FacebookとTwitterが世界における2大ソーシャル・ネットワークであるというのは疑いのないところです。では企業にとって、どちらの方がより優れた広告ツールを提供しているのでしょうか?4つのカテゴリーごとに両者の広告を比較してみます。
リーチとは、ある広告が何人のユーザーに配信されたのかを表す指標です。リーチに関係する数字として、Facebookのアクティブユーザーは約11.5億人、 Twitterは2.3億人です。またユーザーのツイートが1日約5億なのに対し、Facebookに1日でアップされる記事は約47.5億と、ネットワークの大きさやアクセス数からみると、リーチではFacebookがTwitterを圧倒していると言えます。
FacebookとTwitterは広告において異なるシステムを採用しているため、その効果を単純に比較することは難しいのですが、いくつかの特徴的な指標を見てみましょう。
まず、CTR(クリック・スルー・レート:広告がクリックされる率)では、Facebookが0.12%と低いのに対し、リツイートなどを含むTwitterのCTRは1~3%です。Twitterはプロモツイートという広告で、広告主をフォローしている人に広告ツイートを届けられることもあり、効率のよい広告が打てていると言えます。一方、Facebookでも、『○○さん(友人)が○○について「いいね!」と言っています。』と表示されるスポンサー記事広告などを導入してはいますが、ターゲティングという意味では苦戦しています。
CTRの差を反映してか、インプレッション収益(広告を1,000回表示した場合の見積もり収益)は、Facebookが0.59ドル、Twitterは3.5ドルとTwitterの方が高くなっています。
次に訪問者あたりの売上高を比較すると、Facebookが前年度比37%増の0.93ドルであるのに対し、Twitterは0.4ドルと売上高こそFacebookの半分以下ですが、前年度と比較すると4倍に成長しています。
モバイル端末に限ってFacebookとTwitterの広告効果を比較すると、Facebook広告はニュースフィード上で流れ、ユーザーの目に入りにくいのに対し、Twitterではプロモアカウントなら「おすすめユーザー」に、プロモツイートなら「タイムライン」と検索結果に、とモバイルでもPCと同じように表示されます。
現状では、Facebookがモバイル広告のシェアの15.8%を占めており、Twitterの1.85%を圧倒しているのですが、2015年には、Twitterの広告売上は世界中で13.3億ドルに増加、うち6割以上がモバイル広告によってもたらされるだろうという予測もあり、今後、モバイル広告市場が拡大すればするほど、Facebookの地位が揺らぐことが懸念されます。
Facebookは広告の種類を減らす傾向にありますが、それでも現在、「アプリ広告」・「イベント広告」・「ページへの「いいね!」広告」など10種類を提供しています。一方でTwitterは、タイムライン横の「おすすめユーザー」に表示される「プロモアカウント」、ユーザーのタイムライン上や検索結果にツイートを表示させることができる「プロモツイート」、任意の言葉やハッシュタグが1日1社限定で「トレンド」部分のトップに表示される「プロモトレンド」の3種類のみを提供しています。
FacebookとTwitterのいずれにおいても、配信地域を指定したり、キーワードやユーザー自ら登録した個人情報からターゲティングを行えるなど、類似した機能を備えています。その一方で、それぞれの強みもあります。Facebookでは、圧倒的なユーザー数を背景に、広告単価は安くとも効果を上げていますし、Twitterでは、プロモツイートでもリツイートできるので、その一方向的なフォロー関係を考えれば、Facebookにおけるシェアよりも拡散性に強みがあると考えられます。
どちらもマーケティングには欠かせないソーシャル・ネットワークですので、それぞれコミュニケーションツールとして活用しながら、足りない部分を広告で補う、という形が理想的なのではないでしょうか。
参考:
・Twitter vs. Facebook Ad Showdown:Which Offers the Best Social Media Ad Platform?
PS
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