ライブコマースはLive Commerceではない

イメージ画像

昨年から日本のEC界隈で大きな盛り上がりを見せているライブコマース。
当社が運営するLive Commerceとはまったく別物なので、認識を深めていただきたく、その内容をお伝えしたい。
まず、当社のLive Commerceは海外販売のために、自社越境ECサイトを簡単に作成できるプラットフォームである。そして、ライブコマースとはEコマースにライブ放送を掛け合わせたもので、今、Eコマースの新しい手法として注目を集めている。
今回は、これから、利用者が増えるであろうライブコマース事情を見ていこう。

 

●TVでも取り上げられた話題のライブコマースとは?

ライブコマースは既に、アメリカや中国など、海外で成功しているEコマースの新しい手法で、ECにライブ配信動画を掛け合わせたもので、ユーザーはスマートフォンのライブ動画を見ながら、気に入ったらその場で商品やサービスを注文できるECの新しい形態である。
つまり、ライブコマースとはテレビショッピングのインターネット版である。テレビショッピングなので、タレントやその業界の有名人、インフルエンサーを起用することにより、自社製品に対し良い印象を与えることができ、それがダイレクトに商品購入につながり、中国では、2時間で3億円も稼いだ人もいるようで、その可能性は大きいといえる。
日本ではまだこのような、事例は無いが、なぜ、このライブコマースがこのように注目されているのか、そのメリット、特長を次にまとめた。

 

●ライブコマースはEコマースのデメリットをカバーしている

ライブコマースの特長は何と言っても、ライブ動画を見ながら買い物ができるという点だろう。つまり、これまでのECはサイトでは商品のテキストや画像のみで商品の魅力を説明しなければならなかったが、ユーザーはライブ動画により商品の使い方や、商品のメリットを知ることができる。
そのため、ライブ動画はユーザーに対して説得力があり、高い成約率を得ることができる。このライブコマースを使えば、売れない商品は無いとさえ言われている。
下記にライブコマースの4つのメリットをまとめた。

 

1.リアルタイムコミュニケーションは最大のユーザーエクスペリエンスである

ライブコマースでは商品紹介者と視聴者を、インターネットの特性を活かして、双方向コミュニケーションが実現できるのが最大のメリットだ。 ライブ出演者は配信中に視聴者からの質問に答えたり、相手の反応を見ながら説明方法を変えることもできる。
インタラクティブなやりとりは、「その商品を買います!」「ありがとうございます!」などライブ感を演出することで、購買体験を向上させ、企業と顧客のエンゲージメント構築にもメリットがある。

 

2.ECユーザーの商品への不安を取り除ける

ライブコマースでは、ライブ出演者が商品をその場で使って実演することができる。つまり、生ライブテレビショッピングなので商品の品質を特長を実演できたり、ユーザーは不安なところはその場で質問でき、その場で不安を解消できるだろう。
洋服なら、質感や着ごごち、色のバリエーションやサイズがあるか無いかなど実店舗での買い物のように買い物体験ができる。

 

3.人に対する信頼が商品価値を高める

ライブコマースでは視聴者はカメラの前で商品説明を行う「人」に対しても、その出演者が信頼できるかどうかも、判断基準を左右することになる。
有名人やインフルエンサーが、「自分も使っている、この商品は最高だと思います!」といえば、成約率は鰻登りだ。 人気モデルや有名人、インフルエンサーなどの生配信は共感や理解が高まり、購買につながりやすい。

4.ライブ動画を閲覧しながら、数タップで商品を購入できる

ライブコマースではライブ動画で紹介されている商品へのアクセス、購入までのプロセスがスムーズにできている。
例えば、メルカリなど多くのサイトでは動画の下に購入ページへのリンクボタンがあり、興味をもったら、すぐに商品ページに行き詳細を確認し、買おうと思えば、ライブ映像を見ながら、必要項目を入力すれば、簡単に購入することができる。 カード情報が登録されていれば、悩む暇なくその場で、数タップで購入できる。

 

●ライブコマース事例5選

 

メルカリチャンネル

メルカリチャンネル

2017年7月にオープンした「メルカリチャンネル」はフリマアプリ「メルカリ」のライブコマース版だ。 販売されているものはメルカリ同様、洋服、雑貨やコスメが中心で当初は毎日21時から22時の間でのライブ配信であったが、現在では一般ユーザーも配信できるものとなっている。
芸能人がサイン付き商品を販売したり、主婦やOLが着なくなった服など販売する動画など多数配信されている。

 

PinQul

ピンクル画像

東大発ベンチャーのFlattが、2017年10月に開始したライブコマースアプリが「PinQul(ピンクル)」だ。 特徴はInstagramなどで人気のモデルやインフルエンサーが、所有するファッションアイテムや自身でデザインしたブランドアイテムを紹介している。
ライブ配信でアイテムが紹介され、ライブ感覚のコミュニケーションを取りながら、商品を購入することができる。

 

SHOPROOM

ショップルーム画像

「SHOPROOM」はアイドルやタレント、モデルなどの有名人が生放送ストリーミング配信が中心のアプリである。 タレントやモデルによる配信が中心となっており、過去には芸能人がドラマで着用した商品を紹介したり、話題性のある商品を扱っている。

 

Live Shop!

ライブショップ画像

日本におけるライブコマースの先駆け的存在の「Live Shop!」は「ライブ配信 × コマース × インタラクティブ」をコンセプトとして、コーディネイトの提案、メイクのポイントなどライブ配信しながら、商品の購入を促すアプリである。
商品を直接的にPRをするというより、メイク術やファッションコーディネイト術などノウハウ色の強い動画が多く配信されている。

 

BASE LIVE

ベースライブ画像

プラットフォームBASEを運営するBASE株式会社が、2017年9月から提供を開始したのが「BASE LIVE」である。 特徴はBASEに出店しているショップが、ライブ配信を通じて商品紹介ができ、ショップをフォローしているユーザーとリアルタイムで双方向コミュニケーションが可能なっているところである。
対象は、BASEを利用する40万店舗と、ショッピングアプリを利用する300万人のユーザーだ。

 

●企業も導入し始めたライブコマース

今年に入って、日本のファッション企業などライブコマースを活用した販売を行っている目立っている。 パルコはライブコマースアプリの「Live Shop!」と連携して人気インフルエンサーが福岡パルコのショップを巡り、商品紹介のライブ動画を配信し、購買につなげている。
また、セブン&アイ・ホールディングスも「Live Shop!」のライブコマース機能でEC「オムニセブン」で商品を紹介した。
KDDIのライブコマースは、テレビショッピングの商品紹介でノウハウを学んだ若手俳優4人が、テレビ番組とECサイト「ワウマ」のライビコマースで商品を販売し、売れ行きを競い合う企画を行った。

 

●なぜAmazonは撤退したのか?

Amazonは2016年3月から双方向テレビショッピングスタイルの「Style Code Live」を開始したが、2017年7月で終了した。
この時の視聴者数や、売上などは開示されていないので、なんとも言えないが、売上が上がらなかったことが示唆される。 ただ、Amazonは世界最大のゲーム実況配信プラットフォームTwitchを買収しており、ライブ配信プラットフォームを持っているので、市場投入のタイミングを図っているのかもしれない。
Amazonの撤退=失敗ではないのだろう。 Amazonはこのまま活発化するライブコマース市場を放置することはないだろう。ライブコマースの”experience感”をどのような形で再提案するのか楽しみである。

 

●まとめ

これまで、見てきたように当社の運営するLIve Commerceとライブコマースは全く別物だということがお解りいただけただろう。 ライブコマース市場には昨年、たくさんのプラットフォームが生まれ、運用されるようになった。プラットフォームには、それぞれに特徴もあり売られている商品やサービスも異なっている。今は黎明期でまだまだ、移り変わりが激しいシェア争いが続いている。
また、売りたい商品をライブコマースで配信するには、どのプラットフォームで配信すれば、よく売れるのかその相性を見極める必要があるだろう。 ライブコマースはインフルエンサーやタレントや有名人の起用により、ユーザーの「共感」「憧れ」を誘発し、商品購入意欲のある若者層へアピールが有効で、今後はますます、新たな消費行動を刺激することだろう。

 

記事出典:

 

関連する記事

JANコードが海外販売に有利な理由 店舗で売られている商品には必ず、商品パッケージに必ずバーコードがついている。 バーコードと呼ばれている、縞模様と数字で表されいる表記は商品を管理するためのコードである。 これをレジで店員がコードリーダーで読み取ることで、その商品の情報や売れた時間、個数などが記録され、POSシステムをはじめ...
中国新興EC「拼多多」にみる新時代のマーケティング戦略とは... 新型コロナ禍が沈静化しつつある中国では、既に経済活動が回復しつつある。中国は第二波の感染拡大を最小限に抑えるために鎖国状態による厳格な対策が取られている。 そのような中、今、コロナ禍によるオフライン消費からオンライン消費への一層の移転が進行している。特に生鮮食品のオンライン販売が大きく伸び...
2018年の日本のEC市場規模は緩やかに上昇... 今回は、以前のブログに引き続き、経済産業省の「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」報告書に基づき、日本国内のEC市場の状況を中心にまとめた。 報告書によると、2018年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、17兆9,845億円となっている。この数字は2017年比、8...
ECサイトに必須のEC接客機能とは ECサイトの機能で接客機能で代表的なものは何か、ご存知でしょうか? 「この商品を買った人は、こちらの◯◯も買っています」など、訪問ユーザーへお薦め商品情報を提案するレコメンド機能がそれにあたります。 「レコメンドエンジン」はウェブ上の接客と言われ、訪問者の購買や行動履歴に基づき、ユーザー...
2016年、日本のEC市場はどうだった? 今回も前回に引き続き経済産業省から2016年の「我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」報告書に基づき、国内のEC市場を中心にまとめてみた。 報告によると、日本国内のBtoC-EC市場規模は、15兆1,358億円。前年より9.9%増加したとしている。 各分野では物販系分野で8兆43...
グーグルが爆発的成長を予測するインドネシアのEC市場... インドネシアのEC市場は2018年の270億ドルから、2025年までに3倍の1000億ドルに達し、東南アジア最大の市場なると予測されている。 この予測は、米グーグルによる調査が発表したものだが、内容によると次のインドネシアの4分野について大きく成長すると予測している。 ひとつ目は、Eコマ...

タグ: ,

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ