
ここ数年、Googleが重視するアップデートやSEO対策に関連するものの多くはスマホに関係している。
モバイルフレンドリーやMFI(モバイル ファースト インデックス)、6月から始まったCore Web Vitals(コアウェブバイタル)などは、いかにユーザーにとってスマホが快適に機能し、ユーザーの目的達成を速く行えるかが、重要となっている。
今年3月からはMFIに徐々に移行され、Googleの検索ランキングは、「スマホサイト」優先となりつつある。
ECサイトもパソコンからスマホへ、商品の購入がシフトしている現在、EC運営者が行わなければならないことは、スマートフォンを使って自社ECサイトで快適に商品購入できるかどうかの検証を行って見ることだろう。
今回は、スマホ版ECサイトにとって最も重要視される「検索窓」についてまとめた。
今年6月18日、総務省は、2020年8月末に行った、世帯及び企業における情報通信サービスの利用状況等について調査した「通信利用動向調査」の結果を公表した。
それによると、スマートフォンを保有している世帯の割合は、86.8%と堅調に伸びており、個人の保有割合も増加傾向にある。
一方、携帯電話・PHSの保有状況は減少傾向が続いている。

また、2021年5月公表のアドビの「Digital Economy Index」によると、日本のオンライン小売店への訪問については、前年同期比で19%増であり、売上高の61%はスマートフォン経由での購入となっている。
スマホECでの購入が最も高いのは英国やアメリカより、日本がトップという結果は意外であった。
スマホ経由で年代別で多いのは、ミレニアル世代で65%、X世代(Gen X)で48%と、特に若年層がスマホECから購入が高い傾向にあるようだ。

ユーザーは商品購入時、ECのサイトにアクセスした際、どのように商品を購入するのだろう。
NTTレゾナント株式会社が2020年3月に行ったスマホEC調査内容によると、欲しい商品を購入するときの最初の行動として、最も多いのは、「カテゴリを辿る」(43.9%)で、次に「キーワード検索」(29.7%)となっており、両者で7割と大半を占めている。
スマホECでは、ほとんどカテゴリ検索メニューはないので、「キーワード検索」の性能が重要なポイントと言える。

大手ECモールのスマホサイトを見ると、ファーストビューに検索窓を大きく設置し、ページをスクロールすると検索窓が追従する仕様になっている。
これは、スマホECサイトにおいて「検索窓」が非常に重要であることを意味している。
そして、スマホの場合この検索窓で商品のキーワードを入力し、商品を探すわけだが、通勤途中の電車内であったり、仕事の休憩時間であったり、その検索シチュエーションもさまざまである。
さまざまな利用シーンでも、効率よく商品を探せる機能が「検索窓」になければならない。
この検索窓に必要な機能は、優秀なサジェスト機能である。
サジェスト(suggest)とは、言葉通り「提案する」という意味である。
例えば、冷蔵庫を探していて、「冷」と入力するだけで「冷蔵庫」、「冷凍庫」、「冷風扇」など、ユーザーがキーワードに続いて入力するであろう意図を汲み取り、自動的に提案する機能である。
サジェスト機能は、ユーザーの検索意図を汲み取り、適切な内容を表示できるよう最適化する必要がある。
サジェスト機能の向上がユーザー体験、満足度の向上に繋がり、良いサジェストは離脱率を抑え、CVRを高めることができるだろう。
ここでは、有効なサジェスト機能、「表記のゆれに対応する」、「タッチサジェスト」、「リッチサジェスト」を解説する。
「表記ゆれ」とは、ある単語を入力する際、複数の書き方が存在することである。
日本語には、「ひらがな」「カタカナ」「漢字」さらに「アルファベット」と多数の表記があり、日本語は入力に際し表記のゆれが起こりやすい。検索窓は、これら表記ゆれに対応した検索サジェストであるべきだろう。
また、スマホECサイトで検索を使う場合、片手で入力し誤字があったり、ブランド名もうろ覚えで入力することがある。このような場合でも、検索サジェストが対応していれば、「ヒット数ゼロ」となることはない。
スマホに特化したサイト内検索機能として「goo Search Solution」が提供する「タッチサジェスト」がある。
ユーザーが検索窓にキーワードを入力すると、ECサイト内でそのキーワードに関係する多いファセット情報(絞り込み条件)が自動的に表示されるのが、「タッチサジェスト」である。
この「タッチサジェスト」機能は、ユーザーが片手で操作し、どのようなワードで絞り込みワードを入力してよいか迷ったときに、絞り込みワードをアシストしてくれるものだ。

「リッチサジェスト」は、「神戸デジタル・ラボ(KDL)」が提供するサジェスト機能で、サジェストされたキーワードに紐づく検索結果の商品名や商品画像、価格を表⽰するもの。
サジェストがワードだけではなく、ワードに紐づく商品画像や情報も表示するのが特徴である。
リッチサジェストの視覚的な訴求によるサジェストは、ユーザーがスマートフォンのような小さな画面でも直感的に操作し、簡単に目的の商品詳細ページにたどり着けるようアシストする有効なものである。

2020年のスマホECサイト「日用品・家電編」で「ビックカメラ」のスマホECサイトが、最もユーザビリティが高いと評価された。2位は楽天、3位はAmazonとなっている。
得点も78.4と高評価である。高評価となった「ビックカメラ」、スマホECサイトの要因は、閲覧履歴に応じた商品のおすすめ機能や商品カテゴリごとのランキングをトップページに掲載されているところである。
そして、スマホECサイト初心者にもわかりやすい、検索サジェスト機能であり、Amazonには無いカテゴリー別一覧ページから、目的の商品に到達しやすい点である。
特に検索サジェスト機能の絞り込み内容はAmazonなどよりわかりやすく設計されている。

今やEコマースで利用されるデバイスはスマホが中心となっている。ECサイトもスマホを中心にデザインを構築しなければならない時代なのである。
そして、スマホユーザビリティの設計で重要なのが、検索窓の位置と機能である。検索窓機能としてのサジェスト機能を改善・最適化することで、ユーザーに快適な形でサイト情報を提供し、さらにサイトCVRを高めることができると言える。