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越境EC 海外配送の各社取り組み

   投稿者 : 2020年2月17日 By Comments (0)

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越境ECを始める際に重要なのが、海外配送手段の知識を得ておくことである。
海外配送には、大きくわけて、国際郵便と国際宅急便の2種類がある。
EMSは国際郵便の一種であり、国際郵便の運営は万国郵便連合加盟国の各国の郵政庁など公的配送会社となっている。日本では、日本郵便、アメリカではUSPS、中国なら中国郵政が国際郵便となっている。
一方、国際宅急便とは、民間配送会社が運営しているものを指し、日本ではヤマト宅急便、佐川急便、DHLなどがそれにあたる。
国際郵便と国際宅配便の大きな違いは通関手続きにあり、国際郵便の場合は、価格が20万円以下の郵便物の場合は自己申告となり、税関へ申告し許可を得る必要が無い。
それに対して、国際宅配便の場合は、税関への申告が必ず必要となる。申告は配送会社が代行で行うことになっているが、その際の申告手数料については配送会社に支払う必要がある。
今回はそれらを踏まえ、配送会社各社(日本郵便、日通、ヤマト宅急便、佐川急便、DHL)には、どのような海外配送サービスがあるのかを整理した。

日本郵便

日本郵政の国際配送

越境ECの海外配送で最も利用されているのが、日本郵便の国際スピード郵便である。スピード郵便という名のとおり、アメリカへは通常2~4日という早さで荷物を配送する。
万一に備えた損賠賠償制度や追跡サービスも利用できるため、ビジネス利用の海外発送方法としても適している。そのほか、少量の荷物に適している「国際eパケット」や、配送スピードは遅いが安価に遅れる「国際eパケットライト」などがある。
ひとつづつ見ていこう。

(1)国際スピード郵便「EMS」

世界120カ国以上の国に荷物を送ることができ、東京からアメリカのニューヨーク州まで荷物を運ぶ場合でも3日程度で配送できる。荷物は30kgまでの重量制限がある。
最大200万円までの損害賠償制度があり、配達の追跡も可能で、2万円までであれば無料で損害保険(商品が壊れた場合の保障)が付いている。
2kgの荷物でアメリカ、オセアニア地域での配送料金は4,500円である。

(2)国際eパケットと国際eパケットライト

2kgまでの小型荷物ならEMSや航空便などより、安く送ることができるのが「国際eパケット」サービスである。
重量は2kgまでで、大きさ、サイズに制限があるので注意が必要である。
2kgの荷物でアメリカ、オセアニア地域の配送料金は、3,065円である。
国際eパケットよりさらに安く送りたいときは、「国際eパケットライト」を利用すると良いだろう。こちらは、配送スピードが遅い分、価格が安価である。
2kgの荷物でアメリカ、オセアニア地域の配送料金は、2,400円である。
東京からニューヨーク州で2週間を要する。さらに補償制度が無い、一部用意する書類が違うなどデメリットもある。

(3)エコノミー航空便(SAL便)

日本国内と到着国内は船便で行い、両国間は航空機を利用するのが、エコノミー航空便(SAL便)である。
料金が安価なこと、スピードも船便より早い(東京からアメリカのニューヨーク州まで荷物を運ぶ場合の所要時間は2週間前後)。

(4)ゆうグローバルエクスプレス「UGX」

「UGX」は2014年10月から始まった国際宅配便サービスで、これまで「EMS」で対応できなかったサービスをカバーするものである。
例えば、関税元払いが可能であったり、「EMS」のサイズ・重量を超えた荷物、たとえば、釣り竿、スキー板、車のバンパーやタイヤなどの物も、「UGX」なら送ることができる。

日本通運

日本通運の国際配送

日通(日本通運)のペリカン便で有名な日通は大型貨物、引越しなど重量のある荷物の配送といったイメージが強い。海外配送はBtoB対応が主なところだが、最近では、BtoC、個人の海外配送にも対応している。BtoCはどのようなサービスがあるか見ていこう。
日本通運は、1000路線以上のグローバルネットワークを駆使して、日本から世界、世界から日本へと一貫した輸送サービスを行っている。日本通運にはBtoC向けサービスとして、ドア・ツー・ドア国際輸送サービスがあり、「SKY-EX FREIGHT」、「SKY-EX」、「ジェットパック」などのサービスがある。

■SKY-EX FREIGHT/SKY-EX/ジェットパック

「SKY-EX FREIGHT」は、重量45kg以上の一般商業貨物を取り扱い、海外33カ国/地域へに対応している。重量が45kg未満の場合は、「SKY-EX(スモールパッケージ)」である。こちらは、日本から、海外200カ国/地域以上、12万都市へ対応している。
企業の緊急のサンプル品、商業用の商品に対応している。2.5kgまでの緊急書類の場合は、「SKY-EX(ドキュメント)」となっている。
料金は1kgの荷物をアメリカへ送る場合8,400円と割高である。そのほか、ジェットパック(輸出)はギフトや別送品に対応しており、日本から海外19カ国/地域への配送することができる。

■日通の「海外展開ハイウェイ」のサービスとは

日本通運の海外配送ハイウエイ

日通では2017年10月より、アメリカに向けて海外販売のパッケージサービスを運用を開始した。
海外展開ハイウェイサービス」とは、アメリカに向けての販売に関する一連の業務、つまり、輸出入法令の確認、貿易事務代行、国際輸送、アメリカECサイトへの英語での商品登録代行と1年間の販売、現地での英語によるカスタマーサービス、国際決済、商品のプロモーション、海外PL保険などの業務を代行して行うパッケージサービスである。
そして、今年2020年1月27日には新たに、台湾に向けてもこの「海外展開ハイウェイのサービス」を展開すると発表した。
台湾向け「海外展開ハイウェイサービス」はアメリカ同様、輸出入法令の確認、貿易事務代行、国際輸送、台湾ECサイトへの中国語(繁体字)での商品登録と販売、中国語でのカスタマーサービス、国際決済、海外PL保険を含めた代行業務を行い、自社商品を台湾に向けて販売したい事業者を支援している。

国際宅急便(ヤマトグローバルエキスプレス)

クロネコヤマトのグローバルエクスプレス

日本ではクロネコヤマトの宅急便の愛称で知られる、ヤマト運輸は、海外事業会社やその他協力会社と連携し、全世界で200を超える国と地域にドア・ツー・ドア輸送を最短3〜7日で配送を行う「国際宅急便」を提供している。
ヤマトの「国際宅急便」は世界を4つのゾーンで分類し、ゾーンと荷物のサイズによって料金が決まっている。国際配送が可能なものは、荷物の三辺合計が160cm以内で、重量25kgまでの荷物である。3辺の合計が60cm以内、重量が2kgの場合アメリカへの配送料2,750円となっている。
さらに、関税等諸費用後日精算手数料が1,650円(税込)が別途必要である。また、以下の国は、受取人が個人の場合、書類以外取り扱いができない国があるので、注意が必要である。
例えば中国・フィリピン・モンゴル・インド、カナダ・メキシコ、ポルトガル・ロシア、ブラジル・ベネズエラなど、受取人が個人の場合は配送不可の可能性がある。

■国際クール宅急便

日本各地の生鮮食品などをアジアに送る場合に利用できるサービスが、国際クール宅急便である。国際クール宅急便は、日本からアジア向け国際間の保冷輸送サービスで、注意点は、日本国内の宅急便とは異なり貿易扱いとなるため、各国の輸出入制限が適用されるとこである。
台湾なら翌日、シンガポール、タイなどは翌々日に配送できる。縦横高さの合計が、60cm以内 2kgまで、6,050円(集荷料、通関料、配達料を含む)となっている。

■UPSワールドワイド・エクスプレス・セイバー

UPSワールドワイド・エクスプレス・セイバーとはヤマト運輸の世界各国のUPSネットワークを活用して、書類や貨物を、世界200ヵ国以上の国と地域へ配送するサービスである。複数個口の発送が多いビジネス輸送に適している。
「UPSワールドワイド・エクスプレス・セイバー」はヤマト運輸をユーピーエス・ジャパンの販売代理店として利用することができるサービスである。
料金は10のゾーンに別れて、荷物の重量により異なる。2kg非書類の場合、アメリカ合衆国(ゾーン5)の場合20,900円となっている。料金には、基本料金、燃料追加料金、特別取扱手数料、保証料などが含まれている。

飛脚国際宅急便(佐川急便)

佐川の国際飛脚便

飛脚国際宅急便は世界220以上の国や地域にドア・ツー・ドアの配送が可能で、各お届け国・地域を8地帯に分け、ドキュメントクーリエ(書類)/スモールパーセル(小荷物)別に細かく(重量0.5kg刻み)設定した料金体系となっている。
配送は最大で、1梱包3辺合計260cm以内・重量50kg以内の荷物が対象となっており、ドキュメントクーリエ(書類)、スモールパーセル(小荷物)で配送料が異なる。
アメリカに2kgの小荷物を配送する場合は8,200円、書類の場合は6,500円となっている。
日本国内どこからでも統一料金で国際間輸送が行えるところが、利用しやすいサービスと言える。しかし、佐川もヤマト運輸と同様、個人へ配送できる地域が限られているので、注意が必要である。飛脚国際宅急便で海外個人に配送可能地域は、韓国・台湾・香港・シンガポール・USA・EU加盟国となっている。

DHL

DHL

DHLはドイツの国際貨物輸送の大手企業である。DHLは国際配送としては、世界3大大手物流企業、DHL(ドイツ)、FedEx(アメリカ)、UPS(アメリカ)の中でトップを行く企業である。
DHLの国際配送サービスには、DHL SAME DAY JETLINE、DHL エクスプレス9:00、DHL エクスプレス10:30、DHL エクスプレス12:00、DHL エクスプレス ワールドワイド、DHL EXPRESS JUMBO (ジャンボボックス)など様々なサービスが用意されている。
「DHL SAME DAY JETLINE」は集荷時点で利用可能な最も出発の早いフライトに荷物を搭載し、世界各国にドア・ツー・ドアで配送するサービスである。
そして、到着時間を指定ができるサービスが、「DHL エクスプレス9:00、10:30、12:00」である。そのほかのサービスでは、「DHL エクスプレス ワールドワイド」、「DHL エクスプレスエンベロープ」、「DHL EXPRESS JUMBO (ジャンボボックス)」、「DHL EXPRESS EASY」がある。ひとつづつ見ていこう。

■DHL エクスプレス ワールドワイド

ドア・ツー・ドアで配達可能な翌営業日以降に配送が可能である。一辺の寸法が最大300cm以内、重量300kgまでの大型荷物まで可能なプラン。

■DHL エクスプレスエンベロープ

A4サイズ40枚程度が入る専用封筒で、300gまでの軽量のビジネス書類のみを、スピーディに配送するサービス。

■DHL EXPRESS JUMBO (ジャンボボックス)

10kgまで、または25kgまでの重量に耐えるテープ不要の専用のボックスを利用できるサービス。

■DHL EXPRESS EASY

荷物に合わせて、無償の専用ボックスに入れて配送できるサービス。
書類・非書類を1箱にまとめて発送することができる。

DHLを利用したDiscovery japanではトラブルが発生

デジタルスタジオでは「Discovery Japan Mall 」を運営しており、最近、高額の時計を購入いただいたアメリカのお客様いた。そのお客様はDHLを指定され、商品の到着を待っていたが、アメリカ税関でトラブルが起こった。
DHLではアメリカ通関のための仕様記入項目が詳細で、その詳細を記入しないと通関できないと、お客様に対して時計の詳細な素材やその素材の価格など、詳細なスペックの提示を求めてきたのだ。お客様はそのようなスペックは知る由も無いので、当社へ助けを求めてきた。
当社カスタマーでは、詳細な仕様表を作成し即日提出したが、DHL米担当者は”What is attached is not a watch detail sheet. It cannot be used.”資料が違う、使えないと、具体的な修正指示も無く、当社は途方に暮れる状況に陥ってしまった。
このDHL米担当者の横柄な対応にも問題はあるし、これが大企業対応なのかと不信感しか残らなかった。
結果、DHL担当者と何度もやりとりを行い、5日以上の遅れで商品はお客様に配送された。DHLに対しては、この対応の悪さと通関のための手続きに対して簡略化できるところは改善していただくことを願うばかりである。

まとめ

これまで、見たきたように、海外配送にも様々なサービスがあることをお分かりいただけたと思う。海外配送サービスは様々あるので、一概にこのサービスが良いとまとめることはできないが、商品の特性、配送時間によって適切な配送手段を選択すべきだろう。
また、越境ECではここに取り上げた各社配送サービスの特徴を理解し、自社の取り扱う商品にあったサービスを導入すべきである。

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