2025年、オンライン決済大手のStripe(ストライプ)が、暗号資産の一種である「ステーブルコイン」を使った決済に本格対応し、注目を集めています。
ステーブルコインとは、米ドルなどの法定通貨と価格が連動している暗号資産です。ビットコインのような価格変動が少ないため、決済や送金に適しており、実用性の高いデジタル通貨として注目されています。
Stripeは2024年、暗号通貨決済への本格的な再開を発表し、その第一歩として「USDC(USD Coin)」のサポートを開始しました。USDCは、米国の企業「Circle」が発行しており、1USDC ≒ 1ドルという安定した価値を保っています。
Stripeのシステムを利用することで、オンラインショップや企業はUSDCでの支払いを受け付け、受け取ったUSDCは即座に米ドルに換金することが可能です。対応するブロックチェーンはEthereum、Solana、Polygonなどで、取引のスピードも非常に優れています。
2025年にはさらに進化し、世界100カ国以上でステーブルコインを使った決済と送金が可能になりました。これにより、銀行口座を持たない人々でも、USDCやUSDBといったステーブルコインを保有し、送金できるようになります。
特に、銀行インフラが十分に整っていない新興国や、為替変動のリスクが高い地域において、ステーブルコインは安全で便利な資産の保管・送金手段として期待されています。
2025年4月、StripeはVisaとの連携を発表し、ステーブルコインに対応したVisaカードの発行を開始しました。このカードにUSDCなどのステーブルコインをチャージすることで、世界中のVisa加盟店で通常のクレジットカードと同様に支払いができます。支払い時には自動的に法定通貨に変換されるため、利用者は特別な操作を意識する必要はありません。これにより、ステーブルコインは「貯める・送る・使う」のすべてをカバーする、実用的な決済手段へと進化を遂げつつあります。
Stripeは、ステーブルコイン決済の普及と並行して、AI(人工知能)を活用した不正検出システムを強化しています。数百のデータポイントから不審な取引を検出することで、クレジットカードの不正利用やハッキング被害のリスクを大幅に減らしています。
Stripeのデータによると、このAIモデルの導入により、過去2年間で80%以上の不正取引が削減されたとのことです。。
世界では現在、約2億人以上が何らかの暗号資産を保有していると言われています(Statista 2024年調査)。中でも、ステーブルコインの市場規模は急速に拡大しており、2023年には約1300億ドル規模だったステーブルコイン市場は、2025年には2000億ドルを超えるとの予測が出ています(CoinMarketCap調べ)。
Stripeのようなグローバル企業がこの分野に本格的に参入することで、暗号通貨は単なる「投資対象」から、私たちの「日常的な決済手段」へと大きな転換期を迎えています。
Stripeは、独自のステーブルコインの開発も視野に入れており、将来的にはより柔軟な国際送金や、Web3(分散型インターネット)に対応した金融サービスの拡充を目指していると見られています。現在、X(旧 Twitter)はクリエイター収益プログラムにStripeを導入しており、Stripeがサポートされている国であれば、クリエイター報酬の受け取りが可能です。今後、Stripeによるステーブルコイン決済が普及した場合、Xにおけるクリエイター報酬の支払いにおいても、よりスムーズかつ低コストなグローバル展開が期待されます。
さらに、PayPalやBank of Americaといった大手企業もステーブルコイン市場への参入を表明しており、今後数年のうちに、国際送金やデジタル決済のあり方が大きく変わる可能性があります。
Stripeがステーブルコインに本格対応したことで、誰もがより早く、より安全に、より安定した通貨で支払いや送金ができる時代がやってきました。これまでの「暗号通貨=難しい」というイメージは変わりつつあり、2025年は、暗号資産が本当の意味で「日常に使われる年」になるかもしれません。
このようなステーブルコインの普及は、越境ECにとっても大きな追い風となるでしょう。為替手数料や決済の遅延といった課題が軽減され、世界中の顧客との取引がこれまで以上にスムーズかつ手軽に行える環境が広がりつつあります。
今後もStripeやステーブルコインの動向に要注目です!
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