
EMSの料金は高い?安く抑える割引制度の利用と注意点を解説
海外へ荷物を送る際、「EMSの料金は高い」と感じている方も多いのではないでしょうか。EMS(国際スピード郵便)は日本郵便が提供する国際速達サービスで、追跡機能や補償が標準で付帯するため、他の国際郵便サービスと比べて料金が高めに設定されています。しかし、料金の仕組みを正しく理解し、割引制度や梱包の工夫を活用すれば、コストを10〜30%程度抑えられる場合もあります。
本記事では、EMS料金の基礎知識から計算方法、決定要因、節約方法、他サービスとの比較まで、実践的な情報を詳しく解説します。越境ECや個人輸出を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
EMS料金を理解するためには、まずサービスの特徴と料金体系の基本を把握することが重要です。ここでは、EMSのサービス概要から料金表の読み方まで、基礎的な知識を解説します。
EMSは「Express Mail Service」の略称で、日本郵便が提供する国際スピード郵便サービスです。世界120以上の国と地域に対応しており、書類から商品まで幅広い荷物を迅速に届けることができます。
EMSの最大の特徴は、スピードと信頼性の高さにあります。アジア圏であれば最短で翌日、アメリカやヨーロッパでも通常2〜5日程度で届くため、急ぎの荷物に最適です。また、すべての荷物に追跡番号が付与され、配送状況をリアルタイムで確認できます。
補償面でも充実しており、最大2万円(実損額)までの損害賠償が無料で付帯します。さらに、追加料金を支払えば最大200万円まで補償額を引き上げることが可能です。このような付加価値があるため、他の国際郵便サービスと比べて料金が高く設定されています。
EMS料金は、主に「基本料金」「追加サービス料金」などで構成されています。基本料金は荷物の重量と届け先の地域によって決まり、この部分が料金の大半を占めます。
追加サービス料金には、保険金額の増額や配達証明、特別取扱いなどが含まれます。これらは任意で選択できるオプションですが、高額商品を送る場合や確実な配達確認が必要な場合には利用を検討するとよいでしょう。
燃油特別付加運賃は、原油価格の変動に応じて適用される追加料金です。この料金は定期的に見直されるため、発送時期によって総額が変わることがあります。見積もり時には最新の適用率を確認することが大切です。
日本郵便の公式料金表は、縦軸に重量、横軸に地域を配置したマトリクス形式になっています。地域は「第1地帯(アジア)」「第2地帯(オセアニア・北米・中米・中近東)」「第3地帯(ヨーロッパ)」「第4地帯(南米・アフリカ)」などに分類されています。
料金を確認する際は、まず荷物の総重量を計測し、次に届け先の国がどの地帯に該当するかを確認します。該当する重量と地帯が交差するセルの金額が基本料金となります。
重量は100g単位で区切られているため、わずかな重量差で料金が変わる場合があります。たとえば、荷物が605gの場合は700gの料金区分が適用されます。梱包時には重量を意識することで、無駄なコストを抑えられます。
EMSでは、安全性や法規制の観点から発送が禁止されている物品があります。代表的なものとして、危険物(引火性液体、爆発物)、生鮮食品、動植物、医薬品、現金・貴金属などが挙げられます。これらを誤って発送した場合、返送や没収となり、支払った料金は原則として返金されません。
また、届け先の国によっても禁制品が異なります。たとえば、アルコール類や食品は多くの国で輸入規制があり、税関で止められるリスクがあります。発送前には、日本郵便の公式サイトや届け先国の税関情報を必ず確認してください。
禁制品に該当しない場合でも、商品によっては関税や輸入税が発生します。これらの費用は原則として受取人が負担するため、事前に受取人へ説明しておくことがトラブル防止につながります。
正確なEMS料金を把握するためには、計算方法を理解しておく必要があります。ここでは、重量や目的地による料金区分から、追加料金の種類、具体的な計算例までを詳しく説明します。
EMSの料金は重量によって細かく区分されています。500gまでは比較的細かい区分で設定されており、500g以降は重量が増えるにつれて段階的に料金が上がっていきます。最大で30kgまでの荷物を送ることができます。
重量区分の例として、アジア圏への発送の場合を見てみましょう。600gまでが約2,150円、700gまでが約2,400円、800gまでが約2,650円というように、100gごとに250円程度ずつ上がっていきます。重量が増えるほど、1gあたりの単価は下がる傾向にあります。
重量計測は梱包後の総重量で行われます。商品そのものの重さだけでなく、段ボール、緩衝材、テープなどの梱包材も含まれるため、事前に梱包した状態で計測することが重要です。郵便局には計量器が設置されているので、窓口で正確な重量を確認できます。
EMSの料金は届け先の国によって大きく異なります。日本郵便では、世界の国と地域を4つの地帯に分類しており、それぞれ料金体系が異なります。同じ重量の荷物でも、届け先によって料金が2倍以上変わることもあります。
主な地帯分類と代表的な国は以下のとおりです。
料金を確認する最も確実な方法は、日本郵便の公式サイトにある料金計算ツールを利用することです。届け先の国名と荷物の重量を入力するだけで、正確な料金が表示されます。
EMSには重量制限だけでなく、サイズ制限も設けられています。最大サイズは「長さ+周囲」が3m以内、かつ長さが1.5m以内と定められています(国により異なる場合あり)。このサイズを超える荷物はEMSでは発送できません。
サイズの測定方法は、まず荷物の最も長い辺を「長さ」とし、その長さに対して垂直な断面の周囲を「周囲」として計算します。たとえば、縦30cm×横20cm×高さ15cmの段ボールの場合、長さは30cm、周囲は(20+15)×2=70cmとなり、長さ+周囲は100cmです。
EMSでは「容積重量」という概念は採用されていないため、実重量のみで料金が決まります。ただし、大きすぎる荷物は取り扱いが困難になるため、規定サイズ内に収めることが必要です。コンパクトに梱包することで、取り扱いもスムーズになります。
EMS料金には、基本料金以外にもさまざまな追加料金が発生する場合があります。主な追加料金の種類を把握しておくことで、正確な発送コストを見積もることができます。
保険料は、無料で付帯する2万円の補償額を超えて補償を受けたい場合に必要です。追加保険料は50円単位で加入でき、最大200万円まで補償額を引き上げられます。高額商品を送る際には、追加保険への加入を検討するとよいでしょう。
配達証明は、相手に届いたことを証明する書類を取得できるサービスです。ビジネス用途で確実な配達記録が必要な場合に利用されます。また、特定の国や時期によっては、燃油特別付加運賃や取扱料が加算されることもあります。
実際にEMS料金を計算してみましょう。たとえば、重量2kgの荷物をアメリカに送る場合を想定します。2026年1月時点の料金表によると、アメリカ宛ての2kgまでの基本料金は約6,860円です。
同じ2kgの荷物でも、届け先がアジア(韓国・中国など)の場合は約4,650円、ヨーロッパ(イギリス・フランスなど)の場合は約5,900円と、地域によって料金が異なります。届け先の地帯を確認することで、大まかな予算を立てられます。
さらに、追加保険に加入する場合は保険料が上乗せされます。たとえば、10万円の商品を送る際に全額補償を希望する場合、2万円を超える8万円分の追加保険料として約100円程度が加算されます。発送前に日本郵便の料金計算ツールで正確な金額を確認することをおすすめします。
EMS料金がどのように決まるのかを理解することで、コスト削減のポイントが見えてきます。ここでは、料金に影響を与える主な要因について詳しく解説します。
EMS料金に最も大きな影響を与えるのが発送重量です。重量が増えるほど料金は上がりますが、その上がり方は一定ではありません。軽量の荷物ほど重量あたりの単価が高く、重量が増えるにつれて単価は下がる傾向にあります。
たとえば、アメリカ宛ての場合、600gまでは約4,180円ですが、1kgまでは約5,580円です。400gの差で1,400円の料金差があり、1gあたり約3.5円の追加となります。一方、10kgから11kgの1kg増加では約2,400円の差となり、1gあたり約2.4円です。
この料金構造を理解すると、複数の荷物を同梱して発送するメリットが見えてきます。2つの500gの荷物を別々に送るより、1kgにまとめて送る方が総額を抑えられる場合があります。ただし、まとめることで重量区分が上がり、逆に高くなるケースもあるため、計算して判断することが大切です。
届け先の国がどの地帯に分類されるかによって、料金は大きく変わります。一般的に、日本から近い国ほど安く、遠い国ほど高くなりますが、必ずしも距離だけで決まるわけではありません。
アジア圏は最も安い料金設定になっており、中国や韓国、東南アジア諸国への発送コストは比較的抑えられます。一方、南米やアフリカは最も高い料金区分に分類されており、同じ重量でもアジア圏の2倍以上の料金がかかることがあります。
越境ECでターゲット市場を選定する際には、この地域別料金の違いも考慮に入れる必要があります。配送コストが商品価格に上乗せされることを考えると、アジア市場は価格競争力を維持しやすいといえるでしょう。
EMSでは容積重量は採用されていませんが、梱包形状は間接的に料金に影響します。大きな段ボールを使用すると、空間を埋めるための緩衝材が増え、結果的に総重量が増加するためです。
適切なサイズの梱包材を選ぶことで、緩衝材の使用量を最小限に抑えられます。商品に対して大きすぎる段ボールは避け、商品がちょうど収まるサイズを選びましょう。専用の梱包箱を用意するか、段ボールをカットして調整することも有効です。
また、不規則な形状の商品は梱包に工夫が必要です。角があるものや壊れやすいものは、適切な緩衝材で保護しながらも、過剰な梱包にならないよう注意しましょう。軽量の緩衝材(エアキャップなど)を選ぶことで、重量増加を抑えることができます。
EMSには無料で最大2万円までの損害賠償が付帯していますが、この金額を超える補償が必要な場合は追加保険に加入する必要があります。追加保険料は補償額に応じて段階的に設定されています。
追加保険の料金は、補償額2万円を超える金額に対して一定の料率で計算されます。たとえば、50万円の商品を送る場合、48万円分の追加保険料が発生します。料率は比較的低く設定されているため、高額商品を送る際には加入を検討する価値があります。
ただし、すべての商品に高額の保険をかける必要はありません。商品の価値と保険料のバランスを考え、本当に必要なケースにのみ追加保険を利用することで、全体のコストを最適化できます。商品価値が2万円以下の場合は、無料の補償で十分対応できます。
EMSは確かに他のサービスより料金が高めですが、工夫次第でコストを抑えることができます。ここでは、実践的な節約方法を紹介します。
料金節約の基本は、荷物の軽量化です。商品そのものの重さは変えられませんが、梱包材を見直すことで総重量を減らすことができます。わずか100gの軽量化でも、料金区分が下がれば数百円の節約につながります。
段ボールは意外と重量があります。一般的な宅配便用の段ボールは200〜500g程度あり、より軽量な素材に変更するだけで大きな効果が得られます。薄手の段ボールや、商品に応じてクッション封筒を使用することも検討してください。
緩衝材も軽量なものを選びましょう。新聞紙や紙パッキンは安価ですが重量が嵩みます。エアキャップ(プチプチ)やエアピロー(空気クッション)は軽量で保護性能も高いため、おすすめです。また、商品を固定する際には、テープの使用量を必要最小限に抑えることも効果的です。
同じ届け先に複数の荷物を送る場合、同梱発送によってコストを削減できる可能性があります。EMSの料金体系では、重量が増えるほど1gあたりの単価が下がるため、まとめて送る方が効率的なケースが多いです。
同梱発送が有利になる基準として、まず両方の荷物を合計した重量が、次の料金区分を大きく超えない場合が挙げられます。たとえば、500gの荷物と400gの荷物がある場合、別々に送ると600g区分×2になりますが、同梱すると1kg区分で済みます。
ただし、同梱することで重量区分が大きく上がる場合は、別々に送った方が安くなることもあります。必ず両方のパターンで料金を計算し、比較してから判断しましょう。日本郵便の料金計算ツールを活用すれば、簡単に比較できます。
日本郵便では、一定の条件を満たす利用者に対して割引制度を設けています。継続的にEMSを利用する事業者であれば、これらの制度を活用することで大幅なコスト削減が可能です。
「EMS特別割引」は、年間の利用頻度が高い法人や個人事業主を対象とした制度です。年間の発送件数や金額に応じて、数%〜最大20%程度の割引が適用される場合があります。申請には所定の手続きが必要なため、最寄りの郵便局の法人窓口で相談してください。
アメリカ宛ての荷物には「UGX米国あて特別運賃」が利用できる場合があります。個人宅向け限定ですが、EMSより安価になるケースがあるため、条件に合致する場合は積極的に活用しましょう。詳細は日本郵便の公式サイトで確認できます。
最も確実な節約方法は、複数の発送オプションを比較検討することです。EMSだけでなく、国際小包やeパケット、民間の国際宅配便なども含めて比較し、最適なサービスを選びましょう。
比較検討の手順として、まず荷物の重量とサイズを正確に計測します。次に、日本郵便の料金計算ツールでEMS、国際小包(航空便・船便)、eパケットの料金をそれぞれ確認します。さらに、ヤマト運輸やDHL、FedExなどの民間サービスの料金も調べます。
料金だけでなく、配送日数、追跡の有無、補償内容、届け先での通関手続きなども考慮して総合的に判断することが大切です。急ぎでない荷物であれば、少し時間がかかっても安価なサービスを選ぶことで、大幅なコスト削減が可能です。
EMSの料金が高いかどうかを判断するには、他のサービスと比較することが重要です。ここでは、代表的な国際配送サービスとの料金差や特徴の違いを解説します。
日本郵便の国際小包(航空便)は、EMSよりも安価に利用できる選択肢です。追跡機能や補償は付帯しますが、配送速度がEMSより遅くなる点が主な違いです。
たとえば、アメリカ宛てに2kgの荷物を送る場合、EMSが約6,860円に対して、国際小包(航空便)は約5,500円程度です。約1,300円の差額がありますが、配送日数はEMSの3〜5日に対して、航空便は1〜2週間程度かかります。
急ぎでない荷物や、コストを優先したい場合には、航空便を選択することで20%程度の節約が可能です。ただし、配送日数が長くなることで、商品の劣化リスクや顧客満足度への影響も考慮する必要があります。
国際小包の船便は、最も安価な国際配送オプションです。大量の荷物や重量物、急ぎでない商品を送る場合に適しています。料金はEMSの半額以下になることもあります。
アメリカ宛て2kgの場合、船便は約2,500円程度で、EMSと比較すると約60%の節約になります。ただし、配送には1〜3ヶ月程度かかるため、時間に余裕がある場合にのみ利用できます。
船便は引っ越し荷物や書籍、季節を問わない商品の発送に向いています。一方、食品や化粧品など品質劣化のリスクがある商品、季節商品、緊急性のある荷物には適していません。用途に応じて使い分けることが重要です。
DHL、FedEx、UPSなどの民間国際宅配便は、EMSの競合サービスです。配送速度はEMSと同等以上ですが、料金は荷物の条件によって高くも安くもなります。
民間宅配便の特徴として、容積重量制を採用している点が挙げられます。軽くて大きい荷物の場合、実重量ではなく容積重量で料金が計算されるため、EMSより高くなることがあります。逆に、小さくて重い荷物の場合は民間の方が安くなるケースもあります。
また、民間宅配便は独自の通関手続きを行うため、手続きがスムーズに進むことが多いです。ビジネス利用で大量に発送する場合は、契約割引が適用されることもあるため、見積もりを取って比較することをおすすめします。
国際配送では、配送速度と料金は基本的にトレードオフの関係にあります。速く届けようとすればするほど、料金は高くなります。EMSが高い理由の一つは、この速達性にあります。
配送速度別のサービスを整理すると、以下のような選択肢があります。
| サービス | 配送日数(米国宛) | 料金目安(2kg) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| EMS | 3〜5日 | 約6,860円 | 追跡・補償あり、速達 |
| 国際小包(航空便) | 1〜2週間 | 約5,500円 | 追跡・補償あり |
| eパケット | 1〜2週間 | 約2,500円 | 2kgまで、追跡あり |
| 国際小包(船便) | 1〜3ヶ月 | 約2,500円 | 時間に余裕がある場合 |
※料金・配送日数はいずれも目安であり、時期・条件により変動します。
商品の特性と顧客のニーズに合わせて、最適なサービスを選択することが重要です。緊急性の高い注文にはEMS、通常の注文には航空便やeパケットというように、使い分けることでコストと顧客満足度のバランスを取ることができます。
本記事では、EMS料金の基礎知識から計算方法、決定要因、節約方法、他サービスとの比較まで幅広く解説しました。EMSは追跡や補償が充実した信頼性の高いサービスですが、工夫次第でコストを抑えることも可能です。
まずは日本郵便の料金計算ツールで実際の料金を確認し、複数のサービスを比較検討することから始めてみてください。適切なサービス選択と工夫により、国際配送コストを最適化できます。
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