WEBサイト構築の際、デザインに統一感とオリジナリティを出すためには、今回の「反復の原則」つまり、「反復=繰り返し」を利用するとよいだろう。
「反復の原則」とは、全体を通して、同じデザイン要素を繰り返して使うことで、デザインに統一感、共通性を与え、全体としてのリズムを生み出す手法である。
この「反復の原則」はサイトデザインにおいて、非常に有効で、これなくしてはデザインは成立しない。たとえば、ボタンのデザインや見出し、ヘッダーのデザインなどの要素を「反復(繰り返し)」することで、統一感が生まれ、さらに、ユーザーがページ遷移しても、デザインが繰り返されていれば、デザインに一貫性が生まれ、ユーザーは安心してサイトを利用できる。
この「反復」は人の脳が“物”を認識する時の識別機能を利用したものである。つまり、脳は“物”をパターンとして認識し区別し、単純化して見るようにできている。“物”を見たときに脳は本能的にパターン化できるものがないか探しているのである。そのパターン化する機能を利用することで、人は物を認識しやすくなり、理解が早まるといえる。デザインのなかにできるだけ、パターン化したもの、グループ化したものをたくさん、「繰り返す」ことが重要な内容となる。
反復とは、デザイン上のある特徴を作品全体を通して繰り返すことである。(図1)は名刺デザインだが反復を使って統一感を出している。例えば、書体はすべて同じ、色相を反復、アイコンを反復、などだ。反復することによりイメージを統一することができる。
(図1)
「反復」とはパターン化することが基本である。パターン化し、その要素を繰り返すことで一貫性を生み出す手法である。色や形、書体、レイアウトなど視覚的に認識できるものなら、何でもよい。繰り返すことで一貫性が生まれる。特に、WEBサイトではユーザーに操作(クリックなど)を促すものの場合、ボタンの色や、大きさや、配置などを繰り返し「反復」することで、ユーザーに、ここが操作できる部分なんだなと感覚的に伝えることができ、使いやすさ、ユーザビリティ向上を図ることができる。
(図2)3ページ、4ページ、5ページと繰り返して行くとWEBサイトのルールがはっきりする。 デザインの中の視覚的な特徴のある何かを何度も繰り返すことで、 ページ全体が整理され、一貫性が保たれ統一された印象づけができる。
この「反復の原則」を使い一貫性あるECサイトを構築し、訪れたユーザーにとって分かりやすく、安心して買い物ができるサイトをデザインしていただきたい。次回は「4.コントラスト」について説明する。