ECサイトを開設したいと考えたとき、多くの方が最初に目にするのがShopifyではないでしょうか。Shopifyは世界175か国以上で利用されているECプラットフォームで、個人事業主から大企業まで幅広い規模の事業者に選ばれています。
本記事では、Shopifyとは何かという基本的な定義から、主な機能、料金プラン、メリットと注意点、そして実際の導入手順までを体系的に解説します。これからECサイトを立ち上げる方や、既存のプラットフォームからの移行を検討している方に向けて、導入前に知っておくべき情報を網羅的にお伝えします。
Shopify(ショッピファイ)は、専門的なプログラミング知識がなくてもECサイトを構築・運営できるサービスです。ここでは、Shopifyの基本的な仕組みや特徴について詳しく見ていきましょう。
Shopifyは、2006年にカナダで創業されたECプラットフォームです。オンラインストアの構築から商品管理、決済処理、配送設定までを一つの管理画面で完結できるサービスとして知られています。
もともとは創業者がスノーボード用品を販売するために開発したシステムが原型となっており、実際のEC運営者の視点から設計されているのが特徴です。2017年には日本市場へ正式に進出し、日本語でのサポート体制も整備されました。
現在では世界175か国以上で数百万のストアが稼働しており、小規模な個人ショップから年商数十億円規模の大企業まで、幅広いビジネス規模に対応しています。
ShopifyはSaaS(Software as a Service)型のサービスです。これは、ソフトウェアを購入してサーバーにインストールするのではなく、インターネット経由でサービスを利用する形態を意味します。
SaaSモデルの最大のメリットは、サーバーの保守やセキュリティ対策、システムのアップデートをすべてShopify側が行ってくれる点にあります。利用者は月額料金を支払うだけで、常に最新の機能とセキュリティ環境の中でECサイトを運営できます。
また、アクセスが急増した場合でもサーバーがダウンしにくい設計になっているため、セール時期やメディア露出による一時的なトラフィック増加にも柔軟に対応できます。
Shopifyでは「テーマ」と呼ばれるデザインテンプレートを使用してストアの外観を設定します。テーマは無料と有料のものがあり、業種やブランドイメージに合わせて選択できます。
テーマを選ぶだけで、商品一覧ページ、商品詳細ページ、カートページ、決済ページなど、ECサイトに必要なすべてのページが自動的に生成されます。デザインの変更は管理画面上でドラッグ&ドロップ操作で行えるため、HTMLやCSSの知識がなくても直感的にカスタマイズが可能です。
より高度なカスタマイズを行いたい場合は、Shopify独自のテンプレート言語「Liquid」を使ってテーマのコードを編集することもできます。
Shopifyの機能拡張は「アプリ」によって実現されます。Shopify App Storeには10,000種類以上のアプリが公開されており、標準機能では対応できない要件にも柔軟に対処できます。
例えば、メールマーケティング、レビュー収集、在庫管理の高度化、会計ソフトとの連携、SNS広告との同期など、様々な用途に特化したアプリが揃っています。無料で利用できるアプリも多く、必要な機能だけを選んで追加できるのが特徴です。
ただし、有料アプリを複数導入すると月額コストが積み上がるため、事前に必要性を精査してから導入することが重要です。
Shopifyは幅広い事業規模に対応したプラットフォームですが、特に向いているのはこれからECを始める個人事業主や中小企業、海外販売を視野に入れている事業者です。
ハンドメイド作品を販売する個人クリエイターから、実店舗とオンラインを連携させたい小売店、複数のチャネルで販売を行いたいブランドまで、多様なビジネスモデルに対応しています。大企業向けにはShopify Plusという上位プランも用意されており、より高度なカスタマイズやサポートを受けられます。
一方で、非常に複雑な商品構成や独自の基幹システムとの深い連携が必要なケースでは、別のソリューションの方が適している場合もあります。
Shopifyには、ECサイト運営に必要な機能が標準で備わっています。ここでは、日々の運営で特に使用頻度の高い主要機能について解説します。
Shopifyでは商品数に制限なく、無制限で商品を登録できます。商品名、説明文、価格、画像などの基本情報に加えて、サイズや色などのバリエーション(Shopifyでは「バリアント」と呼びます)も設定可能です。
商品説明文にはリッチテキストエディタを使用でき、画像の挿入や文字装飾も自由に行えます。SEOに関わるメタタイトルやメタディスクリプションも商品ごとに設定できるため、検索エンジンからの集客対策も管理画面内で完結します。
また、商品をコレクション(カテゴリ)にまとめる機能があり、特定の条件を満たす商品を自動的にコレクションに追加する設定も可能です。
在庫数の管理は商品登録画面から行えます。在庫が一定数以下になった際に通知を受け取る設定や、在庫切れ時の販売可否を商品ごとに設定できます。
複数の倉庫や店舗で在庫を管理している場合は、ロケーション別に在庫数を設定することも可能です。これにより、実店舗とオンラインストアで別々の在庫を持つビジネスモデルにも対応できます。
CSVファイルを使った一括インポート・エクスポート機能も備わっているため、大量の商品を扱う場合でも効率的に在庫情報を更新できます。
Shopifyでは多様な決済方法を導入できます。Shopify Paymentsを利用すれば、クレジットカード決済を追加の審査なしですぐに導入できます。また、PayPalやApple Pay、Google Payなどの外部決済サービスとの連携も容易です。
日本国内向けには、コンビニ決済や銀行振込にも対応したアプリが用意されています。海外向けに販売する場合は、現地で普及している決済方法を追加することで、購入率の向上が期待できます。
Shopify Payments以外の決済方法を使用する場合は、Shopifyへの取引手数料(0.5%〜2%)が追加で発生する点には注意が必要です。
注文が入ると管理画面に通知が届き、注文一覧から詳細を確認できます。注文ステータスは「未発送」「発送済み」「キャンセル」などで管理され、配送番号を登録すると自動的に顧客へ発送通知メールが送信されます。
返品や返金の処理も管理画面から行えます。部分返金や在庫への返却処理など、細かな対応も可能です。また、注文情報を検索・フィルタリングする機能が充実しており、特定の期間や条件に該当する注文を素早く抽出できます。
顧客への自動メール(注文確認、発送通知、配達完了など)はテンプレートが用意されており、文面やデザインを自由にカスタマイズできます。
ストアのデザイン編集はShopifyの管理画面から行います。テーマエディタを使えば、トップページのレイアウト変更、バナー画像の設置、テキストの編集などをリアルタイムでプレビューしながら作業できます。
スマートフォンやタブレットでの表示確認も編集画面内で切り替えられるため、モバイルユーザーへの見え方を意識したデザイン調整が容易です。ナビゲーションメニューの構成やフッターの内容も、直感的な操作で変更できます。
ブログ機能も標準で搭載されており、商品紹介やブランドストーリー、ハウツー記事などのコンテンツを発信してSEO対策や顧客とのコミュニケーションに活用できます。
Shopifyには複数の料金プランが用意されており、事業規模や必要な機能に応じて選択できます。各プランの特徴と選び方のポイントを見ていきましょう。
Basicプランは月額3,650円からで利用できる、Shopifyの入門プランです。ECサイト運営に必要な基本機能はすべて揃っており、商品登録数に制限はありません。
このプランではスタッフアカウントを2アカウントまで作成でき、小規模なチームでの運営に適しています。レポート機能は基本的なものに限定されますが、売上や訪問者数などの主要な指標は確認できます。
海外向け販売に必要な多通貨表示機能も利用可能で、これからECを始める個人事業主や副業での出店を考えている方に適したプランです。
Growプランは月額10,100円からで、Basicプランよりも詳細なレポート機能が利用できます。売上分析や顧客行動の把握をより深く行いたい場合に選ばれるプランです。
スタッフアカウントは5アカウントまで作成可能になり、複数人でのストア運営体制に対応できます。また、海外向け販売に関連する機能も強化されており、国際価格設定や関税・輸入税の見積もり表示機能が追加されます。
売上が安定してきて、次の成長段階に進みたい中小規模のECサイトに適しています。
Advancedプランは月額44,000円からで、より高度な分析機能とカスタマイズ性を提供します。カスタムレポートの作成機能があり、独自の指標でビジネス分析を行えます。
スタッフアカウントは15アカウントまで増え、複数の部門や拠点で運営する体制に対応できます。また、チェックアウト画面のカスタマイズ範囲が広がり、購入完了までの導線をより細かく最適化できます。
クレジットカード決済の手数料も他のプランより低く設定されているため、月商が大きい事業者ほどコストメリットが出やすくなります。
Shopify Plusは月額368,000円の大企業向けプランです。専任のサポート担当者がつき、システムのカスタマイズや運用の相談に対応してもらえます。
チェックアウトプロセスの完全なカスタマイズ、複数ストアの一元管理、B2B専用の卸売機能など、エンタープライズレベルの要件に対応できる機能が揃っています。APIの利用制限も大幅に緩和されており、外部システムとの高度な連携が可能です。
大規模なセールやキャンペーン時のトラフィック対応も優先的に行われ、サービス品質保証(SLA)も提供されます。
プラン選択の基本的な考え方として、まずはBasicプランから始めて、事業の成長に合わせてアップグレードしていくアプローチがおすすめです。Shopifyでは3日間の無料トライアルが用意されているため、実際の使い勝手を確認してから契約できます。
プラン選択で特に重視すべきポイントは、スタッフアカウント数、レポート機能の詳細度、決済手数料の3点です。複数人での運営を予定している場合や、詳細なデータ分析を行いたい場合は上位プランを検討しましょう。
月商が一定規模を超えると、決済手数料の差額がプラン料金の差額を上回るケースがあります。自社の売上規模をもとに、総コストで比較検討することが重要です。
Shopifyを導入する前に、メリットと注意点の両面を理解しておくことが大切です。ここでは、実際の運用で感じやすい利点と課題を具体的に解説します。
Shopifyは初期費用がほぼかからず、月額料金のみでECサイトを開設できます。サーバー契約やSSL証明書の取得、セキュリティ対策など、通常であれば別途費用がかかる要素がすべて月額料金に含まれています。
また、売上がないうちは低コストのBasicプランで運営し、成長に合わせて上位プランに移行できる点も大きなメリットです。事業規模に応じた投資が可能なため、過剰な初期投資を避けられます。
決済手数料もShopify Paymentsを利用すれば業界平均程度に抑えられるため、利益率の計算がしやすいビジネス設計が可能です。
App Storeの豊富なアプリにより、必要な機能を必要なタイミングで追加できます。メールマーケティング、顧客レビュー、アップセル・クロスセル、定期購入など、様々な販売施策をアプリで実現できます。
開発リソースがなくても、多くの機能拡張がアプリのインストールだけで完了します。これにより、小規模な事業者でも大手ECサイトと同等の顧客体験を提供することが可能になります。
また、ShopifyのAPI連携の柔軟性から、外部の在庫管理システムや会計ソフト、マーケティングツールとの接続も比較的容易に行えます。
Shopifyは海外販売を前提とした設計がなされています。多言語・多通貨表示、国際配送料金の設定、関税・輸入税の見積もり表示など、越境ECに必要な機能が標準で用意されています。
SNS販売チャネルとの連携も強みの一つです。Instagram、Facebook、TikTokなどで直接商品を販売でき、各プラットフォームの在庫と注文を一元管理できます。海外の顧客がよく利用するこれらのチャネルへの展開がスムーズに行えます。
ただし、本格的な越境ECを展開する際は、各国の規制対応や現地に最適化されたマーケティング、きめ細かな顧客サポート体制など、プラットフォーム機能以外の準備も重要になります。
基本的なストア構築はドラッグ&ドロップで行えますが、テーマを大幅にカスタマイズしたい場合はLiquidの知識が必要になります。Liquidは比較的習得しやすい言語とされていますが、プログラミング未経験者にとっては一定の学習期間が必要です。
また、Shopifyの標準機能やテーマの仕様による制約が存在し、要望どおりのカスタマイズが難しいケースもあります。例えば、チェックアウトページの大幅な変更は上位プランでないと行えないなど、プランによる制限もあります。
高度なカスタマイズが必要な場合は、Shopifyに精通した制作会社や開発者への依頼を検討することになり、その分のコストが発生します。
アプリに多くの機能を依存していると、アプリの提供終了や仕様変更によって運営に影響が出る可能性があります。重要な機能を担うアプリについては、代替手段の検討や、公式機能での代用可否を事前に確認しておくことが大切です。
また、ShopifyがSaaSである以上、サービス利用規約の変更や料金改定の影響を受けることは避けられません。プラットフォームへの依存度が高まるほど、こうした外部要因へのリスクも増大します。
定期的に商品データや顧客情報をエクスポートしてバックアップを取っておくことで、万が一の際のリスクを軽減できます。
Shopifyでのストア開設は、数時間から数日程度で完了できます。ここでは、実際の導入ステップを順を追って説明します。
Shopifyの公式サイトから無料トライアルに申し込みます。メールアドレスとパスワードを入力し、ストア名を設定するだけで管理画面にアクセスできるようになります。
登録時にはストアの概要についていくつかの質問に回答します。これらの回答はShopifyが最適な設定を提案するための参考情報として使用されますが、後から変更することも可能です。
アカウント作成後は3日間の無料トライアル期間が始まります。この期間中に各種設定を行い、実際に運用できる状態まで準備を進めましょう。
管理画面の「設定」から、ストアの基本情報を入力します。事業者名、住所、連絡先、タイムゾーン、通貨単位など、運営に必要な情報を設定します。
特定商取引法に基づく表記やプライバシーポリシー、利用規約などの法的ページも作成が必要です。Shopifyにはこれらのテンプレートが用意されていますが、自社の事業内容に合わせて適切に編集してください。
税金の設定も重要です。日本国内向けの販売であれば消費税の設定を、海外販売も行う場合は各国の税制に応じた設定を行います。
「商品管理」メニューから商品を登録していきます。商品名、説明文、価格、画像、在庫数など、必要な情報を入力します。複数の画像を登録でき、並び順も自由に変更できます。
サイズや色などのバリエーションがある商品は、バリアント機能を使って設定します。各バリアントごとに価格、SKU、在庫数を個別管理できるため、複雑な商品構成にも対応可能です。
商品数が多い場合はCSVファイルでの一括登録を活用しましょう。Shopifyが提供するテンプレートに沿ってデータを準備し、インポート機能で一括登録できます。
「設定」の「決済」から利用する決済方法を設定します。Shopify Paymentsを有効化すれば、クレジットカード決済をすぐに利用開始できます。本人確認書類の提出など、いくつかの審査プロセスがありますが、通常は数日以内に完了します。
Shopify Payments以外の決済方法(PayPal、Amazon Pay、コンビニ決済など)を追加する場合は、各サービスの設定と連携作業が必要です。顧客の利便性と手数料のバランスを考慮して、適切な決済方法を選択してください。
テスト注文機能を使って、決済から注文確定までの流れが正常に動作するか確認しておくことをおすすめします。
テーマを選択し、ストアのデザインを整えます。無料テーマでも十分な品質のものが揃っていますが、有料テーマを購入することでより差別化されたデザインを実現できます。
テーマエディタでロゴの設置、色やフォントの調整、セクションの追加・削除・並び替えを行います。トップページだけでなく、商品ページやカートページの表示も確認しながら調整を進めましょう。
すべての準備が整ったら、管理画面から「オンラインストア」を「公開」に切り替えます。独自ドメインを使用する場合は、ドメイン設定を事前に済ませておく必要があります。公開前にPC・スマートフォン両方でテスト閲覧し、表示崩れがないか最終確認を行いましょう。
この記事では、Shopifyの基本情報から機能、料金プラン、メリット・注意点、導入手順までを解説しました。
まずは3日間の無料トライアルを活用して、実際に管理画面を操作しながら自社のビジネスに合うかどうかを確かめてみてください。
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