Googleのモバイルファーストの導入は、2018年になると予測されていたが、一部のサイトにおいては、すでに導入テストが開始されているようで、数ヶ月後には完全に移行するのではないかという推測もある。
モバイルファーストインデックスの概要については、以前のブログ「今更聞けないモバイルファーストインデックス」でもお伝えしているが、 今回はモバイルファーストインデックスに最適化する際のポイントをまとめてみた。
現在のGoogleが行っている、検索結果のSEO順位付けは、PC向けページが基になっている。そのため、スマートフォンでの検索結果は基本的にはPC向けページのランキングが基準に表示されている。モバイルファーストインデックス(MFI)が導入されるとこれが逆転する。
PC向けページからモバイル向けページのSEOの評価基準へと変更となるのが、モバイルファーストインデックスである。
5年前までは、調べものをするときは、PC検索があたり前だったが、現在はWebサイトへのアクセス数はデバイス別にみると、約7割がスマートフォンからのアクセスとなり、検索ユーザーはパソコンからスマートフォンへシフトした、つまり、モバイルページサイトを主要な検索エンジンインデックスとして使用することになるというものだ。
Googleはモバイルユーザーの検索体験を第一に考える、モバイルファースト実装する注意点として、「モバイル ファースト インデックスに向けてサイトを準備するためのヒント」を昨年12月19日に発表している。今回はこの内容を基に、どのようにモバイルサイトを最適化しなければならないのかを下記に整理した。
Googleはレスポンシブデザインの使用を推奨しているようだ。レスポンシブデザインはユーザーの使用デバイスを特定し、スタイルシートでデザインを分岐させるものだ。 一般的には、デバイスの画面サイズによって、表示が変わり、小さな画面に収まらないコンテンツはリフォーマットされる。
サイトがレスポンシブデザインになっていれば、様々なデバイスで表示された際にエラーになることもなく、これはユーザビリティ的にも優れており、クローラーの巡回の手間も省けるため、Googleも推奨しているのではないかと考えられる。
動的な配信に対応しているサイトとは、PCもスマートフォンも同一のURLで運営しているが、ユーザーのデバイスに基づいてサイトを動的に適応させるものである。
ユーザーの使用するデバイスがサーバー側で検知され、サーバーが適切なページを配信するものである。 メリットは、通販の商品ページなどの場合、デスクトップサイトでは100件の商品を表示させるが、モバイルサイトでは表示数を25件とするなどして、掲載量を絞ることで、ページの表示速度を向上することができる。
PCとスマホで別々のURLで表示するとは、デスクトップサイトとモバイルサイトで別々のURLを設定するもので、動的な配信と同様の利点はあるが、デメリットはデスクトップサイトとモバイルサイトの関連付けが必要となるところだ。
別々のURLで表示しているサイトとは デスクトップサイトの場合は「http://www.sample.com/」 モバイルサイトの場合は「http://www.m.sample.com/」など別URLで運営している場合。
Googleはレスポンシブデザインを採用しているサイトや動的な配信を正確に実装しているサイトは何もする必要が無いとしている。
Googleはサイトに望むのはデスクトップサイトとモバイルサイトのコンテンツ、ページ数が同じで各ページURLを同じにすること。そうすることにより、Googleは1ページも見逃すことなく、チェックし評価するだろう。
以下にモバイルファーストインデックスするための、準備すべき主な内容をまとめた。
モバイルページのコンテンツがPC向けページのコンテンツと比べ、大きく違っているような場合はSEO評価が下落するので注意する。
つまり、モバイルサイトとデスクトップサイトのコンテンツは、同等レベルのコンテンツを提供する必要がある。また、コンテンツが同じであれば、ナビゲーションや広告などのコンテンツが削減されている程度であれば問題ないとしている。
Googleは、PC向けページに設定された構造化データがモバイル向けページにも同様に設定されいることを確認することを推奨している。 構造化データとは、HTMLで書かれた情報が何を意味するのかを、検索エンジンやその他のクローラーに理解できるようタグ付けしたものである。
例えば、東京都が住所を意味する時のタグは <span itemprop=”addressRegion”>東京都</span>とコーディングすることを推奨している。
この内容をPC向けページとモバイル向けページは同じにすることが求められる。 また、メタデータも、PC向けページとモバイル向けページの両方に設定する。
たとえば、title タグと meta description タグはサイト内のすべてのPC向けページとモバイル向けページで同じにする。
モバイル向けページとPC向けページを別々のURLで運用している場合は、アノテーションの設定が必要です。 アノテーションとは、別々のURLで生成されたコンテンツを同一のものであるとクローラーに伝えるためのものである。
これは、被リンク対策である。 通常、モバイル向けページに張られているリンクはPC向けページに張られいるリンクより少ないだろう。サイト評価がモバイルサイトに移行されるとアノテーション不備の場合、ランキングは下落することが予想される。
アノテーションされていれば問題ないが、アノテーションされていない場合は以下のようにしていただきたい。
デスクトップサイトのURL:https://sample.com/
head内に設置するタグ:
<link rel=”alternate” media=”only screen and (max-width: 640px)” href=”https://sample.com/sp/” />
モバイルサイトのURL:https://sample.com/sp/
head内に設置するタグ:
<link rel=”canonical” href=”https://sample.com/” />
hreflangタグ(多言語サイトの最適化のために必要な要素)についても言及している。 別言語の設定をhreflangで行っている場合は、モバイル向けページにもPC同様にhreflangの設定を行うことを推奨している。
実装例は以下の通り。
PC向けページ(日本語版、英語版)
<link rel=”alternate” href=”http://ja.sample.com/” hreflang=”ja” />
<link rel=”alternate” href=”http://en.sample.com/” hreflang=”en” />
モバイル向けページ(日本語版、英語版)
<link rel=”alternate” href=”http://ja.sample.com/sp/” hreflang=”ja” />
<link rel=”alternate” href=”http://en.sample.com/sp/” hreflang=”en” />
Googleは、Googlebot (スマートフォンん版)のクロールの増加をきちんと処理するために、ホスティングサーバの容量を十分に確保するように補足している。 これは、モバイル向けページ用に別のアドレスを持つサイトにのみ適用される。
Googleはここ2、3年間で、AMPページを推進しており、表示速度はモバイルファーストインデックスの重要なランキング要素となる。AMPとはモバイル端末でウェブページを高速表示するためのプロジェクト、またはそのためのフレームワーク(AMP HTML)のこと。 サイトの表示速度はGoogleのTest My Siteツールを用いて、サイトのパフォーマンスを測定し、モバイル適合性とモバイルページ表示速度の分析ができる。 表示速度については当初はランキング要因には含まれないと言われていたが、表示速度の改善はユーザー体験(UX)に与える影響は大きく、これはSEOに関わらずWEBページを利用したマーケティングを行う上で重要である。
Googleのモバイルファーストインデックスは、増え続けるモバイルユーザーに対して、モバイルユーザーの立場にたったWEBサイト制作・運営を事業者に求めるである。 導入の時期は、まだ決まってはいないが、12月19日の発表されたブログをみると徐々にテスト導入しながら、Googleは必ずやり遂げるという決意が感じられた。
モバイルファーストインデックスの最適化をまとめると、
参考:
モバイル ファースト インデックスに向けてサイトを準備するためのヒント
モバイルファーストインデックスに向けた対策
MFI(モバイルファーストインデックス)とは
タグ: SEO