製造業の実践 -社内の製品を標準化する-

皆さん こんにちは。

前回は「中小企業」の一般論の現状を少し見ました。
ここからは、私が見聞きし、体感した事柄を中心にしながらお話を進めて行きたいと思います。
(時代は今から30数年前である事をご理解頂きながらお読みください)

その会社は、産業界の生産財向けにマイクロコンピューターを活用したシステム(コンポーネント)を開発・生産・販売を行う製造業でした。
お客様のご要望に合わせて、又はお客様から提示される仕様を満足する電子回路を設計し基板ならびに制御ソフトウエアを開発、必要に応じてリレーシーケンス等を組み付、それらをお客様仕様に設計制作した筐体に納めて納品させて頂く事、が主流でした。
お客様は、大手電機並びに大手電気メーカー、システムメーカーや鉄工所などで、お客様もお客様を持っている場合が殆どで、又そのシステムや機械の全てではなく一部を担当する事が多くありました。またその商流から会社名が外に出る事は殆んど有りませんでした。

一から仕様に合わせて開発していく一品一様のオーダーメイド開発生産ですから、開発の為の費用もお客様から頂戴していました。開発には相当の時間が掛りますが、お客様仕様に対して完全フィットしています。しかしこの手法では、受注出来る仕事量が人間の数や能力に比例してしまいます。
そこで「全て一から作るのではなく、ある範囲をカバーする部分を予め用意しておけば開発の為の時間を短縮できる」つまり標準化に踏み切りました。演算部分・記憶部分・入出力部分などに標準化し、可能な限り社内標準品を使う事で開発要素を少なくしていく事を目指す事にしたのです。

ただし、お客様仕様にとっては不必要な部分も付いてきてしまう事になる場合が出てきます。開発効率化の為の標準化、それはお客様への見積もり金額にも影響を及ぼします。双方にとってコストダウンになる場合は問題ありませんが、ハードウエア(本体)に余分な部分が出て来ると製品原価の上昇に繋がります。利益率を圧迫する訳にはいかないので見積金額が上昇する事になります。

営業としてこの部分をお客様に納得して頂く必要が有ります。切り口の一つは、「保守補修費用を押さえる事が出来る」と言う点でした。完全カスタマイズでの保守補修部材の為の確保費用が標準部品を持っている為に低予算でまかなえる点を強調し納得を得る形で交渉しました。
この社内標準化構想はお陰様で成功と言える結果でした。開発効率は向上し利益率も覚悟していた程は低下しないで良い方向に向く事が出来ました。
利益率を確保できた理由の一つに、資材部門の活躍が有ります。標準化によって購入する部材も標準化されますから、纏めて交渉する事が可能となり利益率向上に寄与したのです。

皆様の所でも既に実行されている方も多いと思いますが、標準化は利益率向上の一つの有効な手段になります。が、ある部門だけが行うのではなく、製造販売開発のすべての部門に関係がる事を認識し全社対応で実践していく事が大切なことになります。

さて、このまま社内標準化は順調に進んでいくのでしょうか?
この続きは次回に。

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