Webサイトを運用するからには、何らかの目的があって運用されるいることだろう。ECサイトでは商品購入や資料の申し込み、企業サイトでは求人募集や製品資料の請求などである。
そして、その最終目的がどの程度達成されているか、その確率を「コンバージョン率(CVR)」と呼んでいる。
この「コンバージョン率」を高くすることで、効率よく、売り上げを伸ばすことができるだろう。
あなたのWebサイトのコンバージョン率はどのくらいだろうか?昨年よりコンバージョン率は高くなっているだろうか?
今回はこのコンバージョン率の概念と、ボタンやフォームなどデザインを改善することで、コンバージョン率がアップするいくつかの内容を紹介する。
コンバージョン率とは、Conversion Rate(コンバージョンレート)=CVRと略され、Webサイトに訪問した人の中で、どれだけの人が商品を購入したか、資料請求したかなど、Webサイトの目的、ゴールに到達した割合を表す指標である。
コンバージョン率は「コンバージョン率(%) =コンバージョン数÷訪問者数(セッション数)×100」で求められる。
1日単位で計測すると、1日の訪問者が100名あって、その中で商品を購入した人が1名だったとすると、コンバージョン率は1÷100×100=1となりコンバージョン率は1%となる。
この「コンバージョン率」を日々チェックし、少しでも改善することにより、コンバージョン率を向上することができれば、効率よく収益をあげることができる。
Webサイトのパフォーマンスを示す指標となるのがCVRの水準である。
そして、このコンバージョン率はサイトの種類や業界によっても違ってくる。
一般的にECサイトの場合は1%〜3%が平均値である。
BtoB企業では2%前後、金融関係では約5%前後が平均値とされてている。
また、どのような結果になった時にコンバージョンとするかでも、その値は違ってくる。例えば、ECサイトの場合、商品購入だけではなく、お問い合わせ申し込みなども含んだ場合は、当然、コンバージョン率は高くなるだろう。
それではCVRを改善する、向上するにはどうしたら、良いのだろう。
まず、自社サイトが平均値と比較してその水準にあるかを確認し、水準に達していない場合は、改善の余地があるということだ。
トップページから、商品購入までのプロセスをもう一度、客観的に見直す。
また、商品購入ページまでアクセスしていながら、購入ボタンがクリックされない場合は、購入ページの内容を見直す。
購入ボタンがクリックされ、登録フォームで離脱している場合は、入力フォームを見直す(入力フォーム最適化)。
など、ユーザー視点に立ち、もう一度自社サイトを見直すことが重要である。
コンバーション率の改善するには何を行うのが良いのだろうか?商品を購入しやすくすると言っても、具体的にはどうしたら良いのか、簡単ではないだろう。
答えは色々と試し、統計をとりテストを行いながら、最適な状態に近づけることである。今回は、その中でもボタンのデザインやフォームのデザインするうえで、これを行えば、コンバージョン率がアップするというポイントがあるので、次ににいくつか説明する。
ボタンのデザインを変えるだけでコンバージョン率が上がったということがよく言われる。
ボタンはまず、目だたせなくては意味がない。ボタンは大きく、周囲に溶け込まない配色にし、影をつけたり、オンマウスした時に色が変化するなど、少し刺激的な変化が、ユーザーに親近感を与え、クリックしやすくする。
色は購買意欲を刺激する「赤」または「オレンジ」、安心感を与える「緑」が効果があるようだ。
下の事例は、カートボタンの周りに、商品メリットが表示されているものである。内容は、決済方法で代金引き換えの利用ができることを示したもの。
このサイトの特徴として、価格表示に代金引き換えの利用が可能であることをアピールすることで、CRVが向上した事例である。そのほか、クーポン利用、割引き情報など、ボタンクリックを後押しするような内容を添えることで、CVRは改善される。
下の事例は会員登録を促すボタンの改善例だ。ボタンの内容を具体的に「〇〇できる無料会員登録へ››」など明記することで、ユーザーはクリックしやすくなる。
ボタンの内容は会員になることで、どんなメリットがあるかを明記する。具体的に明記すれば、その内容を理解したユーザーはきっとアクションを起こすだろう。
コンバージョン率を最も左右するのが、登録フォームの内容である。このフォーム入力が面倒という理由で離脱するユーザーは多い。
そして、意外とこのフォームを改善されいないのが現状である。スマートフォンでは指入力になるので、このフォームにタップする回数が増えるたび離脱率は高くなる。
ユーザーに少しでもこの入力手間を軽減させることで改善に繋がる。
下の事例は、入力ボックスを減らすことで、タップ数を軽減した事例である。
さらに、電話番号の入力の際「-」の扱いを明記することで、スマホの場合、ユーザーはキーボードを切り替える必要なく、スムーズな入力が可能となる。
可能な限り、テキストボックスの入力項目を軽減することで、ユーザーの離脱を食い止めることができる。
入力フォームの周囲にユーザーベネフィット(商品を購入して得られる未来像)を追加することで、CVRがアップすることができる。
下の事例は、ダイエットに申し込むフォーム内容の周囲に、ダイエットに成功した読者モデルの成功事例画像を挿入したものである。
商品を購入して獲得できるユーザーベネフィットを追加し、CVRを改善しよう。
経済産業省の統計によると、2017年の日本国内のBtoC-EC市場規模は16.5兆円、前年比9.1%増と拡大している。売上を上げるECサイトにするには、まず、現状のECサイトを見直し、現状の問題を把握し、課題を改善することが基本である。
そして、課題を改善することで、コンバージョン率を少しでもアップしてゆくことが重要である。
また、先日もGoogleアナリティクスに新機能「インサイト」が追加されたというニュースがあった。この「インサイト」の機能については、まだ、実装間もないので充分把握できている訳ではないが、「コンバージョンレポート」なども作成してくれ、この「コンバージョンレポート」を中心にページ内容を見直すこともできるようだ。
このような分析機能を使い、どのページを改善すべきかを把握し、見直しを行い、ユーザーにとって最適なWebサイトを目指していただきたい。