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アメリカ TPP離脱の場合、越境ECはどうなる?

   投稿者 : 2016年11月21日 By

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アメリカ大統領選挙で大逆転勝利したドナルド・トランプ氏。世界はトランプ氏がこれまでに発言したことを、大統領就任後、公約として実行するかが注目している。 これまで、トランプ氏の発言は様々なメディアで取り上げられ、読者も周知のことだと察する。
今回は、そのトランプ氏の様々な発言の中でも「アメリカがTPPから離脱する」を実行した場合、今後、対アメリカとの越境ECはどうなるのかを考えてみたい。

 

大統領選でトランプ氏が勝利したことで、日米関係の将来に関係するTPP(環太平洋パートナーシップ協定)の発効が難しくなるという見方が強まっている。 トランプ氏は選挙戦を通じてTPPは「最悪の協定だ」と酷評しており、大統領に就任後は、直ちにTPP協定からの離脱に取り組むと主張している。
つまり、トランプ大統領になればアメリカがこれまで推進してきた「TPP協定から離脱する可能性がある」ということだ。TPP加盟12カ国の中でGDP60.4%を有するアメリカが離脱すれば、TPP協定は発効されない、事実上、TPPは白紙となる可能性が強くなる。もしくは、アメリカ抜きでの協定発効となるかもしれない。
日本政府はこのTPP発効を景気の起爆剤としているので、アメリカのTPP離脱は大きなマイナス要因となることは事実だ。

 

●越境ECにとってTPPメリットって何?

 

・関税の撤廃のメリット

TPP(環太平パートナーシップ)の基本は日米を含む12カ国での関税の撤廃である。この関税は5年をめどに段階的に撤廃されるというものである。越境ECでは海外に商品発送する際、商品購入者は「商品代金 + 消費税 +海外発送料 + 関税」を支払わなければならない。TPP発効後は、この商品にかかる諸々の経費の中の関税が5年かけて無くなるのである。
これにより輸出商品価格は安価になり、越境ECではアメリカなど協定内の消費者から、日本製品の購入の機会が高まることが予想される。 アメリカは日本の対貿易、輸出総額の20%以上を占めるナンバーワン輸出大国なのである。
TPPが発効されれば、ますます、輸出産業も拡大、増長するだろう。

 

・12カ国の越境ECルール

昨年10月時のTPPの大筋合意では、地域内における電子商取引を活性化するための「電子商取引に関する主な合意事項」(下記参照)としての”共通ルール”についても合意している。 この合意事項によると、「デジタルコンテンツには関税しない」や「現地に事業所やサーバーを置かなくてもEC事業を行える」ことや、「貨物の到着から原則48時間以内に荷受の許可を出す」ルールなどもあり、日本企業がグローバル市場に進出しやすくなるのである。

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また、「電子商取引に関する主な合意事項」の、配送に関わる通関の提出書類が電子化されれば、海外発送に関わる通関手続きが効率化・迅速化され、配送速度も上がることになり、越境ECにとって充分な追い風となるだろう。

 

●アメリカがTPPを離脱するとどうなる?

「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ氏がTPP離脱を実行すると、アメリカとの貿易は停滞すると見られ、TPP発効から得られる恩恵は皆無となる。 そして、TPP発効を契機に雇用拡大、アベノミクス推進を図っていた日本経済にとっては大きな打撃といえ、さらに日本のアメリカに対する輸出製造分野にとっても大きな打撃となり、越境ECにとっても厳しい状況になると思われる。
つまり、アメリカのTPP離脱はアメリカの保護貿易色が強まって行くことを意味するのである。 アメリカはTPP離脱後、各国に対して無税だったものに関税をかけたり、関税を引き上げる可能性が高まる。関税が上がれば、価格が上昇し、購買率が下がると予想され、当然、円高ドル安など予想されるのである。
そうなった場合、対アメリカ越境ECについては、何らかの発想の転換、施策を行ずる必要がでてくるだろう。

 

●越境ECの今後

アメリカのTPP離脱はまだ、議会決定したわけではない。日本はTPPについては、対トランプ氏に対して、環太平洋間の貿易・投資のルール作りを日米が牽引する必要性を強調すべきである。 もし、TPPが頓挫すれば、米国が加わっていない環太平洋間の貿易・投資の基軸はRCEP協定に移行し、中国が環太平洋間の貿易・投資のルール作り牽引すること意味する。
アメリカのTPP脱退のデメリットを根気よく説明することが重要だ。まだまだ、離脱しないという可能性は残されているが、アメリカが、もし離脱しTPP協定が発効されない場合は、越境ECは対アメリカ以外にも販路を拡大する必要がある。 特に注目すべきは、ここ数年、GDP成長率の高い、マーケットである東南アジア諸国を視野に入れた販路拡大である。
例えば、インドネシアやマレーシア、シンガポール、フィリピンなどの国々にも越境ECを展開すべきである。 それら東南アジア諸国は人口の増加に加え、ITインフラやEC市場規模も拡大してきており、SNSやスマートフォン利用率も高く、親日国でもある。これらの国々対しても販路拡大、進出する余地は十分にあるのではないだろうか。

 

●まとめ

日本時間の11月18日朝、安倍首相はニューヨークで初めてトランプ次期大統領と会談した。ここでの会談の具体的内容は非公開で、TPPについてどこまで話されたかは公開されていない。 内容はトランプ氏と良好な関係を結べたことを強調するに止まり、未だ、TPPについては不透明な状態で参加、脱退の予測は難しい状態である。
また、トランプ氏は選挙期間中とは主張のトーンを変えている。選挙公約を実現するより、アメリカにとってのメリット、デメリットを、現実路線に立ち返り修正を行うのではないかとの見方が強い。
TPPは、①自由貿易、②多国間交渉、③中国除く自由主義圏という特徴がある。 中国除く環太平洋諸国の自由貿易のため、トランプ氏がTPP離脱の姿勢を改めることに期待したい。

 

参考:今さら聞けないTPP

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