80兆から100兆規模にまで成長をし続ける、中国EC市場。
その中でも、6割から7割がスマホ端末のユーザーです。
Live Commerceでは現在、Aurfy Japanを通じてWeChatペイメントを提供しておりますが、中国決済の中でもWeChatペイメントが中でももっとも利用者数を伸ばしており、事実上の標準決済になりつつある状況です。
WeChatペイメントは、ユーザーの携帯端末にインストールされたアプリで基本的に決済を行います。ですから、スマホを使って支払うというまさにIT時代の技術を背景に現金に変わる新しい支払い方法が中国で生まれたわけです。
実は、ここに落とし穴がありました。
例えば、中国人がスマホで日本のECを閲覧したとします。もちろんECサイト側ではWeChat対応となっています。最終画面で2次元バーコードが表示されます。
このバーコードを スマートフォンで「画像長押し」→「読み取り」 ができません。
2017年の6月前後まではできたのですが、2017年7月から事実上、読み取りができなくなっていました。
つまり、WeChatペイメントはモバイル決済仕様と謳っておきながら、スマホ対応のECサイトからスマホアプリを介しての決済ができないという、なんとも矛盾した仕様でした。
以下の画像のように、スマホで表示された2次元バーコードをさらに他のスマホないしはタブレット端末で読み込みしないと決済ができないため、決済時には必ず2つのデバイスが必要になってしまいます。
Aurfy Japanにこの理由を聞いたところ、これはWeChatペイメントを提供するテンセント側で制御をしているようで、決済通貨が日本円では疎通ができず、米ドルだと疎通が可能ということで、同じプログラムの仕様でありながら、通貨によって疎通可否をしているとのことでした。
2017年10月2日時点では、スマホから米ドル(USD)決済を行う分には疎通確認ができています。つまり、越境ECで中国向けにスマートフォン端末で決済をしてもらうためには、サイトの通貨に日本円と米ドルの2つの通貨が必要になり、スマホから決済した時はドル建て決済になり、中国人がWeChatアプリを起動した時は人民元表記になります。日本企業の売上は円で回収になる部分は以前と同じです。
このケースの売上はAurfy Japan米国の売上になるため、日本円による振込には海外送金手数料(約4000円から5000円)が毎回の振込時にかかります。非常に納得いかない点があるかと思いますが、現状ではWeChatペイメントを提供しているテンセントが完全にコントロールしているため、当社もAurfy Japanもプログラム側のパラメータの調整では一切対応ができていません。しばらくはテンセント側でまた円決済ができるようになる日を待つしかありません。
つい先日まではスマホでも円決済ができていたのに、なぜ急にできなくなり、米ドルだけ許可されているのかは未だに不明です。当社から、テンセント本体に何度も問い合わせをしましたが、1ヶ月経過した現在も回答をもらっていません。
以下は、端末と通貨別で当社が検証した結果です。
WeChatのスマホ決済(日本円)を除けば、全く問題がありません。
ただ、冒頭で申し上げた通り、中国におけるモバイル決済はWeChatが事実上のデファクトになりつつあり、実際にはモバイルユーザーがEC市場では6割から7割超となる現状を考慮すると、スマホ端末から閲覧したECサイトでWeChat決済が行えないことはビジネス的損失は大きいと言わざるを得ません。
なを、今回の件については、システム的なバグでもなくいわゆるビジネス的な商流において元締めであるテンセント側でフル制御されているため、当社もAurfy Japanも蚊帳の外、、というわけです。またいつ米ドルで決済が疎通できなくなるのかはわかりません。
越境ECにおける中国人の利用者はどちらにしても増え続けています。
いろいろなリスクや環境変化はあるものの、こうした変化に私たちも柔軟に対処しつつ、今後もサービスを継続していくことで、早期の中国越境EC市場でのメリットを受けることができると思われます。
80兆から100兆規模にまで成長をし続ける、中国EC市場。
その中でもモバイル決済のデファクトになっているWeChatペイメントの導入に際しては、
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