ECサイト構築にはショッピングカートが欠かせない。
ネットショップに必ずあるのが、「ショッピングカート」機能である。ショッピングカートとはオンラインショップが備える機能の一つで、簡単に言うと、商品を購入するまで、商品を一時的に保存しておく機能である。
オンラインショップでも、実店舗の買い物と同じように、いくつもの商品を購入したいときがある。このとき、いちいち決済情報などの購入手続きを一点一点行うのは煩わしい。
そこで、商品を選択すると一覧に追加されながら、最後にまとめて購入できる機能が、ショッピングカート(買い物かご)機能で、ECサイト構築では必ずこの機能を設置する必要がある。
今回はこのショッピングカートの種類について見ていき、コンバージョン率に関係が高いショッピングカートの機能、デザインについて最適化するチェックポイントを説明する。
ショッピングカートは「買い物かご機能」や「決済機能」「配送機能」など、様々な機能ある。一般的には商品をカートにいれ、購入するための決済方法や郵送方法を決めることの出来る機能である。
ショッピングカートには大きく2種類あり、
1つ目は、「サイト一体型レンタルショッピングカート」である。ショッピングカートをASP(Application Service Provider )から一式レンタルし、そのままネットショップサイトとして利用するタイプだ。初期費用は高くなるが、ネットショップのサイト制作プランも用意されているので、手間が省ける。メンテナンスサポートもあり、商品管理などはブラウザ上から行えるため専門知識が無くても簡単に操作できる。だが、デザインを自由にカスタマイズするには、HTML/CSSのスキルが必要になる。また、一体型レンタルショッピングカートにはカート単体のみレンタルできるものもある。
2つめは「単体レンタルショッピングカート」である。ショッピングカートのみをレンタルし、自作のサイトにリンクを貼るタイプだ。ネットショップを自作し、ショッピングカートのみを自在に配置することができるタイプだ。HTMLコードを自作サイトに設置するだけで、ネットショップをオープンすることができる。
※ASPは「アプリケーション・サービス・プロバイダー」の略。ショッピングカートのアプリケーションを提供してくれているプロバイダーのこと。
下記に2種類のショッピングカートの特徴をまとめた。
など
など
ECサイトでは、ショッピングカート(買い物かご)機能には、大きく、カートに商品を入れ、お客様の送り先の登録、商品代金の支払い方法の設定、配送方法の設定などの機能がある。
この「カートに商品を入れる」から「お客様情報の入力」「お支払方法、配送方法の設定」「注文内容の確認」までの一連のカート機能のなかで、デザインや機能が良くないため、お客様が商品を買い物かごにいれたまま、チェックアウトを完了しないで、サイトを離脱するケースが非常に多い。
ある統計によると70%以上の人が、チェックアウトを完了しないまま、サイトを離れていってしまっている現状がある。つまり、カートの機能やデザインによってカート離脱率が非常に高くなるという現実である。
カートの機能やデザインはコンバージョン率に影響するECサイトの生命線だ。
ここではカートのコンバージョン率を上げるためのチェックポイント31項目について整理してみた。これら内容をチェックし、ショッピングカートを少しでも改善し、最適なものにし、売上アップに役立ててもらいたい。
ショッピングカートの離脱率についてのデータ。
年々、ショッピングカートで離脱する率は高まっているそうで、現在は70%まで達してる。ただ、離脱率=売れなったというわけではない。
サイト全体の表示や、商品画像の表示などが素早く表示されるようにする。ページ遷移するたびに、表示時間がかかり過ぎるとお客様が購入を途中で中止する。
お客様はオンライン・ショッピングサイトは「素早く便利に買い物したい」という認識を持っているため、少しでも不便なことがあれば顧客は永遠に去っていくかもしれないのだ。
オンライン・ショッピングはチェックアウトまで時間が短いことが重要である。
チェックアウトまで手続きは簡単する。お客様は手続きに時間がかかると、面倒くさくなり購入をやめてしまう。
商品購入までのステップには、カートに入れる→購入手続きをする→お支払い・発送手続きをする→内容確認・購入完了までのステップがある。
お客様が、買い物をすませ、レジにならんで、料金の支払いをするところまで、どのようなステップがあるか、全体像を知らせることが重要である。内容を知ることで、お客様は心の準備ができる。
ヘッダーやフッターにナビゲーションや、他のページへのリンクボタンやパン屑リストなどを配置しない。
クリックするということは、カートページから離れることを意味する。
ECサイトでは、商品を購入するにはお客様の登録手続きが必要である。だが、お客様の登録を無理に迫ことは離脱に確実につながる。今回のみ購入いただくために、他の選択として、お客様登録をせず購入する選択肢は絶対に必要である。
また、「お客様の登録」のステップはお支払いの直前にすべきである。サイト内の商品閲覧前に登録いただくのは個人情報の入手目的となり、お客様に悪い印象をもたれ、離脱率が高くなる。
カスタマーサポートが充実しているECサイトは、サイトへの再訪率が上がり、返品やクレームなどの頻度が下がる。さらに、保証期間や返品期限は長ければ長いほど効果的だ。
また、お問い合わせEmailやTELなどサポート先を記載する。これらは記載しておくだけで、お客様へ安心感を与える。
個人情報保護法への取り組みを了解いただくのは、個人情報保護法の原文は必要ですが、この原文の長文を読んでいただいき、同意するをチェックさせるのはどうか?
トラブル回避のため、仕方がないことかもしれないが、短い文章でユーザー目線にたち、簡潔に表示する。
購入時のリンク、たとえば、ポイント購入についてや送料について、顧客管理についてなどのページ遷移させるリンクは最小限にする。
別のページに移動されるとそこで、購入が止まってしまう可能性が高くなる。
必要なものは、移動しないですむポップアップウィンドゥで表示する。
ショッピングカートには「カートに入れる」と「買物を続ける」の2つのボタンが、「カートに入れる」を目立たせる。その際は色等で差別化すると分かりやすい。
全体のデザインとの兼ね合いもあるが、「カートに入れる」は緑や赤、オレンジなどの目立つ色を使い、「買物を続ける」はグレー系などのあまり目立たない色を使う。
ボタンの名称と背景色のコントラストをつけ目立たせる。次のステップにお客様を誘導させるボタンは、目立つところに配置し、色相やコントラストに配慮し、目立たせる。
購入ボタンの「場所」「大きさ」「色」はコンバージョン率に大きな影響を与える。
ボタンのデザインについてはlive commerce ブログ「ボタンはしっかり目立つデザインを!ボタンデザインの原則3つ」を参照:
http://www.live-commerce.com/ecommerce-blog/button_design/#.VSJTY_msVkA
「カートに入れる」ボタンの近くに、その他の「お気に入りへ追加」ボタンなどお客様が間違えてクリックするような位置にボタンを配置しない。
ショッピングカート機能に、お気に入り商品の機能を追加しておく。これはお客様がサイトに再訪問するための動機にもなる。ただこのボタンは「カートに入れる」ボタンと差異化し、「カートに入れる」ボタンのそばに配置しない。
ECサイトでは金額表示と購入ボタンは近接させ、お客様の視線に無駄な動きをさせない。
購入時に残り3個、在庫少量など購入決定を促すコメントを入れると効果的。ただし、在庫がたくさんあるのに表示するのは、信用を落とすことになる。
「あと1000円購入で送料無料!」、「あと1000円購入でポイント2倍」など、追加で何か購入するとサービス、特典など受けられるわかるとお客様はもう1品、何かカートに追加することも多くなる。
invespのデータによると、ECサイトで配送料無料とした場合と、配送料有料にした場合では成約率に73%も違いがある。また返品可能にするかどうかでは70%も違いがある。
これはコンバージョン率を左右する数ある要素のなかでも非常に大きな要因だ。
販促ツールとしてお客様の声カスタマーレビューを表示する。商品のレビューがあるかどうかによって、コンバージョン率に大きなの開きがある。
ただレビュー機能を付けただけではなく、レビュー特典を付けるなどして、レビューを書き込みたくなるような仕組みも必要だ。
商品対象の保証期間や、補償内容についてや返品、返金について明示する。
購入ステップが終了したあとにメールで「在庫がありませんでの1週間お待ちください」と連絡が入るECサイトがあるが、購入ステップの第一段階で在庫切れのため、1週間お待ちいただけますか?などアナウンスする。
いくつかのECサイトは、ある商品が入荷されると、その商品を「お気に入りリスト」に登録しているお客様にメールを配信したり、ログインした際にアラートで表示される機能を実装している。
アメリカのECサイトでは商品購入前にライブチャットで商品に関して問い合わせができるライブチャット機能があり、コンバージョン率を高めている。
商品の画像:
ECサイトにおいて、商品画像はもっとも重要な要素である。画像は小さ過ぎたり、画像点数が少なかったりすると、顧客が商品の詳細内容を確認できず、注文されにくい。
商品説明:
商品の詳細説明が分からなければ、商品そのものに競争力がない限り、顧客は注文しない。手に取って商品を確認できないオンラインショップでは、詳細な商品情報を記載することは必要不可欠だ。
商品のサイズ、材質、重量、寸法、色のバリエーション、使用方法、手入れの方法など、商品に関わる様々な画像や説明文を記載しよう。
商品関連の画像:
商品の関連商品の表示はお客様にとってもありがたい。関連商品のなかでもお勧め商品の表示はお客様から感謝され、顧客単価も伸びる。
商品画像の内容については下記live-commerceブログに詳しく説明がある。
コンバージョン率をアップする商品写真の扱い方、3つのポイント!:
http://www.live-commerce.com/ecommerce-blog/photograph_point/#.VSIb5fmsXlY
商品情報の拡散や、ショップファンを増やす対策として、Facebookの「いいね!」やTwitter「ツイートする」ボタンをページに設置し、口コミを拡張させる。
カードの支払いでクレジットカード番号を入力することを嫌がるお客様はとても多い。お客様にあなたのECサイトが安全であることを伝えよう。
使用可能なクレジットカードのロゴ一覧や、ノートンセキュリティ証明書(旧ベリサイン)のロゴを取得している場合は、そのロゴも表示する。
クレジットカード番号を入力すると、カード番号からカード会社を判別してカード会社のロゴを表示する。
商品購入や会員登録の際の必須入力項目はできるだけ少なくしよう。登録の際の入力項目を減らすだけでコンバージョン率が2.5倍になった。前回のブログ(フォームを最適化し、コンバージョン率を大幅UP!)でも書いたが
そのなかで重要なものをあげると、
などである。ブログでは多義にわたり説明しているが、改善できる内容は改善し、コンバージョン率を上げよう。
支払い入力フォームの簡単にする。支払いの種類の多様さは全体のコンバージョン率に大きな影響を与える。
クレジットカード払いだけでなく、銀行振込やコンビニ入金にも対応できるのが良い。また、分割払いの導入も検討の余地が多いにある。
配送に関しても、宅急便はもちろん郵便なども選べるようにして局留めなどのオプション内容も充実させる。また、購入したら商品が、翌日届くのか、商品到着がいつになるのか、おおよその日数も表記する。
クリスマスやお中元、お歳暮、バレンタインや父の日・母の日など、季節のイベント、お誕生日のプレゼントして、ギフト用包装サービスやメッセージカードサービスの機能を用意しておくと、お客様から選ばれるECサイトになる。
商品単体の金額、消費税、数量、配送料など、すべての内容、金額と合計金額は明確に表示する。
最終確認画面では、「戻る」ボタンを押す必要がないように、すべての関連する注文の詳細を表示し、お客様の記録のために、これらの詳細をプリントアウトできるオプションを追加する。
ショッピングカートについて大きく2つに分けて説明し、コンバージョン率を上げるためのカート最適化についてのチェックポイントを説明した。
ECショップサイトはショップ内容により、サービスが異なる点も多い。チェックポイント31の中で気づいた内容があれば、実際にあなたのサイトとカートに最適化テストを行い、実施すると良いだろう。
いくつかの項目を実施するだけでコンバージョン率が上がることが期待できる。
また、Live Commerceでは、さまざまな業種での販売方法に対応できるように、8種類のショッピングカートを用意している。それらは使用目的にあわせて、設定いただくことが可能だ。
詳細はLive Commerceサイト:ショッピングカートの機能で確認いただきたい。
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