「Shopee」は東南アジア・台湾で最大級のECプラットフォームであり、シンガポールを本拠地とし、マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ、フィリピン、台湾など現在では15カ国に展開している。
「ebay」は世界190カ国にわたって浸透している越境ECモールで海外販売でebayを中心に出品している事業者は多いだろう。 今回は、「ebay」と比較しながら、「Shopee」のメリットや越境ECで東南アジア・台湾を狙うなら、「Shopee」がお勧めな理由を整理した。
Shopeeは東南アジアのAmazonとも呼ばれるほど、ECプラットフォームとして認知度、利用度が高く、アプリダウンロード数は約3億以上、SNSフォロワー数1,500万以上と近年、大きな成長を見せている。
Shopeeはebayと違い、東南アジアに特化しているところがポイントで、日本からはシンガポール、台湾、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピンの6カ国へ販売が可能だ。
また、日本には2018年「Shopee JAPAN」が設立され、 日本の越境EC事業者専用のカスタマーサポートを日本語で提供しており、アカウント登録など利用しやすくなっている。
2020年の注文数は28億回で2019年比232.8%(=132.8%増)と成長し、2020年の流通総額は354億USドル(約4兆7800億円)に達している。
ebayでは日本の商品をアメリカを中心として世界のebayプラットフォームで販売できるが、Shopeeの場合は東南アジアが中心となり、日本からは6カ国に販売が限定されるという市場規模的デメリットはある。
だが、ebayをやるなら、ついでにShopeeも実施したほうが良いだろう。 ここでは、その理由を3つ解説する。
ebayのアカウント登録が難しいと言われるのは不正利用を防止すためである。 ebayの成熟した企業運営がなされているため、新規セラーに対してより審査を厳しくしている。その分、アカウント登録に関してはより丁寧に行う必要がある。
Shopeeはまだ、ebayに比べてアカウントルールは厳しくはなく、逆にebayのアカウント登録経験者であれば、簡単に感じるだろう。
ebay初心者の場合、10品以内で総額500ドル(約68,000円)までの出品制限がある。それ以上出品したい場合は、イーベイジャパンの販売サポートを申し込み、承認されなければならない。
Shopeeの場合、商品数の上限はシンガポール・マレーシア・タイ ・インドネシアの場合で1,000点、台湾の場合で500点となっている。
Shopeeの場合の販売手数料は売上総額の3%、決済手数料売上総額の2%の合計5%である。さらに新規セラーはアカウント登録後、最初の3ヶ月間の販売手数料が0%となっている。
ebayの場合は、出品ジャンルにより手数料は変化するが、おおよそ、売上の15%〜20%が手数料となる。 (落札手数料の標準で10%程度、決済手数料4%程度、通貨換算手数料4%程度など)
Shopeeのターゲットは東南アジアの女性である。 つまり、日本の売れ筋商品は、コスメ・食品・ホビーが3大ジャンルと言える。
Shopee担当者記事よると、Shopee Japan共通で売れているのが、 美容・コスメと食品ジャンルで、最近ではアニメやゲームに代表される日本のホビー関連商品も伸長していると説明している。
また、台湾では国内の電圧が日本と近いこともあり、電化製品が売れ筋商品であり、シンガポールでは、化粧品、サプリメントやベビー用品が強いという。 シンガポールの富裕層は子供に優れた商品を使わせたいと日本製品が人気となっているようだ。
また、Shopeeマレーシアのデータによると、2021年6月1日から2022年6月30日の間に、ボーホー風ファッションが売れ筋商品で売上も前年比21%も増加しているという。
この機会に日本のファッションセラーの東南アジア進出を期待したいところである。
ebayとShopeeはどちらもスモールスタートを切れるところが大きな魅力である。
さらに、Shopeeは出店料無料、販売手数料5%とebayと比べても低リスクで始められる。
東南アジアのEC市場はコロナ禍以降大きく成長しており、ebayを既に開始している事業者は、Shopeeでの東南アジア・台湾進出も実施してみるべきだろう。
参考: