
WEBデザインは毎年、時代とともに目まぐるしく多様に変化している。新たなテクニックによる見せ方や新しいスタイル、ツールなどが常に交錯し、革新的なデザインが生み出されている。WEB業界では常にそのような最新情報に敏感に反応し、デザインのみならず、マーケティングやビジネスに応用することが求められる。
今回は2016年のWEBデザインのトレンドについて調べてみた。
2015年から引き続き、今年もトレンド感が強いミニマルデザイン。フラットデザインを基本にした大きな写真、シンプルなナビゲーションは洗練されたシャープなイメージを伝えることができる。また、コンテンツを中心として不要な要素を取り除くことで、わかりやすくユーザビリティに優れたデザインとして歓迎されている。
ミニマルデザインによく使われるてテクニックとして、ダブルトーンによるデザインがある。ダブルトーンデザインは写真を2色の明暗色に色相分解して組み合わせることで、印象的なトップページを演出するものだ。色相は補色による組み合わせが多く、2015年からのトレンドして、今年に入りカラーリングもさらに鮮やかなグラデーションを使ったものなどが増えつつあるようだ。
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こちらも2015年から引き続き、拡大しているレスポンシブデザイン。Googleがレスポンシブを推奨していることで、さらに普及しているデザインである。ソースがワンソースでモニタサイズに対応しているので開発面でのメリットは大きい。今後もスマフォの急速な利用拡大により、レスポンシブデザインはさらに拡大するだろう。これからのWEBデザインは、スマフォ画面デザインに比重をおいた、マルチデバイスに対応することがあたりまえになりつつある。
Googleのマテリアルデザインの普及と同時に増えているのが、カード型インターフェースデザインだ。カード型デザインは一つのトピックをカードスタイルにまとめることで、たくさんあるコンテンツを直感的に分かりやすく見せることができ、ユーザーフレンドリーなデザインと言える。また、レスポンシブデザインと相性も良く、SNSでコンテンツをシェアしやすいなどメリットも大きい。
メインビジュアルの代わりとして、大きなタイポグラフィを中央に配置するタイポグラフィをメインにしたデザインはミニマルデザインの一つと言える。デザイン要素を最小限にすることで、メッセージ性が高くなり、ブランドイメージを簡潔に伝えることができる。文字を大きく見せ、周囲に余白をたっぷりとることで、タイポグラフィが強調され、メッセージ性を重要視する場合はメリットが高い。

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トップページ全体に見栄えのいい高画質な画像や動画を配したデザインが急速に増えている。高品質、高解像度のクオリティの高い画像はブランドの訴求力を高める。テキストではなく画像でイメージを伝達することで、画像による迫力とともに印象に残るトップページデザインには有効である。画質はクオリティが高いほど効果的だ。
さらに静止画ではなく、動画すれば、静止画では伝わらないブランドの世界観、臨場感、情報量を伝えることができ、さらにストーリー性が高めればサイトの滞在時間を増やすこともできる。ただし、動画の場合は容量が大きくなるために、表示速度が少しでも早くなるように画質に関しては留意する必要がある。
動画でもアニメーションを使ったサイトもトレンドの一つだ。小さなローディングアニメーションから、背景全体を動かすダイナミックなものまで様々ある。アニメーションはユーザーの印象に残る、より魅力的なサイト体験を提供することができる。アイコンをクリックした時にアニメーションするもの、デザイン会社のイメージとしてブランドアニメーションなど様々あるが、面白いからと使いすぎには注意が必要だ。
スマフォの普及とFacebookの流行により、縦長のシングルページのサイトが多く誕生することになった。昨年、2015年のトレンドだったパララックスデザインである。実際に、ユーザーにとってどこまで続くかわからないスクロール型サイトは便利だと言えるのだろうか。そして、ここにきて、登場したのが、スクロールを必要としないサイトである。コンテンツを見せるためにスクリーンを縦ではなく横方向にスライドしてゆくデザインなどはキーボードによる操作も標準装備である。
今回はWEBデザインで今年、浸透しているデザインについて取りあげ解説した。なかには数年前から続いているものもあるが、それらも、さらに洗練されたデザインに変化しているように感じた。トレンドはデザインスタイルの流行というだけではなく、そこにはユーザビリティであったり、心地よさであったり、見やすさなど、さまざな要素が反映されている。
そして、トレンドを知ることは、デザインを行う際のガイドラインとしても有効である。デザインに悩んだ時など参考になるのがトレンドである。