
近年、日本の伝統的なファストフードである「おむすび」が海外で注目を集めています。和食は、以前から、世界的に人気が高く、お寿司や天ぷら、ラーメン、お弁当なども、外国人に広く受け入れられていますが、その中でも、最近は「おむすび」が話題になっています。
特にフランス・パリでは、おむすび専門店が人気を集め、多くの人々に親しまれています。日本国内で約50店舗を展開する「おむすび権米衛」は、パリでのおむすびブームの火付け役となり、現地でのおむすび人気を定着させた代表的な店舗のひとつです。
「おむすび権米衛」は、2017年11月にパリ・オペラ地区にヨーロッパ第1号店をオープンしました。同じ頃、日本でも人気のパティシエ、ピエール・エルメ氏が東京・大塚のおにぎり専門店「ぼんご」を訪れ、料理雑誌『dancyu』にて「寿司の次はおにぎりだ!」と語ったことも話題になりました(2018年)。それから約7年が経ち、現在では、パリ・オペラ地区の「おむすび権米衛」には連日行列ができるほどの盛況ぶりです。

おむすび権米衛の成功への3つの秘訣
おむすび権米衛の成功の背景には、以下の3点が挙げられます。
1.新鮮で美味しいお米の提供
日本の契約農家から玄米を輸入し、店舗内で精米することで、新鮮で美味しいお米を提供していること。
2.現地に合わせたメニュー開発
定番の紅鮭やツナマヨに加え、パリ限定の「しそとたくあん」や「トマトとオリーブ」など、現地の食文化に合うメニューを取り入れていること。
3.健康志向への対応
健康志向の高いフランス人にも受け入れられるように、玄米やヴィーガンやベジタリアン向けの具材を取り入れることで、多様な食文化に対応していること。
おむすび権米衛はアメリカでも積極的に展開しており、 ニューヨーク店では、スパイシーツナやスパイシーチキンなど、アメリカ人の嗜好に合わせたメニューが人気を博しています。特に、忙しいビジネスパーソンや健康志向の高い若者に支持され、ランチタイムには行列ができることも珍しくありません。

ここまで「おむすび権米衛」の例を紹介しましたが、他の国やおにぎり専門店の状況も見てみましょう。
シンガポールでは、2014年に「SAMURICE」がオープンし、日本産の米を使用したおむすびを提供しています。 同店は、日本の伝統的な味を守りつつ、現地の人々にも親しまれる味付けを工夫しています。また、シンガポールの高温多湿な気候を考慮し、保存方法にもこだわり、安全で美味しいおむすびを提供していることが特徴です。
ベトナム・ホーチミンでは、2016年に「東京むすび」が開店し、現地のジャポニカ米を使ったおむすびを販売しています。ベトナムの食文化に合わせた具材や味付けを取り入れ、例えば、ベトナムで人気のバインミー(フランスパンのサンドイッチ)の具材を応用したおむすびなどが話題を呼び、地元の人々にも広く受け入れられています。
おむすびが世界で受け入れられている理由は、日本の伝統的な味と現地の食文化をうまく融合させている点にあるようです!
「おむすび権米衛」は、フランスやアメリカでの成功を受け、ドイツやイギリスへの進出も視野に入れています。ポップアップ店で市場の反応を見ながら、今後の実店舗展開を計画しているとのことです。
おむすびは、その手軽さと健康的なイメージから、海外でも広く受け入れられています。 特にパリでは、「おむすび権米衛」の進出後、おにぎり専門店の出店が相次ぎ、最近では、スーパーマーケットにもおにぎりが並ぶようになりました。
このおにぎりブームは、フランスからアメリカ、そしてさらに他の国へと急速に拡大しており、今後の市場拡大にも大きな期待が寄せられています。
これらの事例は、日本の伝統的な食文化が国境を越えて愛される可能性を示しており、他の企業にとっても海外進出のヒントとなるでしょう!
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