「モバイルコマース」とは、スマホやタブレット端末からのEコマース取引を表す用語です。2014年のモバイルコマースによる流通額はアメリカで500億ドル(約5兆円)、日本でも2兆円規模になると予測されています。
市場規模が、2011年時点のアメリカで79億ドル(約7,900億円)、日本で1.1兆円であったことを考えれば、いずれの市場も急速に拡大しています。特にアメリカでは数年前の予測をはるかに超えて急伸しています。
勢いの止まらないモバイルコマース、今回はその最新トレンドを5つご紹介しましょう。
モバイルコマースへの対応として、モバイル端末でも見やすいEメール(HTMLメールのこと。海外ではHTMLメールをモバイルで見る人も多い)、ウェブサイトにしておくことは必須です。モバイル端末では画面がサイズオーバーする、文字が小さすぎて見にくい、ボタンが小さすぎて押しにくい、といった不具合がないか、必ずチェックしましょう。
購入歴のある顧客や会員メンバーになっているモバイルユーザーに、メールでクーポンコードを送付する企業が増えています。クーポンコードはモバイルサイト、実店舗の両方で使えるものが多いようです。消費者心理として、クーポンをもらうと今買うべき商品がないか探しに行きたくなりますし、もともと欲しい商品がある場合はなおさら購入へとつながります。
顧客がモバイル端末でショッピングをしやすいように、モバイル専用のアプリを配布する企業が増えています。ただし、専用アプリの開発コストがモバイルコマースによる利益を圧迫しないよう、ユーザーがコンバージョンまでスムーズに操作でき、早期に開発コストを回収できる設計を心がけましょう。
規模の大小にかかわらず、カード決済をする際に必要な、モバイル対応のカードリーダーを設置する店舗が増えています。スマホやタブレットといったモバイル端末と専用のカードリーダーを設置して、実店舗内であってもモバイル経由でカード決済を行うほうが、顧客と店舗の双方にとって便利だというのがその理由です。アマゾンで購入できる端末もありますから、実店舗を運営している方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。
モバイルマーケティングは、不特定多数のユーザーを対象としたものから、ターゲティングを重視したものに変わりつつあります。同じ流れとして、リーチのあったユーザーに購入を促したり、過去に購入履歴のあるユーザーにリピーターになってもらうよう働きかけたり、特定の消費者へのアプローチを継続的に行うようになってきています。こうしたマーケティングトレンドは、贔屓にしてくれるお客さまを大事にしたいと考える中小企業の理念にも適合していると言えそうです。
モバイルを取り巻く環境は、日々刻々と変化しています。当初は実店舗から敬遠されがちだったモバイルも、手軽に持ち運べるという特性から、実店舗の販売戦略に活かそうとする企業が増えてきています。今後も定期的にモバイルコマースの現況を発信していきたいと思います。
参考:
8 Trends for Mobile Commerce in 2014
5 Trends That Are Shaping Mobile Commerce