先日、ヨーロッパで実施されたオンライン決済に関する実態調査(2016年度VISAクレジットカード会社の調査)では、約54%の消費者がモバイル決済を日常的に利用していることがわかった。これは、昨年度の利用率18%と比較して1年間で何と3倍に急上昇している。
この調査は、クレジットカード会社のVISAがヨーロッパ19か国、約36000人を対象にオンライン決済利用者に関する調査を実施したもので、消費者が今まで以上にデジタル決済へシフトしていることがわかる。
例えば、昨年度の調査では、消費者が携帯での支払いを経験したことがないと答えた人が38%である一方、2016年は、使用したことがない人の割合が12%まで減少していることが分かっている。
今回はこの調査結果から、決済に求められるニーズを読み解いてみよう。
トルコやルーマニアなどの新興国でも、急速にモバイル決済などの支払いのデジタル化が進んでおり、先進国に追いつく勢いである。イギリスでは,消費者の74%がモバイル決済利用経験者で、そのうちの43%が日常の食料品からバスなどの公共交通機関のチケット、さらに、高価な商品も躊躇なくスマートフォンで決済をしているらしい。
さらに、今回の調査結果で分かったことは、ヨーロッパでは、モバイル決済だけでなくモバイルバンキングの利用者も増加している。イギリスをはじめ 「今後、ヨーロッパ諸国にて決済方法が多様化するサインである」と、VISAの社長Kevin Jenkinはコメントしている。
例えば、オランダのモバイルバンキングは、非常に使いやすくできている。
ABNAMRO銀行のアプリは5桁の暗証番号を入れるだけでログイン、複数のアカウントの金額が一目瞭然で、一元管理ができ、口座間の送金も口座振替用紙は、スキャンをすれば自動的に送金先を読み取ってくれるので、いちいち口座番号を入力する手間が省ける。
セキュリティー面では、小さなカードリーダーとディスプレイ画面で認証するシステムになっており、合致しないと送金できない仕組みになっている。
間違ったパスコードを入力するなどでロックが掛かってしまった場合でも24時間対応の電話番号で確認をすれば、電話上でロック解除もできる。 実際に利用をしていて日本よりかなり使いやすくできていると感じる。
さらに、Apple Payもサービス開始し、イギリス、フランス、スイスで利用可能である。さらにSamsung Payもスペインで、Android Payもイギリスにてサービスがスタートしている。
さらに、将来的にスマートウォッチ、リストバンド、洋服?などのツールでも決済が可能になり、新デジタル時代の到来といえるだろう。
消費者がいつでもどこでも好きな時に商品を購入、支払いが可能であるシステムおよびツールが日々進化し、ライフスタイルに合わせて便利に買い物ができるようになることは、購買力を上げる、時間の短縮、管理が簡素化されるなど様々なメリットがある。
消費者は、会社の規模、信用性、柔軟性などの観点から自分の好みの支払い方法を選べるようになる。
決済サービス提供会社会社が増えれば、手数料などの価格競争も出てくるので、ますます消費者にとって便利で安価なサービスが求められるだろう。
参照:http://ecommercenews.eu/54-europeans-regularly-make-mobile-payments/
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