
新型コロナ以降、ECサイトから商品を購入する機会は格段に増加し、ECサイトを構築し新たな事業の柱とする事業者も増加している。
事業者が増加すると、Eコマースブランドが乱立し、独立系ECサイトは激しい競争にさらされ、新規顧客を獲得することは難しくなり、新規顧客を獲得することが重要な目標となるだろう。特に高額商品を販売するECサイトならなおさらだ。
新規顧客の獲得には、ECサイトの内容で消費者の「信頼」を得ることが大きなポイントととなる。
特に越境ECなどの場合、海外ユーザーは「この商品は本物か」、「詐欺サイトではないか」、「商品は届くのか」など、不安材料は多い。
ネットショップではまず、トップページからしっかりとした信用に値する、安全、安心なサイトであることを明確に示す必要がある。
今回は、信用されないECサイトとどのようなサイトか、安全、安心なECサイトには何が必要かなどをまとめた。
結構、できていないECサイトがあるので、自社ECサイトを一度確認してみると良いだろう。
「ECサイトで注文をためらう理由は?」について調査内容によると(下図)、まず大きく割合を占めているのが、運営者不信(44.41%)である。次に多いのが、商品情報の不足 (40.37%)、さらに、送料がかかる(20.18%)、情報入力が面倒(4.40%)となっている。

ここでは、運営者不信と商品情報不足について解説する。
運営者情報がサイト上から読み取れないというのは、致命的だ。
トップページに「問い合わせ」や「会社概要」のメニューがない場合、メニューにあっても遷移したページに詳細に内容が掲載されていなかったりすると、不信感を抱いてしまうだろう。
さらに、決済画面でカード決済のみ決済方法の場合など、明らかに情報漏えいに繋がりかねないという不安になる。
ECサイトには企業情報をしっかり明記し、運営者やスタッフの顔が見える透明性が必要である。
商品情報をどこまで掲載するかは、難しいところではあるが、その基本的には下記内容が必要だろう。
である。また、コンテンツとして商品の使用感などを示した動画を挿入することで、売上が大きく向上したというECサイト例も多い。
もともと、ブランド力のあるECサイトなら問題はないが、ブランド力のない事業者がECサイトを新しく構築し、ECサイトを運用するために必要なのは、安全、安心なECサイトであるいうことである。
それには、「トップページ」、「商品詳細ページ」、「決済ページ」において、注意しなければならないポイントがある。以下にその内容を整理した。
トップページはECサイトの「エントランス」である。
新規顧客にとっては極めて重要であり、トップページを見て、このショップで買ってみたいという「安心、安全」をしっかり謳うことがポイントだ。
まずは、URLはhttps://から始まること、これはSSL/TLSの存在を示し、サイトがHTTPを介して接続していることを示すものだ。
httpsは訪問者のブラウザとサーバー間で送信されるデータが確実に暗号化されていることを示している。
また、ECサイトではトップページの表示スピードが早い、スマホ対応している、ブランドビジュアルがきれい、カテゴリーが分けがしっかりしているなどあるが、特に重要なのが、お問い合わせメニュー、企業概要(About Us)メニューなど、以下の項目である。
※「特定商取引法」とは、訪問販売や通信販売などを利用する消費者を守るための法律。
ECサイトでは、通信販売に関する業務の責任者の氏名(名称)、住所、電話番号、電子メールアドレスを明記することなどが盛り込まれている。
トップページで得た信用度を更にアップさせるのが、商品詳細ページである。商品内容やサービスについて率直に説明することが求められる。
重要なポイントとして、以下の6つの内容について説明する。
商品説明は簡潔であり、商品スペックや機能、メリット、ベネフィットを強調した内容にすべきである。
商品の信頼やECブランドの信頼は、お客様の声の掲載することである。更にソーシャルプルーフなど掲載されていれば、さらに強化されるだろう。
商品の在庫情報は商品ページに明確に記載し、在庫切れの場合は再入荷通知を受け取ることができるようにしなければならない。
消費者がチェックアウトの際に高額な送料に驚かないように、商品ページは税金、配送料、手数料、キャンペーンなどの項目について、透明性を高めておかなければならない。
配送にかかる時間についても、商品ページに記載し諸事情で発送が遅れる場合もその理由を明記し、発送予定日を伝えること。
トラストバッジは信頼度を築く最善の方法である。
トラストバッジは決済ページで見つけることが多いが、商品ページにそれらを配置することで、より信頼性が高まるだろう。
トラストバッジはノートンやマカフィーなど、セキュリティが安全でることを示すものや、配送/支払いバッジ、返金保証バッジなどある。
トラストバッジを使用すると、コンバージョン率が40%も向上することが指摘されていいる。

セキュリティ関連のSapio社が手がけた調査では、5つの国すべてで44%の消費者が「チェックアウトが複雑すぎる」「時間がかかりすぎる」という理由でオンラインでの商品購入を断念したと回答している。
シンプルな決済システムを提供することは、ユーザーの離脱防止にとなる。
チェックアウト時に商品配送料、税金、その他の費用が示されることが、最も離脱する原因となっている。
現在では、クレジットカード番号を入力しなくても購入できる、デジタルウォレットによる支払い方法を提供することが選択種としてなくてはならない。
また、昨今、オーストラリアやアメリカなどの市場で人気が高まっている、BNPL(後払い決済)の導入も検討するとよいだろう。
新規顧客が自社ECサイトに来ているが、離脱してしまう。商品は見ているものの購入されないなど、ECサイトの信頼度が足りないのかもしれない。
顧客データ保護をしっかり行っていることと、ECサイトの事業者情報を詳細に示すこと、商品価格以外の配送料、課税、配送予定日、返品などの透明性がポイントである。
参考: