2月24日、電通は2021年の日本の総広告費を公表した。
2021年の総広告費は6兆7,998億円、前年比から110.4%となっており、新型コロナで大きく後退した2020年(6兆1,594億円)から回復した。 回復を牽引したのは、言うまでもなくインターネット広告費である。
インターネット広告費は2兆7,052億円(前年比121.4%)と高い成長率を示し、さらにこの数字はマスコミ4媒体広告費(2兆4,538億円)を初めて上回る結果となった。 今回は、ついに、広告もインターネット広告が広告の主媒体となった2021年、日本の広告費の公表内容について整理した。
日本の広告費は、前段にも記したが6兆7,998億円(前年比110.4%)と大きく回復した。 これは新型コロナの影響が緩和したことであったり、東京オリンピック・パラリンピックの開催によるところが要因だろう。
総広告費の構成は、大きくはマスコミ4媒体費の2兆4,538億円(前年比108.9%)、インターネット広告費の2兆7,052億円(前年比121.4%)、プロモーションメディア広告費の1兆6,408億円(前年比97.9%)となっている。 2021年のインターネット広告費は、広告費全体の39.8%と約4割を占め、これまで占有率の高かったマスコミ4媒体費を初めて上回った結果である。
2020年はコロナで広告を牽引したのは、巣ごもり需要と相性の良いインターネット広告だった。 2021年はコロナがある程度落ち着いた中でのインターネット広告が2020年以上に大きな成長率となっているところがポイントである。
インターネット広告費は2兆7,052億円(前年比121.4%)と大きく増加した。 インターネット広告費の構成は、ネット媒体費としての2兆1,571億円(前年比122.8%)、物販系ECプラットフォーム広告費の1,631億円(前年比123.5%)と制作費の3,850億円(前年比113.2%)となっており、全ておいて高い成長率を示している。
また、インターネット広告媒体費(2兆1,571億円)を種別で見ると、成果報酬型広告の940億円(前年比95.4%)、検索連動型広告の7,991億円(前年比117.7%)、ディスプレイ広告の6,856億円(前年比119.6%)、ビデオ(動画)広告の5,128億円(前年比132%)、その他のインターネット広告の657億円である。
インターネット広告の変化として特質すべきは、ビデオ(動画)広告が5,128億円(前年比132.8%)と初めて5,000億円を超えており、その成長度の高さを示したところだ。 ビデオ(動画)広告は、Googleなど検索連動型広告(7,991億円)やディスプレイ広告(6,856億円)などと比べるとその成長率は高い。
今後は、ビデオ(動画)広告市場は、ますます拡大し、ネット広告の主軸となることが予測される。
2021年の日本の総広告費は6兆7,998億円と、2020年のコロナ禍の影響による広告費減から大きく回復した。 ただ、コロナ以前の2019年6兆9,381億円と比較すると、完全に回復したとは言い難い数字だ。 2020年コロナ期、2021年コロナ緩和期ともに日本の広告を牽引したのはインターネット広告である。
時代は「テレビからネットへ」とシフトし、主役だったテレビ広告はネット広告に置き換わり、広告事業主は、まずはインターネット広告から企画する時代になるだろう。
図出典及び参考:「2021年 日本の広告費」
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