣れ親しんでいる1980~1990年代生まれの年代で、FacebookやTwitterなどの情報を常にチェックしていないと不安を感じてしまう(FOMO:feat of missing out)世代とも言われています。

平均して3万ドル(約300万円)の学費ローンを抱えているこの年代の若者にとって、月10ドル(約千円)のサンプルボックスは決して安くはありません。しかしながら、ソーシャルメディアで頻繁にアップされる、自分好みの商品に出会った顧客の記事、先月のサンプル内容、メイクアップのノウハウ、来月の注目サンプルといった情報を見てしまうと、買わずにはいられなくなってしまうのです。消費者心理を巧みに利用した、コンテンツマーケティングと言えるでしょう。

 
Birchbox on Facebook

4.Of a Kind

Of a Kindでは、美しく作られた洋服やジュエリーに加え、作り手との1対1のインタビュー記事とプロの写真家Jamie Beckによる素敵な写真を載せることで顧客の心をつかんでいます。また美しい写真は、流行に敏感な女性に人気のPinterestのような画像共有型のソーシャルメディアで大きな効果を発揮し、商品がシェアされていきます。

Of a KindのPinterestでは、「女の子向けバレンタインギフト」や「デザイナーに会う」などテーマ別にさまざまなボードがあり、写真はすでに2,800回以上もピン(写真の共有)されています。アパレル系のEコマースでは、とても参考になる事例ではないでしょうか。

 
Of a Kind: Meet Designers on Pinterest

5.MORIMOTO

デザインマンションのディベロッパーであるMORIMOTOは、顧客に良質な居住空間を実現するためのデザインに関する情報をSUMAUというサイトで提供しています。「居住空間デザイン」というコンセプトから発信される、「注目のデザイン家具」「季節のフラワーアレンジメント」「おすすめレストラン」などのブログ記事は、おしゃれな空間作りに興味のあるすべてのユーザーに役立つものです。ソーシャルメディアでも多くのファンを得ており、Pinterestページも開設されています。日本企業の事例として、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

 
Sumau by MORIMOTO

 

6.Equinox

Equinoxは大手スポーツジムチェーンなのですが、「It’s not fitness, it’s life(フィットネスではなく、生き方そのものを)」という理念をコンテンツマーケティングのテーマにしています。

ウェブサイトのブログでは、さまざまなトレーニング方法、ヨガ・ピラティスなどに関する情報などを動画も交えて紹介していますが、単にお店のプロモーションとしてではなく、あくまで顧客が健康的な生活のためのヒントを与える目的で運営されています。(実際にジムで開設されているクラスとは無関係のトレーニング方法がほとんどです。)

こうしたブログは、ジムの顧客だけでなく、生活を運動に取り入れたい多くのユーザーに閲覧されて内容がシェアされ、結果的に多くの人がジムの門をたたくでしょう。

Equinox

以上6 つの事例を紹介しましたが、それぞれ独自の哲学を、共感してくれるたくさんの人に伝えたい!という思いからコンテンツマーケティングが始まっているように感じます。こうした姿勢はどの企業にも参考になるのではないでしょうか。

参考:
・5 Businesses That Rock Content Marketing
http://mashable.com/2013/11/06/small-business-content-marketing

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